読めますか? テーマは〈介護〉です。

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褥瘡

答え
じょくそう
(正解率 92%)

とこずれ。つまり、寝たきりの人などに起きやすい、自分の体重によってできる皮膚の壊死(えし)。褥は「しとね(布団)」、瘡は「できもの」を表す。

(2014年09月16日)

選択肢と回答割合

ざそう 5%
じょくそう 92%
ほうそう 4%


心窩部

答え
しんかぶ
(正解率 87%)

「しんわぶ」とも読む。みぞおちのこと。介護現場では「みぞおち」「心窩部」のほか「上腹部」が同じ意味で混在しているという。

(2014年09月17日)

選択肢と回答割合

しんかぶ 87%
しんきんぶ 7%
しんろぶ 7%


下肢挙上

答え
かしきょじょう
(正解率 66%)

足を上げること。漢字自体は常用漢字ばかりでさほど難解ではないが、「挙上」は何巻もある国語辞典にも漢和辞典にも見当たらない。医療現場のみで使われる言葉だろう。

(2014年09月18日)

選択肢と回答割合

かしきょじょう 66%
かしけんじょう 28%
げしきょじょう 7%


嗄声

答え
させい
(正解率 34%)

かすれ声のこと。外国人介護士が「嗄声が聞かれました」と言い、被介護者の家族が戸惑った例があったという。介護・医療現場ではいまだに難解な言葉が多い。これでは外国人でなくとも国家試験に受かるのは大変だ。

(2014年09月19日)

選択肢と回答割合

こせい 45%
させい 34%
しっせい 21%


◇結果とテーマの解説

(2014年09月28日)

この週のテーマは「介護」。9月2日に毎日新聞の「くらしナビ」面に載った記事を基に、敬老の日にタイミングを合わせて出題しました。

介護を含む医療の現場では、以前から難解な言葉が使われ、時に患者やその家族とのコミュニケーションに支障をきたしていることが問題になっていました。国立国語研究所は2009年に「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」を行いました。しかし、それだけではまだまだ不十分ですし、介護の現場ではさほど改善されていないことが、上記の記事からうかがえます。

それはともかく「褥瘡」「心窩部」の正解率が高いのにはいささか驚きました。意外に知られている語なのでしょうか。そうでないとしたら、「辱」「過」という構成要素から読みの類推がしやすい「素直な難読語」だから答えやすかったのかもしれません。

素直でない難読語の代表が「嗄声」。「夏」から「かせい」かと思う人も多いでしょう。今回最も難しい語となりましたが、それを選択肢に挙げるともっと数字が低くなったと思われます。しかし大辞泉には「かせい」の読みも併記されています。調べがついた範囲ではこの辞書だけが「かせい」を採用しているのですが、現場では「かせい」の読みが増えているのでしょうか。 「口腔」は本来「こうこう」ですが医学用語では「こうくう」とされるのと同じ揺れがあるのかもしれません。

それが読みの揺れとすると、表記の揺れがある語もあるようです。褥瘡には「蓐瘡」という異表記があることは辞書に載っていますが、それ以外に「褥創」も見られます。日本褥瘡学会のホームページに「褥瘡と褥創について」という記述があります。「褥創は看護(主にETナース)領域で意識的に使用され始めたが、その理由とするところは、今まで難治性潰瘍の代表であった褥そうでも全身的および局所的に創治癒を促進する治療環境を整えるケアをトータルに実施することにより治癒させることが可能な創傷の一つであるという考えによる。実際、日本の看護辞典には褥瘡および褥創が併用されている」

たとえ読める字であったとしても、意味が分からない人は多いでしょうし、このような揺れが混乱を生むことを鑑みても、「床ずれ」などの易しい言葉を使うほうが一般的には望ましいことはいうまでもありません。 「下肢挙上」もわざわざ「挙上」なんて辞書に見つからない言葉を使う必要などないでしょう。

先の新聞記事によると、厚生労働省は用語の指導には消極的ということですが、別にお上の力に頼ることはないのではないでしょうか。現場から声を上げて、業界団体などの話し合いで難解語を改める努力をすべきではないかと思います。

いや、人ごとではありません。新聞でも、カタカナ語を含め難しい語がよく現れます。読者の理解度が分からないために、取材先で頻繁に使われている言葉をつい流してしまうのでしょう。

つい先日も、国語に関する世論調査でカタカナ語の理解度調査の結果が発表されていました。これらのデータも参考にしながら、分かりやすい新聞をつくる努力をすべきだと思います。
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