読めますか? テーマは〈失態〉です。

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惹起

答え
じゃっき
(正解率 87%)

事件や問題などを引き起こすこと。STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)はその名の通り問題を引き起こした。中心人物が若い女性だったこともマスコミの好餌となった。先日亡くなった吉野弘さんの「漢字遊び」の詩の一つ「惹」は「若いほうへと/気も向くさ」(ハルキ文庫)。

(2014年03月24日)

選択肢と回答割合

じゃっき 87%
ひき 13%
れいき 1%


捏ち上げる

答え
でっちあげる
(正解率 89%)

事実と違うことを本当らしく作り上げること。また、いいかげんにまとめること。捏造(ねつぞう)は本来「でつぞう」と読んだ。捏をネツというのは慣用読み。

(2014年03月25日)

選択肢と回答割合

たちあげる 4%
でっちあげる 89%
ぶちあげる 8%


杜撰

答え
ずさん
(正解率 82%)

いいかげんなこと。中国・宋の杜黙の詩は様式に合わないものが多かったことから、根拠が希薄、あるいは誤りが多い著作を表すようになり、さらに手抜きの多い物事を指すようになった。撰は詩文を作ること。

(2014年03月26日)

選択肢と回答割合

うかつ 3%
ずさん 82%
とせん 15%


生物知り淵へはまる

答え
なまものしりふちへはまる
(正解率 45%)

中途半端な知識が災いして身をあやまることのたとえ。「辞書から消えたことわざ」(時田昌瑞、角川SSC新書)で紹介されている。土地勘があると称しこの辺りは危ないと言った当人が淵にはまってしまうことから。「淵」が「川」「堀」になるなど異表現も多い。

(2014年03月27日)

選択肢と回答割合

いきものしりふちへはまる 35%
せいぶつしりえんへはまる 20%
なまものしりふちへはまる 45%


捲土重来

答え
けんどちょうらい
(正解率 92%)

「けんどじゅうらい」ともいい、「巻土重来」とも書く。一度敗れた者が再び勢いを取り戻すこと。土をまきあげる勢いで再び来るということから。STAP細胞のスタッフは研究をストップさせず実験を重ねて捲土重来を期してほしい。

(2014年03月28日)

選択肢と回答割合

えんどじゅうらい 7%
かんどちょうらい 2%
けんどちょうらい 92%


◇結果とテーマの解説

(2014年04月06日)

この週は「失態」がテーマで、STAP細胞問題が契機であることはいうまでもありません。

全体的によく読めていますが、最も正解率が低かったのは「生物知り淵へはまる」です。ねた元の「辞書から消えたことわざ」(時田昌瑞、角川SSC新書)では「生物知淵へはまる」でした。送り仮名がないと、ますますどこで切れるか分からず読みにくくなりますね。

さて、詩人・吉野弘さんが亡くなって2カ月ほどたったある日、書店で平積みになった「吉野弘詩集」(ハルキ文庫)を手に取ると、「漢字遊び」のシリーズの一つである次の2行詩が目に留まりました。

 惹
若いほうへと
気も向くさ

STAP細胞の発表のとき以来、繰り返し報道に流れたのは研究内容よりも若い女性研究者の姿だったことに思いが及んだ瞬間、今回の「惹起」の出題が決まりました。ちなみにこの次の詩は

 偽
人の為とは偽りさ
(中略)
人為を施した為人(ひととなり)は偽りということか

小保方晴子さんが世のため人のため医療のために研究したということは偽りだったと思いませんが、彼女をマスコミ好みのヒロインとして真実以上に演出する意図が理研側になかったかどうか。

ところで、吉野弘さんの詩は教科書にも載った「夕焼け」が有名ですが「夢焼け」という詩はご存じでしょうか。一部引用すると

あるとき、どこかの文選工が活字を拾い違え
私の詩の表題「夕焼け」を
「夢焼け」と誤植したから。

ああ、「夢焼け」!

この眩しい文字面は
人が
外から見えない深いところを
夢に焼かれている、と
明かしてくれたネ

そしてなぜ「夕」がまったく違う「夢」と拾い違えられたのかを明かすように最後にこうあります。

註 「夢」は部首「夕」に属する字

誤植は校閲としては許してはいけませんが、これは詩人の想像力を刺激した、美しい誤植です。科学の世界でも、大失敗が大成功のきっかけになるということは、つとに知られています。小保方さんらにはぜひ捲土重来をしてほしいと心から思います。

「辞書から消えたことわざ」では「踏まれた草にも花は咲く」という言葉も紹介されています。
《今、逆境にある者でも、いつかはいい時がやってくるから頑張ろうよとの意》
《テレビドラマ『三年B組金八先生』(2001年・上戸彩らの出演作)では、金八先生が国語の授業でこのことわざを紹介し、逆境にある生徒を励ます言葉となって一部で注目された》
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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