読めますか? テーマは〈願い〉です。

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冀う

答え
こいねがう
(正解率 59%)

切に望むこと。主に漢文で使われる。「庶幾う」「希う」「請い願う」などさまざまな表記があるが、新聞では「こいねがう」と仮名書きにするのが原則。

(2016年07月04日)

選択肢と回答割合

こいねがう 59%
かなう 19%
こう 23%


発願

答え
ほつがん
(正解率 69%)

神仏に願をかけること。「発」は通常「はつ」と読むが宗教関係などでは「ほつ」が多い。「発疹(はっしん、ほっしん)」のように両方読みがある場合もあるが、「はつがん」と言うと「発癌」と思われるので間違えないようにしたい。

(2016年07月05日)

選択肢と回答割合

はつがん 24%
ほつがん 69%
たちねがい 7%


望蜀

答え
ぼうしょく
(正解率 90%)

一つの望みがかなって、さらにその上を望むこと。足るを知らず欲張ること。「後漢書」の「人足るを知らざるに苦しむ、隴(ろう)を得て蜀を望む」が出典。光武帝が隴の国を平定して、さらに蜀の国を望んだことから。

(2016年07月06日)

選択肢と回答割合

ぼうしょく 90%
ぼうぞく 2%
ぼうどく 8%


願糸

答え
がんし
(正解率 72%)

陰暦7月7日、願い事をこめて星に手向けた五色の糸のこと。現在、七夕で短冊を飾るのはこの名残という。「願いの糸」ともいい、秋の季語だ。「汝が為の願の糸と誰か知る」(高浜虚子)

(2016年07月07日)

選択肢と回答割合

がんいと 5%
がんし 72%
ねがいと 23%


後生願い

答え
ごしょうねがい
(正解率 89%)

極楽往生を願うこと。「後生だから」は本来「助けてくれればあなたの来世のためにもなるのだから」というお願い。「後生」を「こうせい」と読めば「後から生まれた人」を表す別語になり「後生畏るべし」という言葉で知られる。参院選候補者は今回選挙権を得た18、19歳の人への後生願いもしているだろうか。

(2016年07月08日)

選択肢と回答割合

ごしょうねがい 89%
こうせいねがい 5%
こうしょうねがい 6%


◇結果とテーマの解説

(2016年07月17日)

この週は「願い」。七夕と、選挙の「お願い」が街にあふれた時期でした。

「冀う」が最も低い正解率でしたが、それでも59%というのはなかなかです。ただし3択の消去法で当たった人は少なくなかったかもしれません。いまこの字を使うのは、作家でもほとんどいないでしょう。と思ったら平野啓一郎さんの芥川賞受賞作「日蝕」で使われていました。

冀(こいねがわくは)、上(かみ)の誓いと俱に、下(しも)の拙き言葉の数々が主の御許へと到(とど)かむことを。

高浜虚子も岩波新書「俳句への道」(のち岩波文庫)で書いています。

酷暑と言へば早く秋冷の候になる事を冀ひ、酷寒と言へば早く春暖の候になる事を冀ふのが人情であります。然し、その又酷暑の中に、汗を流して働く快味もあれば、山に登り海に遊ぶ涼味もあるのであります。

「願糸」では「汝が為の願の糸と誰か知る」という虚子の句を紹介しました。いかにも七夕らしいロマンチックな句ですが、残念ながら「願糸」そのものの使用句ではありません。俳句では漢語よりは軟らかい和語が好まれるようです。その「願いの糸」も、糸から短冊に変わった現代では、歳時記のみに載る絶滅危惧季語かもしれません、

「後生願い」は絶滅危惧を通り過ぎて死語でしょうか。「後生だから」という懇願の決まり文句も、今あまり使われませんね。後生は「後生大事」という形で主に生き延びている気がします。なお読みは「こうせい」と変わる「後生」は「先生」の対語。「後生畏るべし」という論語の言葉で有名ですが、校閲・校正者にとっては、「後世」の誤字に注意しなければならないことと「校正おそるべし」というもじりでも知られています。

「発願」は仏教用語。「発」をホツと読むのは「呉音」。ハツは「漢音」です。呉音は「発」の例としては他に「発心」などがあるように仏教用語が多いのですが、それ以外でも「発作」「発起人」など一般的に使っています。ただ、現代人が一般語だと思っている語が元は仏教語という例は多く、「発起」ももとは「信仰心を起こして仏道に入ること」という意味だったようです。

最後におわびです。「望蜀」の出題時、解説で誤りがありました。「『後漢書』の『人足らざるを知らざるに苦しむ、隴(ろう)を得て蜀を望む』が出典」と書いてしまいましたが、「足らざるを」は「足るを」の間違いでした。読者の指摘で直りました。申し訳ありません。「校正おそるべし」を肝に銘じてチェックしなければと猛省しています。

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