読めますか? テーマは〈金品〉です。

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答え
はなむけ
(正解率 34%)

「餞」とも書く。旅立つ人へ惜別や激励の気持ちを込めて贈る金品や言葉。昔、馬の鼻を旅立つ方向に向けて安全を祈ったことから。別れる人に向けるものなので新入生や新入社員相手に使うのは不適当だ。「花向け」は誤字。

(2015年03月30日)

選択肢と回答割合

はなむけ 34%
まいない 43%
わがまま 23%


出納

答え
すいとう
(正解率 96%)

「しゅつのう」とも読む。出すことと入れること。特に金銭の支出と収入を指す。役場の「出納室」「出納局」などの形で、人事異動の時期には新聞に出てくる。公職選挙の立候補者は出納責任者の氏名などを選挙管理委員会に届け出なければならない。

(2015年03月31日)

選択肢と回答割合

しゅっとう 3%
すいとう 96%
だしのう 1%


棄捐令

答え
きえんれい
(正解率 71%)

法令によって個人の貸し借りを帳消しにすること。江戸幕府や藩が行った。捐の字は「棄」と同じく「すてる」意を表す。捐は常用漢字ではないので「棄損令」に書き換えるのが原則……というのはウソです。もし「棄損令」が出ていたら間違いでしょう。「義捐金」は「義援金」と書き換えているが、歴史用語の棄捐令は改変できない。

(2015年04月01日)

選択肢と回答割合

きいんれい 12%
きえんれい 71%
きそんれい 17%


増俸

答え
ぞうほう
(正解率 44%)

給料が増すこと。対義語の「減俸」はよく見るが増俸はほぼ死語。代わって「賃上げ」「ベースアップ」の語が春闘の常用語に。なお「俸」は「棒」と間違えやすいので注意。

(2015年04月02日)

選択肢と回答割合

ぞうほう 44%
ぞうぼう 33%
ぞうぽう 23%


宛行扶持

答え
あてがいぶち
(正解率 76%)

渡す側が一方的に決めて与える金品。今ふうにいうとブラック企業が払う薄給のことかもしれない。扶持はもともと武士が家来に給料代わりに与えた玄米を指した。

(2015年04月03日)

選択肢と回答割合

あてがいぶち 76%
あてゆきぶじ 7%
えんこうふじ 17%


◇結果とテーマの解説

(2015年04月12日)

「贐」は今回最も低い正解率となりました。確かに難しい字で、新聞では使いません。一般的にも見たことがない人が多いと思うのですが、今使っているパソコンでは一発変換。餞別(せんべつ)用の袋に書いたりするのでしょうか。出題の意図としては「読めますか?」を問うというよりは、校閲としての注意事項をいいたいことにありました。つまり、「新入生にはなむけの言葉を贈る」は誤用で、「花向け」は誤字です、ということです。

「出納」は最も高い正解率。「しゅつのう」とも読めることを複数の辞書が記していたので紛らわしい選択肢がなくなり、知らなくても正解できたかもしれませんが、社会人なら知っておくべき語と思われます。なおツイッターで「この字で『すいどう』さんがいます」という報告がありました。

「棄捐令」は歴史用語で、「捐」もあまり見ない難読字ですが、その割によく読めています。解説で「捐は常用漢字ではないので『棄損令』に書き換えるのが原則……というのはウソです」とふざけたのは、エープリルフールにちなんだジョークです。しかし日本の財政の借金は冗談ではなく膨らむ一方。棄捐令でチャラにするわけにもいかず、困ったものです。

「宛行扶持」も歴史用語の一種ですが、今も用いられます。先月毎日新聞での連載が終わった野坂昭如さんの「七転び八起き」では「あてがいぶちの最低限の生活は保障されたとしても、頼りを必要とする時に誰もいない」などと使われています。

「増俸」はちょっと意地悪な問題です。選択肢の「ぼ」と「ぽ」って、ウェブ上で見分けがつきにくいですよね。しかし「ほ」が正解で、濁点や半濁点は間違いなので、見分け違いによる選択ミスは少ないのではないでしょうか。だとすると、44%という正解率は考えさせられます。「増俸」は毎日新聞では大昔の記事(写真は1952年2月26日都内版の例)にしか見つからないので問題ないのですが、「減俸」「年俸」は今でもよく使います。「ぞうぼう」と濁点を選んだ人は「減俸」「年俸」を「げんぼう」「ねんぼう」と濁音のつもりで入力している可能性が高いといえます。すると、校閲・校正者はご存じだと思いますが、「減棒」「年棒」というよくある誤字のもとになるのです。

正確な読みを知っていると、速く入力できるだけでなく誤字をある程度防げることにもつながります。ということで、今年度も「読めますか?」で正しい読みを確認していただけると幸いです。

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