読めますか? テーマは〈耳〉です。

スポンサーリンク

大人は大耳

答え
たいじんはおおみみ
(正解率 49%)

徳の高い人は細かいことをいちいち気に留めないということ。徳の高い人ならともかく、批判を馬耳東風と聞き流して謙虚に受け止めない人には困ったものだ。きょうは耳の日。

(2014年03月03日)

選択肢と回答割合

おとなはおおみみ 16%
たいじんはおおみみ 49%
だいじんはだいじ 35%


鳶目兎耳

答え
えんもくとじ
(正解率 66%)

トビのようによく見える目とウサギのようによく聞こえる耳という意味で、報道関係者を表す――と辞書にはあるが、今はほとんど死語。ジャーナリストの感性が鈍ったためではない、と思いたい。

(2014年03月04日)

選択肢と回答割合

えんもくとじ 66%
とびめうさぎみみ 13%
よくもくとじ 21%


耳目鳥

答え
みみめどり
(正解率 11%)

ウグイスの異名。ウグイスには「春告げ鳥」など多くの別名がある。ホーホケキョという鳴き声から「経読み鳥」ともいう。「みみめ鳥きつつなくなりわがやとの八重紅梅の花ふみちらし」という歌がある。

(2014年03月05日)

選択肢と回答割合

じもくどり 32%
みみずく 57%
みみめどり 11%


聞き做し

答え
ききなし
(正解率 36%)

ホトトギスを「てっぺんかけたか」、ウグイスをホーホケキョ、つまり「法、法華経」と聞くなど、鳥の鳴き声を人間の言葉に置き換えて聞くこと。しかしホーホケキョと聞くようになったのは近世で、古くは「ウグヒ」と聞き、名の由来となったという説がある。

(2014年03月06日)

選択肢と回答割合

ききなし 36%
ききならし 50%
ききふるし 14%


治聾酒

答え
じろうしゅ
(正解率 51%)

春分に最も近い戊(つちのえ)の日に飲む酒のこと。春の季語。この日に酒を飲むと耳の障害が治るという俗信がある。耳が聞こえるようになったと告白したあの「作曲家」も飲んだのだろうか。

(2014年03月07日)

選択肢と回答割合

じろうしゅ 51%
ちりゅうしゅ 2%
ちろうしゅ 47%


◇結果とテーマの解説

(2014年03月16日)

この週は「耳」がテーマでした。3月3日といえばまず「ひな祭り」ですが、「み・み」の語呂合わせで「耳の日」ともなっています。

先日テレビである企業の重役が「耳目をそばだてる」と言っていました。こういう慣用句はありませんよね。「耳をそばだてる」で十分です。

「耳目鳥」が最も低い正解率になったのは、「耳目(じもく)」という言葉がけっこう使われていることに加え、「みみずく」といういかにも当て字でありそうな誤答があったためです。ミミズクは漢字では「木菟」などと書きます。

「聞き做し」の「做」は「作」の俗字という指摘を読者からいただきハッとしました。確かに複数の漢和辞典でそうなっています。白川静「字通」には「近世語にこの字を用いることが多い。明の〔字彙〕に至ってこの字を録している」とありました。しかし読者からは明代より前の13世紀の「朱子語類」にこの字が頻出する情報をいただきました。なんとハイレベルな読者でしょう。それにしても、国語辞典では原則的に俗字は使わないはずなのに「聞き做し」となっているのは、事実上別字とみなしているということでしょうか。

別字といえば「きかん気」ってどう書くかご存じですか。聞き分けがないので「聞かん気」のように思えます。確かにそういう表記もありますが「利かん気」とも書き、毎日新聞ではこちらで統一しています。なぜ「聞」と全く別の字のはずの「利」なのでしょう。

「五感で読む漢字」(張莉、文春新書)にはこうあります。《「利く」「効く」は、『聴く』と同源であるとされている。すなわち「目利き」とは、視覚・聴覚両方の霊力を通して得られた洞察力をいう。「薬が効く」「気が利く」もまた、薬や気に霊験を求めたものである》

「利く」「効く」の使い分けは日々迷うことが多いのですが、「聴く」「聞く」とも近いものだったとは。これで「利かん気」の表記に納得しました。

その本にもありますが、「福耳」という言葉や、聖徳太子が10人の異なる話を同時に聞き分けたという伝説は、耳が単なる聴覚の機能だけではなく人格や頭の良さに結びつくことを表すのでしょう。「大人は大耳」(度量のある人は細かなことを聞きとがめない)ということわざも、それに連なるといえそうです。

しかし「大人」ではないと思われても、新聞記者は細かいことまでいろいろ聞きださなければ仕事になりません。「鳶目兎耳」という言葉は報道関係者を表す言葉。その耳から真実を聞き分ける能力が落ちているのか、マスコミがだまされる事件が相次いでいることは、ご存じの通りです。「治聾酒」は春の季語ですが、くしくも佐村河内守さんの記者会見と出題日が重なって生々しくなりました。

なお「治聾酒」を飲むのはほとんどの資料で「春分に最も近い戊(つちのえ)の日」となっていますが、「日本国語大辞典」「大辞泉」は「立春から5番目の戌(いぬ)の日」としています。前者では今年は3月18日、後者では3月28日。民間習俗ですから土地などによって違いが出るのはよくあることかもしれませんが、この違いは気になります。そういえば「この日に酒を飲むと耳の不自由が治ると言われた」のはなぜ? これまで見た文献では答えてくれません。また、大辞林は「治聾酒という名の酒があるわけではない」とわざわざ記しているのですが、そういう誤解があったのでしょうか。もしかして、その名でただの酒を売った詐欺師がいたりして。この手の非科学的な触れ込みにだまされないよう、耳障りのよい言葉、いや「耳に心地よい言葉」には気を付けたいものです。
スポンサーリンク
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

美しい季節の言葉を味わいたい方、間違えずに使いたい方におすすめです。

twitter

過去記事から