読めますか? テーマは〈貸し借り〉です。

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返戻金

答え
へんれいきん
(正解率 71%)

契約が解除や満期になった時に戻ってくるお金のこと。戻の字は本来「もとる」、つまり「人道に逆らうような行いをする」ことという意味がある。そんな人への「半沢直樹」の決めぜりふが「倍返しだ!」。

(2013年09月24日)

選択肢と回答割合

へんらいきん 8%
へんるいきん 22%
へんれいきん 71%


根抵当権

答え
ねていとうけん
(正解率 57%)

「土地や建物の価値の範囲内であれば、それを担保に何度でも借り入れが受けられるように設定する担保権のこと」(TBS「半沢直樹」ホームページ「銀行用語解説」より)。このドラマでは第1話に出てくる。

(2013年09月25日)

選択肢と回答割合

こんていあてきん 2%
こんていとうけん 41%
ねていとうけん 57%


済すときの閻魔顔

答え
なすときのえんまがお
(正解率 40%)

「借るときの地蔵顔(えびす顔とも)」とセットのことわざ。人から金品を借りるときは笑顔に、返済するときは不愉快な顔をすること。「済す」は返済を意味する。「なし崩し」も元は借金を少しずつ返していくことを指していた。

(2013年09月26日)

選択肢と回答割合

いなすときのえんまがお 20%
すますときのえんまがお 40%
なすときのえんまがお 40%


日歩

答え
ひぶ
(正解率 52%)

1日単位での利率のこと。元金100円に対する1日の利息を「日歩3銭」などと表す。同音異義語の「日賦」は借金などを毎日少しずつ返すこと。ただし「日賦貸金業者」は「にっぷかしきんぎょうしゃ」と読む。

(2013年09月27日)

選択肢と回答割合

にっぷ 19%
にっぽ 29%
ひぶ 52%


◇結果とテーマの解説

(2013年10月06日)

この週のテーマは「貸し借り」。お分かりだと思いますが、ドラマ「半沢直樹」を意識しました。

まず「返戻金」。「戻」の訓が「もどす・もどる」というのは誰でも知っていることでしょうが、音読みはそれほど知られていないのではないかと思い、出題しました。返戻金以外の音読み例といえば「暴戻」くらいしか思いつきませんが、これも一般的な語ではありませんね。円満字二郎「漢字ときあかし辞典」(研究社)によると、「本来は“人道に逆らうような行いをする”ことを表し」「この意味の場合に、昔は『人の道に戻(もと)る』のように『もとる』と訓読みすることがあり、“もどる”の意味はそこから生じたもの。間違ってテンテンをつけてしまったようにも思えるが、“ふつうのものに逆らう”という意味合いはきちんと受け継いでいる」。そうだったのか。安倍晋三さんが盛んに「取り戻す」と言っていたのは、「人道に逆らうような行い」のことじゃなければいいのですが。

「根抵当権」。返戻金もそうですが、この語は時々思い出したように新聞に出ます。しかし共に常用漢字表内の読みですので、読み仮名が振られることはほとんどありません。だから耳で聞かないと一生「こんていとうけん」(この答え41%)と思い込んでしまうかもしれません。

「日歩」も難問でした。出題時の解説で「日賦」に言及しましたが、この類義語は「日済(な)し」。「済」が返済の意味で使われています。しかし今ではその意味で使われることはなくなったといえるでしょう。「済し崩し」も元は「借金を少しずつ返していくこと」だったのですが、昨年末出た「集英社国語辞典」第3版では次の語釈が加わりました。「既成事実を積み重ね、物事をだめにすること」。言葉の意味が徐々に変わっていくのは避けられないことですが、せめて元の意味を考えると「無し崩し」という表記だけは通してはならないと、校閲として思いました。

「済すときの閻魔顔」は今回最も正解率が低くなりました。このことわざを見聞きする機会の少なさを表しているのでしょう。しかし、毎日新聞の読者からは次のはがきをいただきました。子供の頃、祖母と叔母の会話が聞こえたそうです。叔母「姉さんに立て替えたお金の催促をしたところ、投げるように返してきた」。その愚痴に祖母「借りる時のエビス顔返すときのエンマ顔と言うデヨー」。自分の娘たちが借金のことでギスギスするのを案じ、方言を交えユーモラスなことわざで和ませたわけですね。「庶民の言葉として、昔から伝わった知恵でしょうか、太平洋戦後十年ごろのことです」。こういうお便りを読むと、ことわざの温かさ、いえ、それを生かす人の温かさを感じます。

「倍返しだ!」と叫び土下座を強要するヒーローが喝采を博す時代ですが、こういう温かさはなくしてほしくありませんね。
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

美しい季節の言葉を味わいたい方、間違えずに使いたい方におすすめです。

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