読めますか? テーマは〈県の石〉です。

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橄欖岩

答え
かんらんがん
(正解率 83%)

マントル物質に最も近いとされる岩石。日本地質学会が選んだ「県の石」のうちの北海道の岩石。ただし「かんらん岩」の表記だ。宮沢賢治の童話「種山ケ原」「虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)」には漢字で出てくる。

(2016年05月16日)

選択肢と回答割合

かんらんがん 83%
あえらいわ 7%
しゅろがん 9%


片麻岩

答え
へんまがん
(正解率 83%)

変成岩の一種。粗いしま模様がある。日本地質学会が選んだ「県の石」のうち福島県の石に選ばれた。阿武隈高原が主な産地として有名。

(2016年05月17日)

選択肢と回答割合

かたあさいわ 6%
へんまがん 83%
かたまがん 11%


凝灰岩

答え
ぎょうかいがん
(正解率 94%)

主に火山灰が固まってできた岩石。日本地質学会が選んだ「県の石」のうち熊本県の石は阿蘇カルデラが主要産地の「溶結凝灰岩」、山形県の石は山寺が主要産地の「デイサイト凝灰岩」、栃木県の石は地名が語源の「大谷(おおや)石」だが、これも凝灰岩だ。

(2016年05月18日)

選択肢と回答割合

ぎはいがん 3%
ぎょうはいがん 3%
ぎょうかいがん 94%


輝石

答え
きせき
(正解率 82%)

岩を構成する鉱物の一種。日本地質学会が選んだ「県の石」のうち「ひすい輝石岩」は新潟県の石。岐阜県の鉱物は人名にちなむ「ヘデン輝石」。

(2016年05月19日)

選択肢と回答割合

きせき 82%
てるいし 4%
きしゃく 14%


無人岩

答え
むにんがん
(正解率 41%)

「ぶにんがん」などとも読む。日本地質学会の「県の石」のうち小笠原で取れる無人岩が東京都の石に選ばれた。小笠原諸島の古名は無人(むにん)島。無人岩は「うぐいす砂」といわれる緑の砂になる。世界的にも大変珍しいという。

(2016年05月20日)

選択肢と回答割合

むじんいわ 29%
ないといわ 30%
むにんがん 41%


◇結果とテーマの解説

(2016年05月29日)


片麻岩 by siim

この週は「県の石」でした。日本地質学会が5月10日に「県の石」を発表したことを受けたものです。どうして「都道府県の石」というタイトルじゃないの?という突っ込みはひとまずおいといて、まずは一覧をご覧ください。

北海道の岩石は「かんらん岩」となっていますが「橄欖岩」でもけっこう読めています。画数は多くても「つくり」の音読みそのままなので、言葉を知らなくても読みは推測できます。鉱物・岩石に詳しい宮沢賢治は童話「虔十公園林」のラストや「種山ケ原」の冒頭に使っています。「種山ケ原」は迷子の子供の夢を描いた話。

種山ケ原というのは北上山地のまん中の高原で、青黒いつるつるの蛇紋岩や、硬い橄欖岩からできています。

この「蛇紋岩」は岩手県の石に選ばれました。地質学会の「県の石」の解説では「蛇紋岩はかんらん岩を起源とする岩石で、詩人で童話作家の宮澤賢治が特別な親しみを持っていたことでも知られる」とあります。

賢治には「輝石」を使った詩もあります。「春と修羅」第2集にある「暁穹への嫉妬」という詩の冒頭。

薔薇輝石や雪のエッセンスを集めて、
ひかりけだかくかゞやきながら
その清麗なサファイア風の惑星を
溶かさうとするあけがたのそら

薔薇輝石……名前だけでもなく実物も桃色の美しい石なのですが、輝石の一種ではなく「準輝石」に当たるそうです。岩手県野田村で取れるとのことで、賢治もきっと実物を見たに違いありません。

岐阜県の鉱物は「ヘデン輝石」。ノーベル物理学賞で有名な施設、スーパーカミオカンデのある「神岡鉱山」から取れるそうで、地質学会の解説には「神岡鉱山は、飛騨片麻岩中に含まれる結晶質石灰岩に花崗岩マグマ起源の熱水が接して形成されたスカルン鉱床からなる」とあります。

ここにも出てくる「片麻岩」は福島県の石になりました。字面は簡単ですが「橄欖岩」と同率になったことに知名度の低さがうかがえます。

今回最も難しかったのは「無人岩」。小笠原の古名「無人」にちなみます。時々小笠原諸島の広告などで「ボニンブルー」という言葉を見ることがありますが、この「ボニン」は「無人」を外国人が聞き違えたことによるそうです。ここで素直に考えると「ぶにん」から「ボニン」になりそうなものですが、無人岩は「むにん」。小笠原にはほかにも「ムニン」が付く固有種の植物が多いそうです。ところで、ネットでは国立西洋美術館の世界遺産登録勧告について「都内初の世界遺産へ」という見出しが散見されますが、世界自然遺産の小笠原も東京都内ということが忘れられているのでしょうか。

「凝灰岩」は今回最も正解率が高くなりました。宮沢賢治の童話にも当然出てきます。たとえば「台川」。いやこれは童話というより散文詩に近いかも。まるで夢の中で学校の野外実習を思い出しているような、とにかく不思議な文体です。

「先生この石何て云うのす。」どうせきまっている。
〔凝灰岩。流紋凝灰岩だ。凝灰岩の温泉の為に珪化(けいか)を受けたのだ。〕
光が網になってゆらゆらする。みんなの足並。小松の密林。

なお、熊本県の石とされた「溶結凝灰岩」が展示してある阿蘇火山博物館は現在休館中です。いうまでもなく、火山活動ではなく地震による影響です。いずれにせよ、早く安全に見学ができる日が来ることを祈っています。

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