読めますか? テーマは〈読書〉です。

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文車

答え
ふぐるま
(正解率 66%)

「ふみぐるま」とも。書物などを運ぶのに用いる屋形車や車輪付きの書棚。なお「文車妖妃(ようび=『ようひ』『ようき』とも)」は女の妖怪。実写映画「ゲゲゲの鬼太郎・千年呪い歌」で中川翔子さんが妖怪図書館の司書として演じた。

(2016年10月31日)

選択肢と回答割合

ぶんしゃ 14%
もんしゃ 20%
ふぐるま 66%


耽読

答え
たんどく
(正解率 83%)

夢中になって読みふけること。耽の字は「耽美派」でも知られる。訓読みの「ふける」は「更ける」と同源という。秋の夜更けは読書に最適。11月9日まで読書週間だ。

(2016年11月01日)

選択肢と回答割合

ちんどく 14%
たんどく 83%
らんどく 3%


渉猟

答え
しょうりょう
(正解率 80%)

広い範囲を探し求めること。転じて、いろいろな本を読みあさること。主に学術的な文献について用いられる。

(2016年11月02日)

選択肢と回答割合

しょうりょう 80%
ばつりょう 7%
ほりょう 14%


大冊

答え
たいさつ
(正解率 58%)

ページ数が多い本。または形の大きな本。前者の意味での類語は「大部」。これの読みは「たいぶ」のみ記す辞書が多いが、「だいぶ」を併記する辞書も一部ある。

(2016年11月04日)

選択肢と回答割合

おおさつ 13%
だいさく 29%
たいさつ 58%


◇結果とテーマの解説

(2016年11月13日)

この週は読書週間や文化の日に合わせて「読書」がテーマでした。

「文車」という文字を見て何を連想されるでしょう。田辺聖子さんのファンなら「文車日記―私の古典散歩」というエッセーが思い出されるかもしれません。妖怪好きなら「文車妖妃」を連想するのではないでしょうか。


鳥山石燕「百器徒然袋」より

文車妖妃は江戸時代の妖怪画家、鳥山石燕の「百器徒然袋」に描かれ、京極夏彦さんの「百鬼夜行 陰」中の短編のタイトルにもなっています。そして緒形拳さんの遺作となった「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」では、中川翔子さんが元の妖怪絵とは似ても似つかないあでやかな姿で司書の文車妖妃を演じていました。

掲載日がハロウィーンだったので、化け物と読書とをからめて「文車」を選んだつもりです。

「耽読」はこの週で最も正解率が高くなりました。耽は常用漢字ではありませんが、耽溺、耽美などでも使われ、おなじみの人が多いのでしょう。しかし仕事が忙しいと夜の更けるのも忘れて本を読みふけるなんてことがなくなります。この言葉を体感できるのは学生の特権かもしれません。

「渉猟」も正解率は高いのですが、「交渉」の渉であり常用漢字であることを勘案するともっと読めてもよいと思います。書評などによく出てくる言葉です。辞書では「たくさんの本をあさり読むこと」などという語釈が多いのですが、これだけでは「乱読」と同じ意味のようになってしまいます。「新明解国語辞典」第7版の語釈が今は適切ではないでしょうか。

一、知識を得ようとして、あれこれと広く浅くあさること

二、調査・研究や著述などのために多くの本を読むこと

この「二」の部分は、同辞書の第6版では〔狭義では、調査・著述などのために多くの本を拾い読みすることを指す〕と注釈扱いでした。それが最新の版で「ニ」の意味に格上げされ「狭義」という文言も取れたのです。「一」の「知識を得ようとして」の部分も第7版で加わっています。改訂の際に一つ一つの語釈が適切か見直している辞書編集部の努力がうかがえます。

「大冊」はこの週で最も正解率が低くなりました。「だいさつ」を誤りとして3択の中に入れてもいいかなと思いましたが、「だいさつ」も併記する辞書もわずかながらあったのでやめました。

ただし日本国語大辞典の初版(1974年)には「『だいさつ』とも」とありますが、2001年に出た第2版ではこの注は取れています。そういえばこの辞書こそ大冊ですね。全14巻の気の遠くなるような分量の語をすべて検討し直す中で、おそらく「だいさつ」という読みの用例がほとんどないという判断がなされたのでしょう。ここにも言葉への恐るべき執念を見てとることができます。

辞書の改訂の際にはよく新規採用語が話題になりますが、こういう目立たないところにも日本語の変化が観察できます。

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