読めますか? テーマは〈冬鳥〉です。
頭高
(2017年01月23日)
選択肢と回答割合
ずこう | 33% |
かしらだか | 46% |
ずだか | 20% |
大鷺
(2017年01月24日)
選択肢と回答割合
おおとり | 18% |
だいさぎ | 55% |
おおわし | 27% |
寒苦鳥
(2017年01月25日)
選択肢と回答割合
かんこどり | 45% |
かんくちょう | 40% |
さむくどり | 15% |
凍鶴
(2017年01月26日)
選択肢と回答割合
とうかく | 28% |
いてづる | 60% |
こおのとり | 12% |
鴛鴦
(2017年01月27日)
選択肢と回答割合
おんどり | 20% |
めんどり | 4% |
おしどり | 76% |
◇結果とテーマの解説
(2017年02月05日)
この週は「冬鳥」でした。
お知らせしたようにこの「読めますか?」はおかげ様で2000回となりました。今回は感謝をこめて、反応してくださった皆さまのツイートを一部ですがご紹介します。
頭高 by Gin tonic
「頭高」はアクセントのことかと思ったというツイートを複数いただきました。出題者は不明にして知りませんでしたが、たまたま「あたまだか」という選択肢を外しておいてよかったと安堵しました。数種の辞書にあたりましたが「頭高(あたまだか)」は見当たりません。辞書に載っていないのは、業界用語の一種とみなされたからでしょうか。なお、「頭高」は最近、角川文庫から出た「にほんのいきもの暦」で見つけました。漢字だけでなくカラー写真がついていて、今後もネタ本として役立ちそうです。
「大鷺」も、同書にある「だいさぎ」を見て「おおさぎじゃなかったのか」と思ったのが出題のきっかけです。オオワシはダイワシにはならないのに、といぶかしむツイートもありました。ところで誤りの選択肢「おおわし」が27%も集まったというのは、鷺と鷲の漢字の間違いの多さを思い出させます。動物名はふだん片仮名なので問題ないとしても、固有名詞では鷺宮が鷲宮によく誤記されたりするのです。
「寒苦鳥」は架空の鳥。「角川俳句大歳時記」には「経文の中に出てくる」とありますが、どの経典かは確認できていません。同書にある「わくかせわ」から孫引きすると
この鳥、夜、寒を苦しみて、鳴きて曰、寒苦身を責む、夜明けば巣を造らん。明けてまた鳴く、今日死を知らず、また明日を知らず。何が故に巣を造りて無常の身を安穏にせんと。
「私のことだ」というツイートを複数いただきました。出題者も同じ気持ちです。喉元過ぎれば熱さを忘れる。衆生の悲しさです。正解率はこの週で最も低い結果になりました。誤答の多かった「かんこどり」は「閑古鳥」と書きます。もとはカッコウのことです。
「凍鶴」は、やはりツイッターで五木ひろしの歌で覚えたと投稿がありました。これは「凍て鶴」と送り仮名があるのですね。季語としては送り仮名を付けたものは見たことがないのですが「とうかく」と読まれるのを防ぐためにはその方がよいでしょう。
五木ひろしには「おしどり」という歌もあるそうです。その漢字「鴛鴦」は「えんおう」とも読みますから、仮名の方がよいといえます。往年の映画「鴛鴦歌合戦」も、ルビがないと「えんおう」か「おしどり」か分かりません。また、これもツイッターで分かったのですが歌舞伎には鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)という演目があります。このように「鴛鴦」で「おし」と読ませる場合もあるので、ルビは欠かせません。
それにしても、読者の皆さんからは読みの回答だけでなく思わぬ情報提供もあり、双方向で発信する喜びを感じます。改めて感謝いたします。