読めますか? テーマは〈百・千・万〉です。

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百尺竿頭

答え
ひゃくしゃくかんとう
(正解率 84%)

100尺(約30メートル)のさおの先頭。「百尺竿頭一歩を進む」は登り詰めたさおの上で更にもう一歩進めることから、高い頂上を極めても満足せず、さらに努力を重ねて向上することを表す。

(2013年07月08日)

選択肢と回答割合

ひゃくしゃくかんとう 84%
ひゃくしゃくさおがしら 5%
ひゃくしゃくせんとう 11%


万機

答え
ばんき
(正解率 85%)

多くの重要な政治の課題。1868(慶応4=明治元)年の「五箇条の御誓文」第1条、「広く会議を興し」の後の「万機公論に決すべし」で知られる。「国家の政治は世論に従って決定せよ」との意味。

(2013年07月09日)

選択肢と回答割合

ばんき 85%
まんき 3%
よろずばた 11%


四万六千日

答え
しまんろくせんにち
(正解率 54%)

4万6000日参詣したのと同じ功徳があるという日。東京の浅草寺では7月10日にあたり、前日との2日間「ほおずき市」が立つことで有名。元々は「千日詣(せんにちもうで)」といわれ1000日分だったが、なぜ4万6000日になったか不明のようだ。

(2013年07月10日)

選択肢と回答割合

しまんろくせんにち 54%
しまろくせんじつ 30%
よんまんろくせんび 16%


百万言

答え
ひゃくまんげん
(正解率 74%)

非常にたくさんの言葉。「百万言費やしても言い尽くせない」など主に否定的に使われる。今回の参院選からインターネットでの選挙運動が解禁されたが、ネットで百万言費やされるテーマが実際の結果には結びつかない可能性が指摘されている。

(2013年07月11日)

選択肢と回答割合

ひゃくまんげん 74%
ひゃくまんごん 21%
ひゃくまんごと 5%


千秋万歳

答え
せんしゅうばんぜい
(正解率 49%)

「せんしゅうばんざい」ともいう。「千秋」は千年、「万歳」は万年を意味し、永遠への願い、あるいは長寿を祝う言葉として用いられる。また「せんじゅまんざい」「せんずまんざい」と読むと中世に盛んになった正月を祝う芸能を指す。なお今のように「ばんざい」と叫ぶ風習は、明治の大日本帝国憲法発布時に始まったとされる。

(2013年07月12日)

選択肢と回答割合

せんしゅうまんさい 50%
せんしゅうばんぜい 49%
ちあきばんざい 1%


◇結果とテーマの解説

(2013年07月21日)

この週のテーマは「百・千・万」。数字というより、量の多さやスケールの大きさの表現です。

「百尺竿頭」は、掲載日の7月8日に毎日新聞の「週刊漢字・読めますか?」が200回に達したことにちなみ、まだまだ一歩一歩続けるという決意をこめたものです。その日、通常の社会面の連載に加え、200回記念の特集をつくったのですが、その後、放送評論家の松尾羊一さんが本紙夕刊のコラム「長屋のご隠居 てれび指南帳」で「月曜日の朝刊を楽しみにしてる。4コマ漫画や新聞小説より今はこの欄が楽しみだ」と過分なお言葉を寄せてくださり、担当としては勇気百倍です。

「万機」は「五箇条の御誓文」の「万機公論に決すべし」を学校で習うためかどうか分かりませんが、今回最も正解率が高くなりました。なお、前記の特集でも引用した「漢字ときあかし辞典」(円満字二郎著、研究社)によると、「数そのものを指す場合は必ずマンと読まれるが、“多い”“すべての”を意味する場合には、バンが用いられることが多い」そうです。

というわけで「四万六千日」の「万」は数そのものだから「まん」。ただし、この語の読みにくさは「万」ではなく「四」にあります。「4万6000」はどうしたって「よんまんろくせん」と読んでしまいますよねえ。でも「二十四の瞳」「二十四節気」の四は「し」と読むように、伝統的には「し」と読むものが少なくありません。四を「よん」と読むのは訓読みで、「よつ」が変化したものだそうです。

「百万言」は「げん」か「ごん」かがポイント。「漢字ときあかし辞典」によれば「音読みはゲンを使う方がやや一般的。特に熟語の最初に置かれた場合には、『言語道断』を除けば、日常的にはゴンと読むことはない」。なるほど、言下、言外、言質、言動などすべて「げん」ですね。あ、「言上」は「ごんじょう」か。でも日常語ではありませんね。

今回最も正解率が低かったのは「千秋万歳」。この言葉にはいろんな読みがあり、正解の「せんしゅうばんぜい」の他にも「せんしゅうばんざい」「せんしゅうまんざい」「せんしゅうはんぜい」「せんしゅうはんせい」が日本国語大辞典(日国、小学館)の用例などにみえます。ただ「せんしゅうまんさい」は見つからなかったので誤りの選択肢としました。

なお、石井研堂「明治事物起原」(ちくま学芸文庫)によると「近年万歳を高唱することは、明治二十二年二月十一日に始まる。この日帝国憲法発布の盛典あり(中略)時に大学生(中略)『万歳』を歓呼せしに始まる」となっています。しかし「日国」の「ばんぜい【万歳】」の項には「曽我物語」(南北朝ごろ)の例として「呉のつは者三十万騎、かち時をつくりて、ばんぜいのよろこびをぞとなへける」という文が挙げられています。つまり、昔は「ばんぜい」だったのが旧憲法発布を機に「ばんざい」に変わったということでしょうか。

ともあれ、きょうの参院選開票報道では当選者陣営の万歳風景が繰り返されることでしょう。ただ、万歳という行為が旧憲法や天皇と切っても切れぬ関係にあったということは、いずれ改憲論議に加わるかもしれない新議員の皆さんも頭の隅においてほしいと思います。
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