読めますか? テーマは〈衣替え〉です。

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夏衣

答え
なつごろも
(正解率 63%)

「なつぎぬ」とも読む。文字通り夏服のことで、夏の季語。ただし、夏衣は夏の和服、別の季語「夏服」は洋服――と区別したほうがよいとする歳時記もある。和歌では「薄き」などに続く枕ことばになる。

(2015年06月01日)

選択肢と回答割合

げい 12%
なつえ 25%
なつごろも 63%


紅型

答え
びんがた
(正解率 77%)

沖縄で琉球王国時代から行われている染色。シャツの「かりゆし」にも使われるものがある。なお毎日新聞で「沖縄伝統の軽装『かりゆし』」とした記事に読者から「伝統とはいえない」と指摘が。紅型は伝統工芸だが、かりゆしの原形は1970年にできたとされ、確かに伝統と言うにはやや歴史が浅いようだ。

(2015年06月02日)

選択肢と回答割合

あかがた 12%
こうけい 11%
びんがた 77%


芭蕉布

答え
ばしょうふ
(正解率 82%)

イトバショウの皮の繊維で織った布。軽くて風通しがよい。蚊帳などにもなる。沖縄や奄美大島の特産。夏の季語だ。なお、松尾芭蕉の名は植物のバショウを門下から送られ愛したことにちなむ。

(2015年06月03日)

選択肢と回答割合

はしょうぬの 9%
ばしょうふ 82%
ばせふ 10%


上布

答え
じょうふ
(正解率 68%)

上質の麻による織物。薄くて肌触りがよい。越後上布、能登上布、近江上布、宮古上布などは特産品。夏の季語にもなっている。

(2015年06月04日)

選択肢と回答割合

うわぬの 23%
かみふ 9%
じょうふ 68%


帷子

答え
かたびら
(正解率 88%)

麻や絹などでつくった夏の和服。裏を付けないことから「片ひら」の意とされる。風通しがよく、夏の季語となっている。また、カーテンのような垂れ幕のこともいう。なお、「浴衣」は「湯帷子」を縮めた語。

(2015年06月05日)

選択肢と回答割合

かたびら 88%
しゅし 3%
すててこ 9%


◇結果とテーマの解説

(2015年06月14日)

この週は「衣更え」。俳句の世界では「更衣」と書いても「ころもがえ」と読むそうで、逆に「『ころもがえ』は現代俳句でも、『更衣』と書き、『衣更え』と書いてはならない」と「大歳時記」(集英社)にあります。

この週は「紅型」以外すべて「角川俳句大歳時記」から取りました。最も難しかった「夏衣」でも63%ですから、今回は全体的に正解率が良かったといえます。「芭蕉布」は素直に読めばよく、「帷子」も意外に知られています。

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「夏衣」も素直な読みの一例です。ただ、俳句の読みとしては「なつごろも」でいいのか困るものもあります。例えば杉田久女のこの句。

あはれ妻人の夏衣を縫ふあはれ

「なつごろも」だと字余りが過ぎ、「なつぎぬ」でも1字余るようです。「なつぎ」なのかもしれませんが、ルビつきの句を見つけられていないので確言はできません。

さて、6月2日の閣議では安倍晋三首相をはじめ閣僚が「かりゆしウエア」を着ました。その少し前、かりゆしを参院本会議で着ることを認めないという記事がありました。なんでそんなことを議院運営委員会で決めなければならないんだ、ほかにもっと大事なことが山ほどあるでしょう――と思って読んでいましたが、「沖縄伝統の軽装『かりゆし』」という説明には特に疑問を持ちませんでした。

これに「伝統とはいえないだろう」と読者からツイートがありました。調べると、発祥は1970年に沖縄県観光協会が発売した「おきなわシャツ」。45年前からのものを「伝統」といっても間違いとはいえないかもしれませんが、少なくとも伝統工芸のイメージからはずれることは認めなければならないでしょう。訂正代わりに「紅型」の解説でその経緯に触れました。読者の目は厳しく、ありがたいものです。

なお、「かりゆし」を辞典類で調べようとしたところ、「日本国語大辞典」には載っていませんでした。第2版は2000年から刊行されていますが、「かりゆし」が全国的に注目されるようになったのはその年の沖縄での先進国首脳会議(サミット)からなので、採録には至らなかったと思われます。06年の「大辞林」第3版、08年の「三省堂国語辞典」第6版などには出ています。08年の「広辞苑」第6版には入っているものの「(嘉例吉の意)沖縄で、めでたいことや幸せをいう語」とあり、それが本来の意味なのでしょうが、服としての意味は書かれていません。

「上布」についても、思ってもいない指摘が同僚からありました。例の一つとして「薩摩上布」を解説に挙げていたのですが、いまそうはいわないようだと。主な辞書には「上布」の例として必ず「薩摩上布」とあったので疑問を持たずにいたのですが、小学館の「日本大百科全書」にはこうあります。

近世において薩摩藩が、領内の琉球で生産する麻織物につけた名称。宮古島産のものは宮古上布、八重山産のものは八重山上布であるが、薩摩藩内ではともに琉球上布とよび、将軍その他への献上に際しては薩摩上布の名を使った。現在では分けてよぶのが普通である

そうか、薩摩藩が琉球を支配していたので薩摩上布という名だったのか。ということで例の一部は「宮古上布」に換えました。不適切ということで世間の呼び名が変わっているのなら、国語辞典の例示も変更してほしいと思います。
(Photo by ひでわく)

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