読めますか? テーマは〈皇居〉です。

長和殿
皇居正殿
答え
こうきょせいでん(正解率 68%)皇居宮殿の中心の棟。新年祝賀の儀、講書始の儀、歌会始の儀、首相任命式などが行われる「松の間」がある。宮殿内部は2014年春と秋に一般公開された。ちなみに伊勢神宮の正殿は「しょうでん」と読む。
(2014年12月29日)
選択肢と回答割合
こうきょしょうでん | 30% |
こうきょせいでん | 68% |
こうきょまさどの | 2% |
北桔橋門
答え
きたはねばしもん(正解率 30%)皇居の北、北の丸公園に面する門。桔の字は「桔梗(ききょう)」でよく使われ、皇居にも「桔梗門」があるが、訓読みは「はねる」。北桔橋門の前の橋はかつて、はね橋だった。この門から入るとすぐ江戸城天守閣跡である。
(2014年12月30日)
選択肢と回答割合
きたききょうもん | 57% |
きたはねばしもん | 30% |
ほっきつばしもん | 13% |
宮殿東庭
答え
きゅうでんとうてい(正解率 55%)皇居宮殿で最も長い建物「長和殿(ちょうわでん)」の前の広場。天皇誕生日と1月2日、一般参賀に訪れる人々はここから天皇陛下や皇族を仰ぎ見る。
(2015年01月02日)
選択肢と回答割合
きゅうでんとうてい | 55% |
きゅうでんはるにわ | 39% |
ぐうでんひがしにわ | 6% |
◇結果とテーマの解説
(2015年01月11日)
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by chris 72
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この週は「皇居」がテーマです。12月23日の天皇誕生日から、元日の新年祝賀の儀、2日の一般参賀、その後も講書始の儀、歌会始の儀まで、毎年、年末年始のニュースの舞台となっています。
また2014年は桜と紅葉の時期に普段は通れない道が一般公開されたこともあり、皇居の地図を目にする機会が多くなりました。その中で目に留まったのが「北桔橋門」。実は毎日新聞東京本社は皇居の隣にあり、職場の窓からも皇居の平川門が見えるのですが、北桔橋門という難読の門が近くにあることは、うかつにも出題者は知りませんでした。この漢字を目にする機会があったとしても「北桔梗門」と見間違え「きたききょうもん」と誤読していたかもしれません。
この間違いはいかにもありそうです。実際、ある本の皇居の地図には「北桔梗門」という誤植がありました。「桔」といえば「桔梗」という連想が働き「梗」と「橋」の違いに目を凝らすことなく「ききょう」だと思い込んでしまうのは無理ないことでしょう。今回のクイズでも「きたききょうもん」の誤答が正解の2倍近くに上りました。なお一般参賀の退出門として「北桔橋門」のほかに「桔梗門」などがあり、より紛らわしくなっています。
一般参賀の参加者が集まる場所が「東庭(とうてい)」というのも、出題者にとって初めて知ったことです。皇居・宮殿の「中庭」は普通に「なかにわ」と読みます。東庭も「ひがしにわ」と読んでしまう人が多いのではと思いました。NHKの一般参賀の中継では、さすがにアナウンサーは「とうてい」と読んでいましたが……。今回の正解率も高くはありませんでした。ただ「ひがしにわ」の誤答より「はるにわ」の方が圧倒的に多い数。ちなみに「はるにわ」という選択肢は「東宮(とうぐう)」を「春宮」とも書くことを意識した引っ掛けです。東=春は中国の五行説に基づくそうです。
「正殿」はほとんどの辞書では「せいでん」の読みしか載っていないと思います。しかし「テーマ・伊勢神宮」の時に出題したのですが、「内宮正殿」は「ないくうしょうでん」と読むのです。それを踏まえ日本国語大辞典(小学館)では「しょうでん」の見出し語も立てています。皇室と伊勢神宮は非常に関係が深いのですが、こと正殿の読みに限っては違います。伊勢神宮は「内宮」が「ないぐう」でなく「ないくう」ですし、固有名詞はいろいろ変わった読みが多いようです。
新聞では簡単な字にはルビが振られることが少ないため、割によく出てくるのにずっと読みを誤解している漢字は、他にも多いかもしれません。