読めますか? テーマは〈海の伝説〉です。

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常世

答え
とこよ
(正解率 85%)

常に変わらないこと。また古代人が海のかなたにあると想像した「常世の国」のこと。万葉集の浦島伝説で竜宮城のある世界が常世だ。

(2017年07月17日)

選択肢と回答割合

じょうよ 9%
つねよ 6%
とこよ 85%


補陀落渡海

答え
ふだらくとかい
(正解率 46%)

南海上にあるとされる観音の浄土を目指し単身船出すること。事実上、死出の航海だが、死後は先祖の住む常世の国に帰るという日本人の死生観が表れているという。

(2017年07月19日)

選択肢と回答割合

ふだらくとかい 46%
ほだらとかい 46%
ほうらいとかい 8%


女護の島

答え
にょごのしま
(正解率 47%)

「女護が島」ともいう。女だけが住むという想像上の島。転じて、女性だけがいる所。近松門左衛門「平家女護島」など、江戸時代の文学になぜかよく出てくる。ちなみに世界遺産登録が決定した沖ノ島は逆に女人禁制だ。

(2017年07月21日)

選択肢と回答割合

じょごのしま 4%
にょごのしま 47%
めごのしま 49%


◇結果とテーマの解説

(2017年07月30日)

この週は「海の伝説」でした。

海に囲まれた日本では、伝説も限りなくあるのですが、中でも最も有名なのは浦島太郎でしょう。「万葉集」では長歌で浦島伝説をうたっていて「常世」も出てきます。

水江(みづのえ)の 浦の島子が 鰹(かつを)釣り 鯛(たひ)釣り誇り 七日まで 家にも来ずて 海坂(うなさか)を 過ぎて漕(こ)ぎ行くに わたつみの 神の娘子(をとめ)に たまさかに い漕(こ)ぎ向かひ 相(あひ)あとらひ 言(こと)成りしかば かき結び 常世に至り わたつみの 神の宮の 内の重(へ)の 妙(たへ)なる殿に 携はり……

(岩波文庫より)

ここには亀が出てきません。岩波文庫の注釈では「日本書紀にも釈日本紀にも亀が出てくるが、この長歌には亀はまったく見えない。知識人と思われる作者がそのことを怪奇として、遺却したものであろうか」とあります。万葉集の「常世」は日本書紀では「蓬莱山(とこよのくに)」と書かれています。

「補陀落渡海」は「ふだらくとかい」「ほだらとかい」が同率となりました。なぜ「補」を「ふ」と読むのか。実は「普陀落」という表記もあり、梵語のpotalakaの音写なので元は日本語ではなかったのです。補陀落とは「インド南端の海岸にある、八角形で観音が住むという山」(大辞林)ですが、そこへ「渡海」するのは自殺にほかなりません。しかし海のかなたのどこかにユートピアがあるという観念は人をとらえて離しません。

文学でも井上靖「補陀落渡海記」(講談社文芸文庫)、中上健次「補陀落」(河出文庫「十九歳の地図」所収)など、作家の想像力をかきたててきました。ツイッターでは「隆慶一郎先生の『死ぬことと見つけたり』、桑原水菜先生の『炎の蜃気楼(ミラージュ)』でも出てくる」という報告をいただきました。

これらの小説で扱われる「補陀落渡海」に対し、「女護の島」はなぜか江戸時代の作品によく見られます。井原西鶴「好色一代男」、滝沢馬琴「椿説(ちんせつ)弓張月」、そして「女ばかりの島」の意味ではありませんが近松門左衛門「平家女護島」。

しかし現代ではちょっと使われた例を知りません。男の視線で描かれる女護の島は女性が社会に進出した世の中にはふさわしくないのでしょうか。逆に、無人島を舞台に女性が1人だけで男性ばかりという逆ハーレム状態が描かれた「東京島」(桐野夏生著、新潮文庫)が話題になったりします。

ところで、沖ノ島の世界遺産登録のNHKニュースで、「にょにんきんせい」は「にょにんきんぜい」の誤りでした、と訂正が入ったとのこと。辞書では「にょにんきんせい」ともなどと併記していて、「せ」も誤りと言い難いのですが、訂正するような事情があったのでしょうか。気になります。

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