読めますか? テーマは〈お盆〉です。

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掃苔

答え
そうたい
(正解率 83%)

墓参り、特にお盆の墓参や墓掃除をいう。秋の季語。ほぼ死語と思いきや、「掃苔しましょう」(小栗結一、集英社新書)という墓巡りの本があるなど、意外に生き残っている言葉だ。

(2014年08月11日)

選択肢と回答割合

そうこけ 4%
そうたい 83%
そうとう 14%


精霊飛蝗

答え
しょうりょうばった
(正解率 82%)

バッタの一種で、頭部が細長い。精霊は死者の霊を意味し、それが帰ってくるとされる精霊会、つまりお盆の頃に姿を見せることからの名。たてる音からキチキチバッタともいう。

(2014年08月12日)

選択肢と回答割合

しょうりょうとんぼ 7%
しょうりょうばった 82%
せいれいいなご 11%


焙烙

答え
ほうろく
(正解率 74%)

素焼きの浅い土鍋。お盆に帰ってくる先祖の霊の目印にする迎え火をこの上でたく。「近世風俗志」(喜田川守貞著、岩波文庫)には「江戸にては、皆十三日暮に焚(た)く。けだし専ら焙烙を用ひ、麻殻(おがら)を焚く」とある。あぶり焼く意味などでは「ほうらく」とも読む。

(2014年08月13日)

選択肢と回答割合

ほうかく 6%
ほうろう 20%
ほうろく 74%


生き御霊

答え
いきみたま
(正解率 71%)

「生身魂」「生御魂」「生見玉」などさまざまな別表記がある。お盆に、自宅の真菰(まこも)の上に来た先祖の霊を供養するだけでなく、健在の親も食べ物を贈るなどしてもてなすこと。また、盆の贈答品のことをいう。「生身玉やがて我等も菰の上」(小林一茶)

(2014年08月14日)

選択肢と回答割合

いきおんりょう 18%
いきごれい 11%
いきみたま 71%


施火

答え
せび
(正解率 56%)

送り火、つまりお盆に帰ってきた祖先の霊を送るためたく火のこと。また、8月16日の夜に京都の山々で精霊送りのためにたく火を指す。最も有名なのが銀閣寺の近くにある如意ケ岳の「大」の字の火、いわゆる大文字(だいもんじ)の火だ。

(2014年08月15日)

選択肢と回答割合

せか 18%
せび 56%
ほどこしび 26%


◇結果とテーマの解説

(2014年08月24日)

by Σ64
この週は「お盆」。皆さんお盆休みはいかがお過ごしでしたか。新聞はお盆期間も発行し続けますので、この時期に長めの休みを取る人は校閲ではあまりいません。夏休みは順繰りに取っていくので、秋にも冬にも「夏休み」と称する休みを取る人が少なからずいます。うっかり友達に「今夏休み」などと言おうものなら奇異の目で見られます。

それはともかく、「お盆休み」といえば大体8月15日を中心とする休みということは日本人の共通認識だと思います。しかし単に「お盆」とか「盆」というと、土地によって指す時期が分かれます。①7月15日前後②8月15日前後③旧暦の7月15日(今年は新暦8月10日)前後――という3パターンが知られます。校閲として要注意なのは「旧盆」の言葉で、③が本来なのに②に使う場合が少なくないことは、折に触れて注意喚起しています。最近では毎日新聞ニュースサイトの「校閲発」と8月13日付毎日新聞朝刊「校閲発春夏秋冬」に載せました。その後、読者から自分のところは7月23~25日の「10日遅れの盆」だとツイッターで報告がありました。農作業の関係だったそうです。日本全国、さまざまな時期の盆があるということですね。

前置きが長くなりました。今回最も正解率が低かったのは「施火」です。漢字自体は易しいのですが「重箱読み」なので、知らないと答えにくかったのでしょう。

次に難しかったのは「生き御霊」。「いきおんりょう」と答えた人は「生き霊」と間違えたのでしょうか。なお辞書では「生き御霊」の表記が主流ですが、俳句では「生身魂」が多いようです。いずれにせよ、年老いた親を「生きているうちに」ともてなすのは、母の日、父の日がなかった時代の親孝行の形だったのでしょう。

「焙烙」は難読と思いますが、なかなかの正解率です。もっと「ほうろう」に引っかかる人が多いのではと思っていました。ホーローと片仮名書きされることが多いこの言葉は漢字では「琺瑯」です。

最も正解率が高かった「掃苔」。出題時の解説に記したように、この語は「掃苔しましょう」(小栗結一、集英社新書)というお墓巡りの本でも使われています。もっと古いところでは1940年に「東京掃苔録」(藤浪和子、東京名墓顕彰会)という本が出ています。有名人の墓を訪ね歩くという趣味は、現在も「墓マイラー」という語までできて時々紹介されますが、こんな昔からあったのですね。

「精霊飛蝗」はショウロウバッタという表記も見られますが、正しくはショウリョウバッタ。さだまさしさんの「精霊流し」は「しょうろう」のようです。ショウリョウバッタは精霊が帰ってくるお盆の頃に現れることからの命名。「小さな生命に祖先のおもかげを見るのも、お盆ならではの風情である」と雑誌「大法輪」の特集「暮らしの中の仏教語」にありました。

月遅れ盆の頃から、やはり仏教由来の名を持つツクツクボウシも鳴いています。まだまだ暑い日が続きますが、夜の虫の声も次第に大きくなり、季節はゆっくりと秋に向かっています。もっとも、もうとっくに立秋は過ぎていますが……。
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春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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