読めますか? テーマは〈和食〉です。

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雲子

答え
くもこ
(正解率 43%)

タラの白子、つまり精巣のこと。和食の店で料理名として見かけることがあるが、手近の国語辞典では見つからず、料理関係の事典に載っている言葉だ。

(2013年10月28日)

選択肢と回答割合

うんじ 32%
くもじ 25%
くもこ 43%


衣被

答え
きぬかつぎ
(正解率 63%)

サトイモを皮付きのままゆでたもの。皮をむき、塩などを付けて食べる。皮を、平安時代に女性がかぶった衣に見立てた。

(2013年10月29日)

選択肢と回答割合

きぬがさ 22%
きぬかつぎ 63%
てんぷら 15%


香の物

答え
こうのもの
(正解率 93%)

漬物の美称。「お新香」「香々(こうこう)」などともいう。「香」はもと女房ことば(宮中の女官が使い始めた隠語)で、みそのこと。

(2013年10月30日)

選択肢と回答割合

かのもの 5%
きょうのもの 2%
こうのもの 93%


信太巻き

答え
しのだまき
(正解率 83%)

「信田巻き」とも書く。油揚げを巻いて煮た料理。信太は油揚げを使う料理名に付き、いなりずしのことを「信太ずし」ともいう。大阪・信太の森に伝わる、女に化けたキツネの伝説にちなむ。その子が平安時代の陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明といわれ、浄瑠璃や歌舞伎の題材になった。

(2013年10月31日)

選択肢と回答割合

しのだまき 83%
しんたまき 10%
のぶたまき 7%


能平汁

答え
のっぺいじる
(正解率 95%)

「濃餅汁」とも書く。鶏肉、豆腐、油揚げ、野菜などを煮てとろみをつけた汁。元は中国料理ともいわれるが、日本各地に郷土料理として伝わるので和食の一種だろう。

(2013年11月01日)

選択肢と回答割合

のっぺいじる 95%
まめぶじる 4%
よしべいじる 2%


◇結果とテーマの解説

(2013年11月10日)

この週はユネスコ無形文化遺産登録が確実になったとのニュースを受け「和食」がテーマでした。しかし、その後相次いでいる食材偽装問題のために「登録は大丈夫か?」と気をもんでいる方もいるのでは? まあミシュランじゃあるまいし、一流ホテルやデパートに入っているレストランの高級和食(?)が認められて登録される方向になったわけではないでしょうが。

今回最も高い正解率は「能平汁」。出題時の解説で「日本各地に郷土料理として伝わる」と記したところ、「のっぺい汁って新潟だけかと思っていました」というツイートをいただきました。確かに、農水省の「農山漁村の郷土料理百選」に新潟県から「のっぺい汁」が選ばれているように、新潟県が代表的とはいえるでしょう。しかし「世界の食 語源×由来小事典」(ジャパンアート社)によると、《全国各地に郷土料理として残って》いるそうです。《16世紀の茶道書「南方録」にもその名が見られる。汁がぬらっとして餅のように粘っているので「濃餅」と書き、「能平」のあて字をしている。また、「ぬっぺい」の呼称がなまって「のっぺい」になったとの説もある》《島根では正月の行事料理、広島では農村の秋祭り料理などで伝承されている》

「香の物」でもツイートをいただきました。《昭和三十年代の札幌、我が家では「お漬物」ではなく、母が「おこうこ」と言っていました》。「おこうこ」というのは「香々(こうこう)」の変化ですね。「くらしのことば 語源辞典」(山口佳紀編、講談社)では「香香」の一項目を立てています。《「香の物」の、語頭のコウを重ねた女房詞(ことば)から出た語。コウコ・オコウコという方が一般的》《古くはとくに味噌(みそ)漬けを意味した。それは、「香」が女房詞で味噌を意味したから》

「信太巻き」の名称は料理名と日本古来の芸術、そして歴史・伝説が結びついた、和食の重層的な魅力を示す一例だと思います。もちろん味も、油揚げにたっぷり含まれただしがじゅわっと口に広がる瞬間の幸福感は、たまりません。

「衣被」はあまり知られていないのでしょうか。出題者も季語としては知っていても、実際に食べたのは確か最近です。サトイモをゆでるだけで単純すぎる料理であるせいか、行った店のメニューとしても見た記憶がありません。しかし、シンプルで、手を加えないからこそ、素材のおいしさが最大限生きるのです。それは和食の美点の一つでもあるに違いありません。そして名称は、《キヌカツギは、中古・中世ごろの高貴な女性が外出するとき、顔を見せないように単衣(ひとえ)の着物を頭から被(かぶ)ったことを意味する。本来皮をむいた形で出てくるはずの里芋が、皮つきであることをキヌカツギになぞらえた女房詞》(くらしのことば 語源辞典)と、やはり歴史を感じさせるネーミングです。

最も難しかった「雲子」は数年前の職場の忘年会で出た料理の一つでした。幹事の趣味でわざわざこの料理があるところを選んだと思われます。しかし、これをどう読むのかと気になって気になって、しかし聞くのは恥ずかしくて、後でこっそり辞書で調べようとしても、載っている辞書は見当たりません。調理用語事典でようやく見つかったのですが、名前の由来や、いつどのあたりで言われるようになったかは書いてありません。だれかご存じの方いらっしゃいませんか?
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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