読めますか? テーマは〈秋深し〉です。

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霜降の節

答え
そうこうのせつ
(正解率 77%)

霜降は二十四節気の一つで、霜が初めて降りるころとされる。2017年は10月23日。なお「霜降」は秋の季語にもなっているが「霜」は冬の季語だ。

(2017年10月23日)

選択肢と回答割合

そうこうのせち 8%
しもふりのせつ 15%
そうこうのせつ 77%


露時雨

答え
つゆしぐれ
(正解率 94%)

露が降りて、時雨にぬれたようになること。また、草木の上の露が時雨のように降りかかること。単に露と時雨を並べた意味もある。時雨は晩秋から初冬に降る雨。「九月(ながつき)の時雨」という言葉もあり、陰暦9月の時雨のこと。木々を色づかせる雨だ。

(2017年10月25日)

選択肢と回答割合

つゆしぐれ 94%
つゆどきあめ 2%
ろじう 5%


深秋

答え
しんしゅう
(正解率 92%)

秋が深まったころ。同音異義語の「新秋」は秋の初めごろ。なお二十四節気の「霜降」の次は「立冬」(2017年は11月7日)なので時候のあいさつとしては「深秋の候」はそれまでに使う方がよい。

(2017年10月27日)

選択肢と回答割合

ふかあき 4%
おそあき 4%
しんしゅう 92%


◇結果とテーマの解説

(2017年11月05日)

この週は「秋深し」というテーマでした。

「秋深き隣は何をする人ぞ」という松尾芭蕉の有名な句がありますが、まさかこの秋、アパートの一室でおぞましい犯罪が繰り返されていたとは。いや、そんな話のためにこのテーマを選んだのではなかった。

「秋深し」「深まりゆく秋」「深みゆく秋」など、「秋」と「深」は相性がいい結び付きです。この「秋」を「春」「夏」「冬」と取り換えられるでしょうか。あまりふさわしくありませんね。

熟語もそうです。「日本国語大辞典」には「深秋」はあっても「深春」「深夏」「深冬」は見当たりません。なぜ秋に限って深という言葉と結び付くのか、面白いテーマになると思いますが、考察した文章をご存じであればお教えください。

ただし「深秋」も載せていない辞書は少なくありません。今出ている「広辞苑」もそうです。同音異義語の「新秋」はあるのですが「深秋」がないのは意外です。「大辞林」第3版などには載っています。来年1月出版の広辞苑第7版に入るかどうか注目しています。

「霜降」は、送り仮名さえ無視すれば「しもふり」と読んでも間違いではないため「節」を加えました。ところで「霜が降(ふ)る」というのは認める辞書もあり間違いとは言いがたいのですが、「霜が降りる」の方が普通の表現です。

気象庁の気象用語でも「霜が降る」を「×」として「霜がおりる」にしています。同じ「降」の字でも「おりる」と「ふる」ではだいぶ印象が変わってしまうのが日本語のやっかいなところでもあり、面白さでもあります。

露の場合も、「露が降る」より「露が降りる」というのが一般的だと思いますが、「銀河鉄道の夜」では

ケンタウルス、露をふらせ
ケンタウル露をふらせ

という用例もあります(ちくま文庫「宮沢賢治全集7」より)。「露を置く」という表現もあり、露に結びつく言葉は一様ではありません。正確には空から降るというよりは地上の水蒸気が水になったものですから、「ふる」わけではないのですが、そのでんでいえば霜について「ふる」を認めた国語辞典の立場がなくなります。

「露時雨」というのは味のある言葉ですが、意味のあいまいな語でもあります。「露と時雨」「時雨の降った後のような露」「草木の上の露が時雨のように降りかかること」の三つの意味があります。では動詞に続けようとすればどれが適切なのか。「露時雨が降る」か「露時雨が降りる」か、はたまた「露時雨がある」なのか。「新古今和歌集」にはこんな例もありました。

露時雨漏る山かげの下紅葉漏るとも折らむ秋のかたみに (藤原家隆)

美しい言葉だけに、使う際にはその美しさを消さない表現の工夫が求められます。しっくり結びつく動詞が思いつかなければ名詞のみで使う方がよいと思います。歳時記の「露時雨」に収められた句は大体そういう使い方です。

露時雨猿蓑遠きおもひかな (石田波郷)

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春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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