読めますか? テーマは〈選挙〉です。

スポンサーリンク

大宗

答え
たいそう
(正解率 60%)

物事の大もと。官庁などではなぜか「大宗を占める」という使い方が多く、「大半」と同義になっている。安倍晋三首相は衆院解散表明の記者会見で、経済政策の財源について「大宗は消費税から充当」と述べた。

(2017年10月02日)

選択肢と回答割合

たいそう 60%
たいしゅう 16%
おおむね 24%


渾沌

答え
こんとん
(正解率 90%)

天地が分かれていない状態。また、区別がはっきりしないこと。新聞では一般に「混沌」の字を用いる。新党「希望の党」により、選挙の行方も混沌としてきた。なお「渾」はこのほど人名用漢字になった。

(2017年10月04日)

選択肢と回答割合

こんとん 90%
ぐんとん 4%
きじゅん 6%


旗幟鮮明

答え
きしせんめい
(正解率 35%)

旗印の鮮やかなことから、態度や主張がはっきりしている意味で使われる。「幟」は「のぼり」を表す。「旗幟」は昔は合戦で、今は選挙戦で使われる語だ。さて新党の旗幟は?

(2017年10月06日)

選択肢と回答割合

きしょくせんめい 50%
きしせんめい 35%
きしきせんめい 14%


◇結果とテーマの解説

(2017年10月15日)

この週のテーマは今真っ最中の「選挙」でした。


by Chris 73

まず「大宗」ですが、衆院解散を表明した9月25日の安倍晋三首相記者会見に出てきました。このくだりは記者の質問に答えたところなので、おそらく官僚の原稿ではなく首相の語彙(ごい)に「大宗」という言葉が自然にあったと思われます。しかし、経済政策の「大宗は消費税から」というこの用法は大部分の辞書には載っていません。詳しくは、今から5年前の2012年の「毎日ことば」のブログで取り上げていますのでご覧ください。

この時点では「辞書にない」としていましたが、「デジタル大辞泉」では

1 物事の初め。おおもと。また、ある分野での権威ある大家。
2 大部分。おおかた。「大宗を占める」「大宗をなす」

となっています。12年に出た書籍版の「大辞泉」2版は「1」の記述のみでしたので、デジタル版で加えたことになります。

主に官庁などで使われ業界用語と思われる語が一般化した語に「前倒し」があります。「岩波国語辞典」によると、1973年ごろに「官庁俗語」として現れたのが、広まった語ということです。今では俗語だったという意識がなく皆さん使っているのではないでしょうか。しかし、そこから派生したと思われる「後ろ倒し」はまだなじみがなく、毎日新聞では基本的に使っていません。「大宗」も、「大半」「大部分」など同じ意味の一般語を用いるのが新聞では妥当でしょう。

「渾沌」は9月に新しく人名用漢字になった「渾」の字と、新党結成によって渾沌としていた政治状況を意識した出題。もっともその渾沌状況も1週間くらいで整理され、よくもあしくも対立軸がはっきりしてきましたが。

「渾」を人名に使えることになったのですが、どう使うのですかねえ。「渾身」はそのまんまでは名前にならないでしょうし。「渾」1字かな。「凛」1字のように、漢字1字の音読み名って今っぽいと思う人が多いかも。

人名用漢字といえば、「凛」の字は2004年に追加された人名用漢字です。先月放送されたドラマ「地味にスゴイ!デラックス 校閲ガール・河野悦子」を見ていたら、主人公の上司に「二階堂凛」という人が出てきて違和感を覚えました。それまでこの字は名前に認められなかったので、17年の現実の世界では13歳以下ということになってしまいます。ちなみに「凛」は異体字とされていて、本字である「凜」は1990年に人名用漢字に。それにしても27歳以下で、経験豊富な編集者としては若すぎる設定かなあ。まあドラマなのでやぼだと思いつつ、こと校閲がテーマなので「あなた何歳?」と突っ込みたくなりました。

閑話休題。「旗幟鮮明」は半数以上が読めませんでした。そういえば最近それほど使われていないかもしれません。「旗幟」という言葉が問題になったのは2001年のアフガニスタン戦争で、米国側が日本側に迫ったとされる言葉“show the flag”が「旗幟鮮明にせよ」と訳されました。「旗幟」は文字通りでは「旗と、のぼり」で、比喩として「立場」を表しますが、元は軍隊の旗とのぼりを指したと思われます。

今は選挙の旗とのぼりが目立ちますが、またきな臭さが漂ってきた中で、候補者の「旗幟」にはいや応なく国際情勢への対応も含まれることを踏まえ、有権者はよく見定めて投票しなければなりません。

スポンサーリンク
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

美しい季節の言葉を味わいたい方、間違えずに使いたい方におすすめです。

twitter

過去記事から