読めますか? テーマは〈マッサンと酒造り〉です。

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生酛

答え
きもと
(正解率 70%)

日本酒の醸造で、酵母を培養したもの。「酒母」ともいう。神戸・灘の「沢の鶴」は阪神大震災で大きな被害が出たが、その年に仕込んだ「1995年醸造生酛純米古酒」をこのほど発売、完売した。NHKドラマ「マッサン」の主人公は広島・竹原の造り酒屋出身で、生酛や酒造りの様子などがドラマに登場した。

(2015年01月19日)

選択肢と回答割合

きざけ 26%
きもと 70%
なまもと 4%


拘る

答え
こだわる
(正解率 91%)

「拘泥る」とも書く。気持ちがとらわれること。拘泥(こうでい)だと「つまらないことに」というニュアンスがあり、「こだわる」も元はその意味合いだったが、最近はよいことにも使われる。マッサンがウイスキー造りでピート(泥炭)に「こだわる」のは、よい意味。

(2015年01月20日)

選択肢と回答割合

かかる 8%
こだわる 91%
とがる 2%


破れ鍋

答え
われなべ
(正解率 71%)

ひびの入った鍋。「割れ鍋」とも書く。「マッサン」序盤の週のタイトルは「破れ鍋に綴(と)じ蓋(ぶた)」。どんな人にもふさわしい配偶者がいるということわざだ。綴じ蓋は修理した蓋を指す。「閉じ蓋」ではない。

(2015年01月21日)

選択肢と回答割合

やぶれなべ 10%
やれなべ 19%
われなべ 71%


急く

答え
せく
(正解率 96%)

早くしようと焦ること。「マッサン」で十分な熟成を待たずにウイスキーを商品化して失敗する週は「急いては事をし損じる」のタイトルだった。

(2015年01月22日)

選択肢と回答割合

いきせく 3%
せく 96%
はじく 1%


到る処青山有り

答え
いたるところせいざんあり
(正解率 91%)

「人間到る処青山有り」はどこで死んでも墓地はあるので、故郷を出て活躍すべきだという格言。「人間」は「じんかん」とも「にんげん」とも読む。主人公が北海道に移住する今週の「マッサン」のタイトルだ。

(2015年01月23日)

選択肢と回答割合

いたるしょせいやまあり 0%
いたるところしょうざんあり 9%
いたるところせいざんあり 91%


◇結果とテーマの解説

(2015年02月01日)

この週は「マッサンと酒造り」でした。いうまでもないでしょうが、マッサンとは今期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)のタイトルです。その主人公はニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝とその妻リタをモデルにしています。

「マッサン」には毎週、「週タイトル」と呼ばれるサブタイトルが付きますが、いまのところ全てことわざになっています。ことわざを朝ドラのサブタイトルにするのは1984年の「ひまわり」(主演・松嶋菜々子)以来珍しくないようですが、今回は外国人がヒロイン。日本語を学ぶのに合わせ、私たちも忘れかけたことわざを学びなおすような気持ちにさせられます。

「人間到る処青山あり」は、主人公が新天地・北海道に移住する週のタイトルですが、「青山」とは墓地のこと。モデルとなった竹鶴夫妻の墓は北海道・余市にあります。ことわざの意味としては、「どこでも骨をうずめる場所はあるのだから、今の場所から出て活躍しなさい」という趣旨なのですが、「青山」の意味まで考えると暗示的なタイトルといえます。

「急く」は「急いては事をし損じる」。ことわざとしては簡単としても「急く」単独ではどうかという出題でしたが、この週で最も正解率が高くなりました。

「破れ鍋に綴じ蓋」の「破れ鍋」は以上二つよりは読みにくい結果となりました。常用漢字表で「われる」といえば「割れる」しかないし、「破れ」と書けば「やぶれ」としか読めないという事情もあるでしょうが、このことわざを知っていれば正解できると思われるので、あまり使われなくなっているのかもしれません。

以上が週タイトルからで、それだけではクイズとして無理があったので、「マッサンと酒造り」に関わる他の言葉として選んだのが「生酛」と「拘る」です。

「生酛」は今回最も正解率が低かったのですが、それでも70%ですから、この週は全体的にやさしかったといえます。「酛」は「国字」つまり日本製の漢字です。日本酒のみに使われる字といっていいでしょう。

「拘る」。「こだわる」の意味が変わっていることは、しばしば言葉についての話題に取り上げられます。本来「つまらないことにこだわる」という使い方だったのに、今は「素材にこだわる」など良い意味に変化しているということです。「拘る」「拘泥る」という漢字で書かれなくなったことが、本来の意味を見失わせる一因になったのかもしれません。毎日新聞では最近まで「編集長のこだわり」というタイトルの小さな欄があったのですが、同業他社から「毎日さんまでが」と違和感を示されました。しかし、この用法の変化は数十年前から起こっていたことで、多くの人にとってもはや自然な使い方といえるのではないでしょうか。

ちなみにマッサンがウイスキー造りでこだわったのは「ピート」。訳語でいうと「泥炭」。これに執着したことで散々失敗と苦労を重ねるのですが、後の成功を生んだのです。一見つまらない「泥」に拘泥することがすばらしい結果を生む。これは「つまらないことにとらわれている」とみなされていた「こだわる」の意味が良い意味合いに昇格したのと相通ずる気がします。
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