読めますか? テーマは〈老〉です。

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野老

答え
ところ
(正解率 37%)

山芋に似たつる性植物。漢字はひげ根を老人のひげに見立てた。正月に長寿を祝う縁起物としても用いる。「やろう」とも読むが「田舎の老人」の意味が生じる。なお2020年東京五輪・パラリンピックの新エンブレムのデザイナーは野老朝雄(ところ・あさお)氏。

(2016年09月12日)

選択肢と回答割合

やおい 29%
やんま 34%
ところ 37%


老翁

答え
ろうおう
(正解率 78%)

年を取った男性。「翁」単独では主に「おきな」と読む。元は鳥の首の毛を表し、その羽毛が老人の長髪に似ているから老人の意味になったという。

(2016年09月13日)

選択肢と回答割合

ろうう 13%
ろうこう 10%
ろうおう 78%


老媼

答え
ろうおう
(正解率 40%)

年を取った女性。同じ意味の言葉に「老嫗(ろうう)」がある。媼は訓では「おうな」「うば」などとも読む。

(2016年09月14日)

選択肢と回答割合

ろうう 27%
ろうおん 33%
ろうおう 40%


月老

答え
げつろう
(正解率 39%)

「月下老人」の略。仲人のこと。「月下氷人」ともいう。中国・唐の時代に、ある男が月夜に会った老人から未来の妻を予言されたという故事に基づく。ちなみにきょう15日は十五夜で「老人の日」でもある。

(2016年09月15日)

選択肢と回答割合

がつろう 19%
げつろう 39%
つきおい 42%


椿寿

答え
ちんじゅ
(正解率 77%)

「荘子」に出てくる中国の伝説の木「大椿(だいちん)」は極めて長寿だったということから、長寿を表す。椿の字には「珍しい」という意味もある。

(2016年09月16日)

選択肢と回答割合

ちんじゅ 77%
しゅんじゅ 13%
さんじゅ 10%


◇結果とテーマの解説

(2016年09月25日)

この週は「敬老の日」を前に「老」をテーマにしました。

国民の休日「敬老の日」とは別に「老人の日」があるというのはご存じでしたか。敬老の日は元々9月15日でしたが、2003年に9月第3月曜日と変わりました。一方9月15日を老人の日、同日から1週間を老人週間とすることが老人保健法に明記されました。そもそもなぜ9月15日なのかは諸説あるようですが、今年はたまたま十五夜(中秋の名月)と重なり、月見の名所である姨捨山とその伝説を介して「月老」へと連想が至りました。これは中国の「続幽怪録」が出典で、以前出題した「赤縄」や、現代日本で広く使われる「運命の赤い糸」も同じ伝説をもとにしています。

「老翁」は「おじ」とも読みますが古語。「ろうおう」も厳めしく「翁(おきな)」ほどは使われていない気がしますが、常用漢字表では「老翁」の例示があるのみで「翁」に「おきな」の読みはありません。ちなみに「爺」は常用漢字ではありませんが「婆」は常用漢字。用例として「老婆」「産婆役」が掲げられています。いずれも少なくとも新聞ではほぼ見なくなった語です。

「老媼」はもっと使われない語でしょう。「老翁」と発音が同じで紛らわしいので、書き言葉としてしか存在しない言葉と思われます。ちなみに江戸時代の奇談集に「老媼茶話」というのがあり、泉鏡花の「遠野の奇聞」という随筆に「古来有名なる、岩代国会津の朱の盤、かの老媼茶話に」と紹介されています。ところが岩波文庫「鏡花随筆集」では「ろうおんさわ」とルビが振ってあります。調べた範囲では国語辞典では「ろうおん」に「老媼」の漢字は見当たりません。間違いなのか、書名だけは特別な読みが通用しているのか、気になります。

「椿寿」に使われるチンの読みは結婚式場などで有名な東京の「椿山荘」を知っていれば答えられたでしょう。また「珍事」と同じ意味の「椿事」で覚えているので分かった人も多いと思います。なお、中国の椿と日本のツバキは同じ植物ではありません。牧野富太郎は椿に当てるべき音読みはチンではないと主張しています。

日本の「つばき」の椿は日本製の字すなわち和字でそれは榊、峠、裃、働などと同格である。すなわち「つばき」は春盛んに花が咲く木だから古人が木ヘンに春を書いて「つばき」と訓せたものである。それゆえ椿は「つばき」と訓むよりほかに字音は無い筈だが強てそれを字音で訓みたければ「しゅん」というより外には仕方があるまい。(中略)「つばき」の支那名は山茶である。

ちくま学芸文庫「植物記」

椿寿の語の椿も伝説の霊木ですから、日本のツバキはもちろん中国の現実の椿とも違うものでしょう。ただ「中国の椿は荘子の寓言世界で八千年の長寿を保つ木というイメージが作られてから、多寿の象徴となる。日本のツバキは古くから歌や説話に登場し、霊力のある木とされた。聖樹信仰は日中で共通するものがある」と「植物の漢字語源辞典」(加納喜光著、東京堂出版)にあるように、精神的に相通じるものはあるようです。

「野老」は以前から候補にしていたのですが、あまりにも特殊なので二の足を踏んでいたところ、2020年東京五輪・パラリンピック新エンブレムのデザイナー、野老朝雄さんの名前としてニュースに出たので出題しました。ところで埼玉県所沢市の所沢は古い文献では「野老沢」と書かれているそうで、市章はトコロの葉を図案化したものということです。所沢の地名の由来が植物のトコロだったかどうか、本当のところは分からないのですが、「所沢の知名度も上がりそう」という「野老さん効果」を当て込む向きもあるようです。五輪という巨大イベントのエンブレムの影響は意外なところにも及んでいるのですね。

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