読めますか? テーマは〈おもてなし〉です。

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答え
あえ
(正解率 38%)

飲食のもてなしを意味する古語。石川県・能登半島に伝わる、田の神に感謝する行事「あえのこと」の「あえ」である。また人名などの「饗庭(あえば)」でも知られる。なお米軍のオスプレイの訓練が行われたのは滋賀県の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場。

(2013年12月09日)

選択肢と回答割合

あえ 38%
ひびき 3%
もてなし 59%


与る

答え
あずかる
(正解率 67%)

関わりをもつこと。「供応に与る」などと使う。ただし「与」に「あずかる」の読みが常用漢字表にないため、新聞では仮名書きにする。「おほめにあずかり」など上の人からの好意的な言動を受ける場合にも新聞では「あずかる」と書くが、「預かる」を認めている辞書もある。

(2013年12月10日)

選択肢と回答割合

あずかる 67%
あまる 12%
さしあげる 22%


進物

答え
しんもつ
(正解率 89%)

贈り物のこと。慶事やお歳暮・お中元のときに使われる。ここでの「進」は「進呈」などと同じく「差し上げる」ことを指す。浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」には「進物」の段がある。

(2013年12月11日)

選択肢と回答割合

しんぶつ 8%
しんもつ 89%
しんもの 3%


濃やか

答え
こまやか
(正解率 62%)

心がこもっていること。「細やか」と意味が通じるもので、辞書では明確に区別するものは少ないが、新聞では区別する。ただし常用漢字表では「濃」に「こまやか」の読みがないため、仮名書きにする。「家族のこまやかな情愛を描いた映画監督・小津安二郎はきょうが誕生日で忌日でもある」などと使う。

(2013年12月12日)

選択肢と回答割合

あでやか 25%
こまやか 62%
しとやか 13%


高家肝煎

答え
こうけきもいり
(正解率 68%)

江戸幕府の職名で、朝廷の使者の接待や幕府の儀式などにあたった。「高家」は名家、特に武家の名門のことで。「肝煎」は世話をすること。「高家肝煎」は高家諸氏の差配をした実質的なトップ。赤穂浪士の敵役、吉良上野介は高家肝煎だった。

(2013年12月13日)

選択肢と回答割合

こうかきもいり 26%
こうけきもいり 68%
たかいえきもいり 6%


◇結果とテーマの解説

(2013年12月22日)

この週は「おもてなし」。今年の新語・流行語大賞がきっかけの一つです。

しかし滝川クリステルさんとともに演説し2020年東京五輪招致を達成させた猪瀬直樹・東京都知事がこんなに早く辞任することになるとは、誰も予想していなかったでしょうね。「おもてなし」と5000万円とを結び付けて時事川柳の格好のネタになりました。

さて、今回最も正解率が低かったのは「饗」。「饗宴」「饗応」の饗ですが、新聞としてはそれぞれ「供宴」「供応」の字を使っていますので一般語としては出番がありません。でも固有名詞としてはけっこう出てきて、今年はオスプレイが訓練に参加した「饗庭野演習場」で頻出しました。「響」とよく似ているので校閲としては気を付けなければなりませんが、実はそれより注意しなければならないのはその周辺の別の字かも。事実「饗場野」という間違いが紙面に出ています。

「供応にあずかる」の連想で「与る」。「預かる」と同源の言葉のようです。猪瀬知事は単に5000万円を「預かった」つもりだったかもしれませんが、「あずかる」は「関与する」のと同じだったということは、この言葉そのものが示しています。それに気付かなかったとは、政治家以前に作家としてもアマチュアだったのでは?と突っ込みたくなります。

「預かる」「与る」、「細やか」「濃やか」は「異字同訓」といわれます。現在、国の文化審議会国語分科会漢字小委員会では、この区別を例示する検討をすすめています。ただし常用漢字音訓表の範囲内で。つまり「与る」「濃やか」は常用漢字音訓表に示された訓ではありませんので、残念ながら今回の検討の対象外となります。国の決めることとは別に新聞として主体的に選ばなければなりません。

「高家肝煎」「進物」は忠臣蔵がらみです。「肝煎」よりも「高家」の方が難しいだろうと思って専ら「高家」の選択肢を考えました。最近「喪家の狗」を出題したおり「家」をケと読むのは「将軍家」などのように高貴な役職名につけることが多いという傾向を紹介しましたが、これもそのバリエーションといえるでしょう。

「進物」は最も正解率が高くなりました。毎日新聞のデータベースでは東日本より西日本で圧倒的に使われていて地域差があるようです。

ところで、浅野内匠頭が刃傷に及んだ理由はいまだ謎のままです。よく言われるのは高家肝煎・吉良上野介に対する進物(賄賂)が足りないことを根に持たれいじめられたこと。しかし吉良家は当時とても裕福で、そんなささいなことで恨みを買うほど侮辱するだろうか、などの疑問もあるようです。謎が多いことも忠臣蔵人気の理由のひとつかもしれません。
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