読めますか? テーマは〈幕末明治の人名〉です。
前島密
(2015年02月23日)
選択肢と回答割合
まえじまひそか | 93% |
まえじまみそか | 4% |
まえじまみち | 3% |
三条実美
(2015年02月24日)
選択肢と回答割合
さんじょうさねとみ | 51% |
さんじょうさねよし | 45% |
さんじょうまさみ | 4% |
岩倉具視
(2015年02月25日)
選択肢と回答割合
いわくらかねみ | 1% |
いわくらともみ | 94% |
いわくらよしみ | 5% |
木戸孝允
(2015年02月26日)
選択肢と回答割合
きどこうべん | 2% |
きどたかみつ | 21% |
きどたかよし | 77% |
楫取素彦
(2015年02月27日)
選択肢と回答割合
いとりもとひこ | 39% |
かとりもとひこ | 55% |
とうどりもとひこ | 6% |
◇結果とテーマの解説
(2015年03月08日)
この週は「幕末明治の人名」でした。
歴史上の人物をテーマにするのは、これまでなるべく避けるようにしていました。というのは、正解がはっきり出せない、もしくは正解が複数あるというケースが予想されるためです。
中国文学者、高島俊男さんは「慶喜(けいき)と慶喜(よしのぶ)」という、最後の将軍・徳川慶喜に関する文をはじめ、日本人の名前の読みはいかに柔軟で不明確かを、豊富な例を基に述べています(「お言葉ですが…⑦」文芸春秋)。比較的最近の人では、菊池寛(ひろし)、松本清張(きよはる)、安部公房(きみふさ)。有名になると、ほんとうの名前ではなく音読みされるようになり、作家としては「かん」「せいちょう」「こうぼう」となったそうです。「一種のペンネーム、あるいは『著名人ネーム』」といいます(同所収「ヒロシとは俺のことかと菊池寛」)。
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木戸孝允 |
その中で、普段音読みされる政治家の例に挙げられるのが「木戸孝允(こういん)」です。たしかに、教科書では「たかよし」と教わったはずだけど、「こういん」と覚えている人は多いのではないでしょうか(出題者もそうです)。しかし今、パソコンで「きどこういん」と入力すると「木戸工員」と変換してしまいます。「きどたかよし」では一発変換OK。デジタル時代には、一般に流布されている通称名は排除され、教科書通りの入力しか認めないのだとしたら、なんとなく息苦しさを感じます。
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前島密 |
それでも3択漢字クイズにしてしまうからには、「通称」は排除し、かつ、なるべく「正解」から離れた誤答を設定しなければなりません。正解に「ニアミス」する選択肢だと、「実はそうも言った」という思わぬ展開にもなりかねませんから。
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楫取素彦 |
例えば「前島密」だと「まえじまみつ」、「楫取素彦」だと「かじとりもとひこ」を選択肢に出した方が、多少は正解率が下がったかもしれません。ですから、正解率が高くても真の理解度を示すわけではありません。むしろ、著名と思われる「前島密」「岩倉具視」でさえ95%に達しない数字であることに、驚くべきかもしれません。
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岩倉具視 |
最も正解が少なかったのは「三条実美」。これも「さねみ」を誤りの選択肢に入れるともっと下がったと思われます。「さねみ」とも言ったという記録を見いだしたわけではなく、単にその可能性を恐れて外したのです。このように慎重を期したつもりですが、万一「正解が二つある」ということにお気づきであればご一報ください。
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三条実美 |