読めますか? テーマは〈喪〉です。

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喪家の狗

答え
そうかのいぬ
(正解率 37%)

「喪家」は喪中の家のこと。「狗」は元は小型の犬を表した。遺族が悲しみのあまり飼い犬に餌を与えるのを忘れることから、やつれていることのたとえに用いる。また宿無しになった犬のことともいう。

(2013年11月25日)

選択肢と回答割合

そうかのいぬ 37%
そうけのいぬ 52%
もかのいぬ 11%


荼毘

答え
だび
(正解率 95%)

火葬のこと。「荼毘に付す」の形で使う。仏教用語で、キリスト教などには用いない。天皇、皇后両陛下の葬法について宮内庁は火葬の方針を発表した。神道式なので荼毘とはいえない。

(2013年11月26日)

選択肢と回答割合

さび 5%
だび 95%
ちゃせん 0%


殯宮祗候

答え
ひんきゅうしこう
(正解率 42%)

皇室でのお通夜に当たる。殯宮は天皇・皇族のひつぎを仮に安置しておく御殿。殯は訓読みで「もがり」。カンヌ国際映画祭グランプリの日本映画「殯の森」(河瀬直美監督)で知られる。「祗候」は貴人のそばで仕えること。祗の字は祇園(ぎおん)の「祇」と酷似した別字。

(2013年11月27日)

選択肢と回答割合

ひんきゅうぎこう 38%
ひんきゅうしこう 42%
ひんぐうきこう 20%


大姉

答え
だいし
(正解率 87%)

仏教で女性の戒名(法名)の下に付ける称号。男性は居士(こじ)。亡くなった島倉千代子さんの戒名は「寶婕院千代歌愛大姉(ほうしょういんせんだいかわいだいし)」。寶は宝の旧字体、婕は美しいという意味。

(2013年11月28日)

選択肢と回答割合

おおねえ 4%
あによめ 10%
だいし 87%


香奠

答え
こうでん
(正解率 82%)

線香の代わりに霊前に供えるお金。奠は供え物を表す字。常用漢字ではないので「香典」と書き換えているが、その取り決め以前から香典の字は用いられていた。ただ、今も「御香奠」と記されている香典袋は少なくない。

(2013年11月29日)

選択肢と回答割合

こうじき 7%
こうしゅう 11%
こうでん 82%


◇結果とテーマの解説

(2013年12月08日)

この週は「喪」がテーマでした。「喪中欠礼」のはがきが届く時期に合わせたものです。

「喪」は音読みが「そう」、訓が「も」というのは大概の人がご存じだと思います。しかし「喪中」「喪失」あたりの読みはわかるとしても、天皇の「大喪(たいそう)」「ご喪儀(そうぎ)」などは個別に覚えるしかありません。

「喪家の狗」は喪に加え「家」が「か」か「け」か分かりにくいという難読語です。はたして今回最も正解率が低くなりました。「漢字ときあかし辞典」(円満字二郎、研究社)によると、「ケは奈良時代以前からある古い読み方で、『平家』『犬神家』のように姓に付けたり、『王家』『将軍家』のように高貴な役職名に付けたりして、その“一族”を表す場合に用いるのが主な用途。『家来』も、本来は“ある一族に仕える者”をいう」とあります。なるほど、喪家は単に喪中の家という意味で、一族ということではないですね。

次に難しかったのは「殯宮祗候」。「祗」は「祇園」の「祇」と似て非なる字で、一般的には読みも違います。しかしやはり「ぎ」という誤読が少なくありませんでした。ある辞書の見出しでも【祇候】と誤字が入っていたことがある(現在出ている版では修正)くらいですから、間違いの定番といえましょう。

次に「大姉」。毎日新聞の「週刊漢字」で取り上げたところ「たいし」が正しいという「僧侶」の方のご指摘をいただきました。「『だいし』は弘法大師等の読み方で、一般の戒名では『たいし』と濁らないよう仏教の本にも書かれている」とのこと。しかし、会社にある国語辞典、仏教語事典の類いで「たいし」と書かれたものは見つかりませんでした。自宅にある雑誌「大宝輪」でも「だいし」。漢和辞典で「大姉」を引くと「たいし」も見つかりますが、「一番年長の姉」「姉の尊称」「天女」との意味であり、仏教語としては「だいし」と分けられています。したがって「訂正」はしませんでしたが、ネットでも「たいし」という言い方もあるという書き込みがあります。あらためて宗教関係は難しいと感じました。

「香奠」は奠の字が常用漢字でないため「香典」に書き換えるとされ、事実、1956年の国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」に「香奠→香典」という例がありますが、「香典」の表記はそれ以前から使われていたようです。「日本国語大辞典」(小学館)によると既に16世紀の文献に見られ、島崎藤村の「家」にも出てきます。

「荼毘」の荼の字は「茶」とよく似ているので「さ」「ちゃ」を誤りの選択肢としましたが、引っかかる人はほとんどいませんでした。「荼」は漢和辞典によると「茶」の意味があるそうなので、別字とされるものの全く関係ない字でもないようです。もっとも「荼毘」の場合はお茶の意味はなく、単なる当て字。「外国生まれのスタイルで、いわば新参者であった火葬は、それにふさわしい日本語がなく、また、死に関する事柄は一種のタブーであり、忌み言葉ですから、ジャーペーティの音を漢字に置き換えた『荼毘』が、そのまま日本語として定着したのだと思われます」と「大宝輪」の特集「暮らしの中の仏教語」(2009年10月号)にありました。宗教関係者でなくてもこういう雑誌を時々のぞくのも面白いと思います。

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