読めますか? テーマは〈富士山〉です。

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富岳

答え
ふがく
(正解率 93%)

富岳は富士山を指す。「富士には月見草がよく似合う」という一節があまりにも有名なのが太宰治中期の短編「富嶽百景」。「嶽」は「岳」の旧字体だが、「富岳百景」と表記する本は少ない。固有名詞では別字のように使い分けられている。山梨県にある天然記念物の洞穴は「富岳風穴(ふうけつ)」。

(2013年05月20日)

選択肢と回答割合

とみだけ 4%
ふうがく 3%
ふがく 93%


富士額

答え
ふじびたい
(正解率 83%)

額の髪の生え際が富士山のような形になっていること。美女の条件の一つとされたという。過去形だが今は? 藤原紀香さん、成海璃子さんらが富士額といわれる。

(2013年05月21日)

選択肢と回答割合

ふじがく 9%
ふじぬか 7%
ふじびたい 83%


御来迎

答え
ごらいごう
(正解率 27%)

高山で太陽を背にして立つと霧に自分の影が光の輪を伴って大きく映る現象。ブロッケン現象ともいう。高山で朝日を拝む「ご来光」と同じ意味とする辞書もある。富士山登山者はご来光が目当ての人が多い。

(2013年05月22日)

選択肢と回答割合

ごらいげい 7%
ごらいこう 66%
ごらいごう 27%


愛鷹山

答え
あしたかやま
(正解率 65%)

静岡県にある富士山南東の火山。一説に、縁起のいい初夢を表す「一富士二鷹三なすび」の鷹とは愛鷹山のことという。昔は「足高山」の表記もあったようで、同県沼津市の地区名「足高」に今も残る。

(2013年05月23日)

選択肢と回答割合

あいたかやま 17%
あしたかやま 65%
えだかやま 18%


精進湖

答え
しょうじこ
(正解率 60%)

山梨県にある富士五湖の一つ。湖面に映る「逆さ富士」で有名。元は仏教語の「精進」の読みは「しょうじん」だが、この湖は「ん」を読まない。地名由来説の一つに「しょう(背負う)地」からきたというものがあるそうだ。それで「ん」を読まないのかもしれないが、異説もあり本当のところは不明。

(2013年05月24日)

選択肢と回答割合

しょうじこ 60%
しょうじんこ 38%
せいしんこ 3%


◇結果とテーマの解説

(2013年06月02日)

この週は「富士山」がテーマでした。もちろん、世界文化遺産への登録がほぼ確実になったとのニュースを受けたものです。

「富岳」は実は、2009年に「富嶽」として出題したものとほぼ同じです。ただそのときトラブルのため正解率のデータが得られなかったので、字体を変えて出題し直しました。

「岳」「嶽」は元々同じ字なのに別の字のように扱われていますが、「富」「冨」の字体差は微妙な位置です。ワ冠の冨は富の異体字(俗字)の関係にあり、別の字ではありません。毎日新聞では原則として異体字は使わないようにはしていますが、「冨」については固有名詞限定である程度認められています。とはいえ、原則はあくまで常用漢字の字体である「富」なのですが、使い分けなければ間違いだと誤解する向きがあります。以前、ある人名で「富」は「冨」の誤りでしたという訂正記事が毎日新聞に載った時には絶句しました。誤字ではないのですから訂正を出すことはなかったはずです。

「御来迎」が最も低い27%でした。「ごらいこう」が「ごらいごう」の倍以上という数字からは、「ご来光」との紛らわしさが意味だけでなく読みにも及んでいるということが見て取れます。解説では「高山で朝日を拝む『ご来光』と同じ意味とする辞書もある」と控えめに記しましたが、「……辞書がほとんど」といってもいいほど、「御来迎」の意味として「御来光」を併記する辞書は多いのです。しかし、意味の混用はあっても、読みについては「御来迎=ごらいごう」が正しいと思って出題したのですが、実は「『ごらいこう』とも」となっている日本国語大辞典などの記述を見落としてしまいました。ただし「言泉」が「古くは『ごらいこう』」とするように、現代では「ごらいごう」と読むのが適切と思われます。漢和辞典でも「迎」の音読みは「ゲイ」「ゴウ」となっていて「コウ」はありません。

次に「精進湖」。なぜ「しょうじん」でないのか説明した資料がみつからなかったため、山梨県の富士河口湖町役場に電話で問い合わせました。生涯学習課の方が答えてくださいました。精進湖の名の由来は、参詣者がそこで精進潔斎したことという説のほかに、「しょう(背負う)地」からという説もある、と。なるほど、そこから「しょうじ」になったとすると「ん」を読まない理由が納得できますね。本当のところは分からないそうですが。

「愛鷹山」の解説では「一富士二鷹三なすび」の語源説に触れました。ナスの初物の値段を含め「駿河で高いものを並べた」という説がありますが、「岩波ことわざ辞典」(時田昌瑞著)によると、裏付ける絵画資料は見当たらず、「推論の域を出ていない」とします。やはり夢に見ると縁起のよいものを挙げたという説の方が有力のようです。

正解率の高かった「富士額」ですが、どういう形なのかはご存じでしょうか。国語辞典では「額の髪の生え際が富士山の形に似た」などの語釈になっているのですが、これは八の字ということなのか。妻にいわせれば「中心が逆さ富士の形の、マクドナルドのマークに似た形」だというのですが、その意味は辞書では見当たりません。ネットで検索すると、単におでこを広く見せている女性を富士額といっているものが多い気もします。一方、花嫁のかつらや歌舞伎女形の写真をみると、中心が逆さ富士の形。こちらが正しい富士額だとすると、ぜひ辞書の記述を改めるとともに、挿絵で一目瞭然にしてほしいと思いました。
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春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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