読めますか? テーマは〈東京の地名〉です。

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御徒町

答え
おかちまち
(正解率 97%)

東京都台東区にあった地名。JR上野駅の隣、御徒町駅などに名を残すが、今の住居表示にはない。アメヤ横丁(アメ横)があり、世界遺産になった国立西洋美術館にも近い。由来は江戸時代の警護役、御徒士(おかち)衆から。

(2016年07月25日)

選択肢と回答割合

おかちまち 97%
おつれまち 1%
みとちょう 3%


尾久

答え
おぐ
(正解率 57%)

東京都荒川区の地域。住居表示としては「西尾久」と「東尾久」。都電荒川線が走る。これとは別に北区にはJR東北線の「尾久駅」があるが、読みは「おく」と濁らない。

(2016年07月26日)

選択肢と回答割合

おく 41%
おぐ 57%
おひさ 2%


小名木川

答え
おなぎがわ
(正解率 68%)

東京都江東区を横断し隅田川へと流れる運河。江戸時代初期にできた。「ミニ・パナマ運河」と称される扇橋閘門(こうもん)などを通る。扇橋閘門は8月に一般公開される。

(2016年07月27日)

選択肢と回答割合

おなぎがわ 68%
こなきがわ 29%
しょうなきがわ 3%


葛飾区新宿

答え
かつしかくにいじゅく
(正解率 55%)

東京都にある「新宿」の地名は新宿(しんじゅく)区だけではない。葛飾区新宿は旧水戸街道と佐倉街道の分岐点の宿場町。歌川広重の絵にもなった。

(2016年07月28日)

選択肢と回答割合

かつしかくにいじゅく 55%
かつしかくしんじゅく 20%
かつしかくあらやど 25%


角筈

答え
つのはず
(正解率 67%)

東京都新宿区にあった地名。都庁舎などがある副都心・西新宿や歓楽街の歌舞伎町は、もとは大部分が角筈だった。今は橋やバス停などに名をとどめる。浅田次郎さんの小説に「角筈にて」がある。

(2016年07月29日)

選択肢と回答割合

つのはず 67%
かどはず 21%
かくはず 12%


◇結果とテーマの解説

(2016年08月07日)

この週は「東京の地名」でした。東京といっても広いのですが、東京都知事選と、国立西洋美術館の世界遺産登録を受け、西部方面から選びました。


by PRiMENON

まず「御徒町」。「江戸東京物語 下町編」(新潮文庫)によると

三代将軍家光の頃から置かれた幕府御徒(士)組の屋敷があったために、俗称として「御徒町」または「徒町」と呼ばれたのである。御徒組は、将軍が外出するときに道路警備に当たるのが役目で、全部で二十組、各組にそれぞれ二十八人の組衆がいた。現在のJR御徒町駅周辺に屋敷を構えていた

――とのこと。その後、明治5(1872)年に正式な町名になったのですが、昭和39(1964)年住所表示ではなくなったので、正式地名としては100年ももたなかったわけです。それでもよく知られているのは、上野駅の隣の駅として名をとどめているからでしょう。


by LERK

「尾久」は地名と駅名が微妙に食い違う例として挙げました。北区昭和町にある駅名は「おく」。濁りません。対して荒川区にある住居表示の地名は「西尾久」「東尾久」ともに濁る「おぐ」。

ちょっと意地悪な問題でしたが、西尾久や東尾久で出題したところで「にしおひさし」「ひがしおひさし」と人名として読まれる可能性もあると思い、あえて「尾久」のみで出題しました。駅名と思ったかもしれませんが、その場合は「尾久駅」と駅名であることを明示することにしています。


小名木川にある扇橋閘門(こうもん)

濁る濁らないは漢字を見るだけではなかなか分かりません。地下鉄の都営新宿線に「大島」という駅がありますが、読みは「おおじま」です。そして新宿線とほぼ並行して流れ隅田川に注ぐのが「小名木川」。舟めぐりのコースになり、新宿線「東大島駅」近くに発着場があります。


歌川広重「にい宿のわたし」

「葛飾区新宿」。葛飾は、今月没後20年となった渥美清さんの「男はつらいよ」のおかげで読めない人はほぼいないでしょう。ただ映画の中では、伊藤蘭さん演じる北海道・奥尻島出身の娘が「葛飾」の字を読めず寅さんが意外そうな顔をしていました(寅次郎かもめ歌)。確かに寅さんにもその土地にも縁のない人にとっては難読地名かもしれません。

そして葛飾区柴又の隣町が「新宿」。今回最も正解率が低くなりました。「東京の地名がわかる事典」(日本実業出版社)によると、異説もありますが「小田原北条氏時代に新しくできた宿場の意味から『にいじゅく』と読ませたといわれている」。この本によると、東京にはもう一つの新宿の読みがありました。大田区にあった新宿と府中市の新宿。いずれも今はありませんが「しんしゅく」と濁りませんでした。


新宿区西新宿にある「角筈橋」

最後に、これも今はない地名「角筈」。角筈の地名を懐かしがる人は多く、フェイスブックにも「良い地名なのですがなくなってしまいました」という投稿をいただきました。浅田次郎さんの直木賞受賞作の短編集「鉄道員(ぽっぽや)」の一つは「角筈にて」です。「今の歌舞伎町あたりはな、昔は角筈と言っていたんだ。『角筈のゴールデン街』って言い方は、ひとつの成句だったね」。リオデジャネイロへの異動を命じられた商社マンのせりふです。彼には父親に角筈のバス停に置き去りにされた過去がありました。この小説とは違う所のようですが、「角筈二丁目」というバス停は現存します。甲州街道にまたがり新宿区と渋谷区に分かれています。ついでにいうと今年できたバスターミナル施設「バスタ新宿」の所在地は新宿区ではなく渋谷区です。

地名は、そこに関わる人々の思いが地層のように積み重なっています。校閲としても、思い込みを排して一つ一つ丹念にチェックしなければならないと思います。

春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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