読めますか? テーマは〈旧国名〉です。
上野
答え
こうずけ(正解率 90%)群馬県の旧国名。上州ともいう。古代の上毛野(かみつけぬ)国の毛の字が、好字2字にせよとのおふれによって略され、さらに読みも変わったという。現代も「上毛地方」というのは古代の名残だ。なお日航ジャンボ機が墜落した「御巣鷹の尾根」のある群馬県上野村の読みは「うえのむら」。
(2013年11月18日)
選択肢と回答割合
かみや | 8% |
じょうや | 2% |
こうずけ | 90% |
遠江
答え
とおとうみ(正解率 70%)静岡県西部に当たる旧国名。遠州ともいう。琵琶湖を近淡海(ちかつおうみ)と呼んだことに対し、浜名湖が遠淡海(とおつおうみ)といわれたことに由来する。なお「とうとうみ」というルビを見ることがあるが、現代仮名遣いでは「とおとうみ」が適切。
(2013年11月19日)
選択肢と回答割合
とうとうみ | 11% |
とおとうみ | 70% |
とおとおみ | 19% |
豊前
答え
ぶぜん(正解率 61%)福岡県東部、大分県北部に相当する旧国名。福岡県の市名にもなっている。2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公、黒田官兵衛は豊前国を領有した。
(2013年11月20日)
選択肢と回答割合
びぜん | 31% |
ほうぜん | 8% |
ぶぜん | 61% |
伯耆
答え
ほうき(正解率 78%)鳥取県西部の旧国名。鳥取県の町名でもある。中国地方の最高峰、伯耆大山(だいせん)でも有名。万葉歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が国司として赴任した。
(2013年11月21日)
選択肢と回答割合
はくろ | 13% |
ばくろう | 8% |
ほうき | 78% |
上総
答え
かずさ(正解率 90%)千葉県中央部に位置する旧国名。社会人野球日本選手権で優勝した「新日鉄住金かずさマジック」、JR外房線「上総一ノ宮」駅などに残る。なお地図上では上総の上に下総(しもうさ)がある。これは当時の都から海路を経て行くのに上総が下総より近かったから。
(2013年11月22日)
選択肢と回答割合
かずさ | 90% |
かみふさ | 5% |
じょうそう | 5% |
◇結果とテーマの解説
(2013年12月01日)
この週は「旧国名」。きっかけになったのは、社会人野球日本選手権で「新日鉄住金かずさマジック」が優勝したことです。正確には、毎日新聞の千葉県版で、応援団が発したという次の呼びかけを見たことです。
「上総に優勝というお土産を持って帰りましょう」
社会人野球というのは、「都市対抗」でさえ実際には地域代表というよりは企業チームとしての色が強いと漠然と感じていたので、「新日鉄住金」を冠するチームの応援団が「上総」という旧国名を口にすることが、新鮮な印象として残ったのです。
上総の対になるのは下総(しもうさ)。「上」「下」とか、「前」「後」とかというのは旧国名によく見られます。これは当時の都からの距離の差を表したもの。「下総」の方が陸路では近いはずですが、昔は海路が当たり前だったことが、この国名だけでうかがえます。
「上野」と対になるのは栃木県に相当する「下野(しもつけ)」。ところで栃木県と群馬県の位置は「どっちがどっちだっけ?」と、ど忘れすることってありませんか? 西日本の人は特にそうじゃないでしょうか。ここで旧国名が役に立ちます。上野国の方が下野国より畿内に近いことを押さえておけば間違えることはありません。ただし「上野=群馬県」という対応関係を知っておかなければ何にもなりませんが。
正解率が最も低かったのは「豊前」。「備前」(岡山県南東部に相当)との混同が目立ちました。豊前はブで、豊後はブン。豊前・豊後を合わせると「豊州(ほうしゅう)」で、JR日豊(にっぽう)線、豊肥(ほうひ)線もこの類い。「豊の国」という場合は「とよ」。豊前も古代には「とよくにのみちのくち」といっていたようです。豊という字は読み方までバリエーション豊かですね。なお、「奈良県桜井市にも『豊前』という地名があって『ぶんぜ』と読みます」というツイートをいただきました。
「伯耆」は「ほうき」でJR伯備線は「はくび」。JR路線名は旧国名と読みが違うことがよくあります。また、伯耆といえば伯耆大山を連想する人が多いようです。しかし「大山」が伯耆大山であるとは限らず、神奈川県にあるのは大山(おおやま)。現在、紅葉シーズンでにぎわっていることでしょう。
「遠江」は読み方というより現代仮名遣いの問題。「地味に難しいぞ」というツイートをいただきましたが、けっこう高い数字でした。
さて、画像には今回取り上げた国を○で示しました。どれがどこか、お分かりになりますよね?