読めますか? テーマは〈鳥〉です。

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育雛

答え
いくすう
(正解率 66%)

卵からかえったひなを育てること。トキの子育ての記事などで出てくる。雛の字は「ひな」の訓が主に使われる。音読みの育雛は珍しい例だ。「スウ」は慣用読みとされ、他の音読みには「ス」「ジュ」があるが、これらもまず聞かない。

(2013年05月13日)

選択肢と回答割合

いくすい 24%
いくすう 66%
いくひい 10%


答え
みさご
(正解率 48%)

海岸や湖沼にすむタカの一種。英語でosprey(オスプレイ)。ミサゴは万葉集や方丈記にも登場する古来なじみ深い鳥だが、今の日本は米軍の輸送機としてのオスプレイが飛び交う。

(2013年05月14日)

選択肢と回答割合

あぎと 14%
かさご 39%
みさご 48%


鷹揚

答え
おうよう
(正解率 79%)

タカが悠々と飛ぶようにゆったりしたさま。「ようよう」とも読む。中国最古の詩集「詩経」から。ほぼ同じ意味の大様(おおよう)との混同で「おうよう」の読みが定着したらしい。 「現在のように『鷹揚』の表記だけになったのは、『詩経』という権威と字面の見ばえによるか」(講談社「暮らしのことば語源辞典」)

(2013年05月15日)

選択肢と回答割合

おうよう 79%
こうよう 9%
よくよう 13%


図南の翼

答え
となんのつばさ
(正解率 77%)

大志を抱いて大事業を計画すること。想像上の巨大な鳥、鵬(おおとり)が南の海へと飛び立つという「荘子」の逸話から。「図南鵬翼(ほうよく)」ともいう。

(2013年05月16日)

選択肢と回答割合

ずなんのつばさ 8%
となみのつばさ 15%
となんのつばさ 77%


鴻鵠の志

答え
こうこくのこころざし
(正解率 89%)

鴻鵠は、おおとりと白鳥の意で、大人物の比喩。「燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」という「史記」の成句で有名。ツバメやスズメのような小物には大人物の志はわからないということ。

(2013年05月17日)

選択肢と回答割合

おうこくのこころざし 6%
こうこくのこころざし 89%
こうこつのこころざし 5%


◇結果とテーマの解説

(2013年05月26日)

この週は愛鳥週間に合わせ「鳥」をテーマにしました。

最も正解率の低かったのは「鶚」。ふだん片仮名なので、というよりミサゴという鳥そのものをよく知らないという人が少なくないからかもしれません。ツイッターで指摘されましたが、他の選択肢「あぎと」「かさご」はそれぞれ顎(あご)、魚の一種を指しますので、それぞれどういうものか分かっていれば漢字を見たことがなくても正解できたはずです。なお「方丈記」では「鶚は荒磯に居る。すなはち、人を恐るるが故なり」とありますが、現代のミサゴ、すなわちオスプレイは逆に人を恐れさせています。

「育雛」はもっと難しいかと思っていました。ツイッターで、三国志に「伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)」という言葉があるからファンには簡単という声をいただきました。出題者も昔聞いたことがあったはずですが、うかつにも忘れていました。伏竜とは諸葛孔明、鳳雛は孔明と並び称された軍師を指します。「鳳は理想的な帝王が現れるときに出現するという鳥」と、出版されたばかりの円満字二郎「部首ときあかし辞典」(研究社)にあります。

鳳は訓で「おおとり」と読みますが、鵬も「おおとり」と読みます。その鵬の飛ぶ様子を表した成句が「図南の翼」。荘子では、背が幾千里、上昇すること9万里といい、中国らしい実に壮大なスケールです。「その姿はまさに南海にまきおこる台風そのもの」と記すのは藤堂明保「漢字の話」(朝日選書)。なお昭和の大横綱・大鵬のしこ名はこの話にちなんで付けられたそうです。

次に「鷹揚」。鷹は音読みでは普通、上杉鷹山などヨウが主流ですが、オウもあります。「鷹揚」の読みは逆に「おうよう」が普通ですが、「ようよう」でも間違いではありません。

今回最も正解率が高かったのは「鴻鵠の志」でした。「燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」の成句が知れ渡っていることの証しでしょう。ツイッターでも「この言葉好き」という反応がありました。練り上げた企画を没にされたときなどに使ってみたい(?)、かっこいい言葉ですからね。

ところで、大鵬(納谷幸喜さん)は死後国民栄誉賞が与えられましたが、同様に昭和の大スターである長嶋茂雄さんが今月、国民栄誉賞を得たのはご存じの通りです。この「嶋」の字、選手時代は「島」と表記されていました。嶋・島は「読み方も意味も同じ」(円満字二郎さんは「異体字」のことをこう書いています。専門用語を極力使わない方針なのでしょうか)。しかしなぜ嶋の字は山へんに「島」でなく「鳥」なのか、出題者は以前不思議でした。その答えも円満字さんと藤堂さんの著書に見いだせます。島は「本来は、鳥が羽を休めるものを指すという」(部首ときあかし辞典)。「島(トウ)―鳥(チョウ)もじつは同系語であった。島とは『山+鳥』からなる字であって、渡り鳥がしばしば休める海中の島、つまり尖閣列島(釣魚台)のようなトリの宿泊所に名付けた呼び名なのである」(漢字の話)

おや、尖閣が出てきました。1985年に亡くなった藤堂さんがなぜ尖閣を例に出したかわかりませんが、執筆当時から騒がれていたのでしょうか。もしかしたら鳥たちは国境など軽々越えていくのにという嘆きがこめられているのではというのは、うがちすぎでしょうか。
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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