読めますか? テーマは〈平〉です。

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平生

答え
へいぜい
(正解率 73%)

常日ごろ。平成生まれの人は使わない言葉かもしれない。なお山口県にある自治体は平生町(ひらおちょう)。

(2017年12月18日)

選択肢と回答割合

へいしょう 18%
へいぜい 73%
へなり 9%


平仄

答え
ひょうそく
(正解率 58%)

漢字を中国語で読むときのアクセントの高低による分類。また、漢詩の韻律に基づく配列の決まり。「平仄が合わない」はつじつまが合わないこと。常用漢字表では平に平等のビョウの読みはあるがヒョウは入っていない。仄も常用漢字外。

(2017年12月20日)

選択肢と回答割合

ひょうそく 58%
へいそく 35%
ひらぼの 7%


平城天皇

答え
へいぜいてんのう
(正解率 54%)

平安時代初期の天皇。桓武天皇の子。病気のため809年、嵯峨天皇に譲位し上皇になった。なお、2019年5月の改元とともに上皇の名が復活する。

(2017年12月22日)

選択肢と回答割合

へいじょうてんのう 39%
へいぜいてんのう 54%
へいぎてんのう 7%


◇結果とテーマの解説

(2017年12月31日)

この週は「平」を使う字にしました。

たまたま夏目漱石の文章を読んでいると「平生」という文字がやたらと目につく気がしました。漱石だけではありません。今年「君たちはどう生きるか」の漫画がベストセラーになったので、吉野源三郎の原作(岩波文庫)を開くと、全くの偶然で初めに開いたページから「平生」という文字が目に飛び込んできました。

こうなると偶然というより必然。それだけ「平生」という言葉が平生使われていたということでしょう。

しかし「そういえば最近『へいぜい』という言葉を聞かないな」と思いました。職場の平成生まれの若者に聞いてみますと、一様に「言葉としては知っているけど自分は使わない」という反応でした。そういえば昭和30年代生まれの出題者もめったに使いません。「いつも」「普段」「日ごろ」など、それに代わる言葉はたくさんありますから、必要性がなくなっているのでしょう。あと50年くらい後に「平成も遠くなりにけり」と言われるようになるころには「平生」は死語になっているかもしれません。

「平仄」も漱石は使っています。しかも、今も使われる「つじつまが合わない」という意味だけではなく、漱石は漢詩を作る人でもありましたから、漢詩での字の配置の意味でも用いています。岩波文庫の「思い出す事など」では、修善寺での療養中に

時々は面倒な平仄を合せて漢詩さえ作って見た

とあります。

なお「平」をヒョウと読ませるのはかなり珍しいのですが、近い例では「平等」のビョウ、「天平時代」のピョウがあります。そういえば奈良時代の都・平城京がヘイの読みで、同じ奈良時代の天平がピョウであるのは不思議です。平は漢音でヘイ、呉音でビョウとされます。奈良時代というのは微妙ですが漢音は入っているはずなので「天平」を「てんぺい」と読んでもいい気がします。

「平城京」を「へいじょうきょう」と読み、「平城天皇」を「へいぜいてんのう」と読むのもなんで?と思っていたら、今では「平城京」に「へいぜいきょう」という読みもありで、併記する教科書もあるようです。

もともとこの地は和語としては「なら」と呼ばれていたそうで、それに「平城」の字を当てる表記もありました。今でもJR関西線の駅「平城山(ならやま)駅」などにその呼び方をとどめています。そして「平らにする」ことを「ならす」ともいうことから、「奈良」という地名の語源がうかがえます。だから音読みでどうかというのは二次的な問題。ただ、「城」をジョウではなくセイと読む場合があるということは知っておいた方がよいでしょう。他の例では、美人や遊女を意味する「傾城(けいせい)」があります。

今回のテーマは終わりが近づく「平成」からの単純な発想でしたが、奈良の語源に結びつくとは予想だにしていませんでした。どんな方向に向かうか分からないから言葉の連想は面白いのです。

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