読めますか? テーマは〈八重の桜〉です。
什の掟
答え
じゅうのおきて(正解率 79%)江戸時代、会津藩の藩士の子らは、10人前後のグループを形成。そこでたたき込まれる訓示が「弱い者をいじめてはなりませぬ」などの「什の掟」であり「ならぬことはならぬものです」で締めくくられた。什の字は10人1組の単位を表す。掟の数は10ではない。
(2013年04月22日)
選択肢と回答割合
じゅうのおきて | 79% |
じゅんのおきて | 4% |
とおのおきて | 16% |
壬生寺
答え
みぶでら(正解率 97%)京都市中京区。NHK「八重の桜」にも登場する新選組が滞在したことで有名。国の重要無形民俗文化財である無言劇「壬生狂言」が4月28日まである。なお、栃木県壬生町にある壬生寺は「みぶじ」と読む。
(2013年04月23日)
選択肢と回答割合
じんしょうじ | 1% |
じんせいじ | 3% |
みぶでら | 97% |
松平容保
答え
まつだいらかたもり(正解率 71%)最後の会津藩主。京都守護職となり、新選組などとともに江戸幕府のために尽力したが孤立し、会津戦争で敗れた。「容貌は、華奢(きゃしゃ)で端正である」「少年のにおいが濃い」と司馬遼太郎は記す(朝日文芸文庫「街道をゆく」)。NHK「八重の桜」では綾野剛が演じる。
(2013年04月24日)
選択肢と回答割合
まつだいらかたもり | 71% |
まつだいらたかやす | 17% |
まつだいらやすのり | 13% |
安中市
答え
あんなかし(正解率 78%)群馬県。NHK「八重の桜」の八重と結婚する新島襄は、安中藩士の子として生まれた。幼名「七五三太(しめた)」。祖父が男子誕生に「しめた」と言ったことからという。安中市には新島襄旧居がある。NHK「八重の桜」では新島襄をオダギリジョーが演じる。
(2013年04月25日)
選択肢と回答割合
あんちゅうし | 7% |
あんなかし | 78% |
やすなかし | 15% |
娘子隊
答え
じょうしたい(正解率 53%)「娘子軍」は中国・唐の女性だけの軍隊。転じて、女性の集団をもいう。NHK「八重の桜」では黒木メイサ演じる中野竹子が娘子隊を組織し、会津を守るべく奮戦する。主人公の八重とはライバルの関係という。なお娘子軍は慣用読みで「ろうしぐん」ともいう。
(2013年04月26日)
選択肢と回答割合
じょうしたい | 53% |
にゃんこたい | 12% |
りょうしたい | 35% |
◇結果とテーマの解説
(2013年05月05日)
この週のテーマは「八重の桜」。NHK大河ドラマではもうすぐ前半のクライマックスである会津戦争に向かうそうです(しかし後半のクライマックスって何になるんだろう?)。
今回最も難しかったのは「娘子隊」で、正解率53%でした。娘の音読みなんてまずしませんから、半分以上読めたのは、もしかしたら3択の選択肢のせいかもしれません。特に「にゃんこたい」なんてありえないでしょ。と思ったら12%もの支持率。ふざけた選択肢と思いつつ選ぶ人が思いのほか多かったのでしょうか。ただし全くのおふざけで「にゃんこ」を設定したわけではありません。中国語を学ぶ人などにとっては自明でしょうが、娘の字はニャンと読むからです。
「松平容保」。幕末には難読人名が少なくありませんが、間違いの選択肢の設定には注意しなければなりません。下手をしたら正解が複数になるからです。徳川慶喜は一般的に「よしのぶ」ですが「けいき」とも言われていたし、佐久間象山は「しょうざん」の読みが多く聞かれますが、彼の業績を顕彰する長野市の「象山記念館」は「ぞうざん」です。
「かたもり」については異説を見つけることができなかったのですが、なるべくありそうにない間違いを仕込みました。71%というのは難読人名の割によく読めていると思います。これは消去法の結果なのか、元々知られている名前だからか、それとも大河ドラマ効果なのか、分かりかねます。
「安中市」は長野新幹線「安中榛名駅」がありますが、乗降客も少なく「秘境駅」といわれたこともあるそうです。新幹線なのに……。ちなみに当サイトと連動したフェイスブックでは同市の「碓氷峠」の写真を掲げました。「碓井」とよく間違えるので要注意の地名です。
「什の掟」。什は什器(日常使う器具)という言葉で使うし、仮に知らないとしても「十」のつくりから類推はしやすいと思います。
なお、出題者は解説で初め「ならぬことはならぬものです」を「ならぬものはならぬものです」と書いてしまいました。「八重の桜」の第1回サブタイトルも「ならぬことはならぬ」で、繰り返し流れたフレーズなのに、完全に「こと」と「もの」の取り違いをしていました。社内の指摘で直り、表には出ませんでしたが、改めて思い込みの怖さと確認の重要性を思い知らされた次第です。
「壬生寺」は簡単でした。きっと新選組人気の影響でしょう。幕府方では新選組人気が際立っていて、他の佐幕派はそれほど顧みられない傾向があります。白虎を「しろとら」と読んだ人もいました。「八重の桜」が白虎隊にどれだけスポットを当てるかわかりませんが、白虎隊や娘子隊の悲劇を含め、敗者の歴史を通して漢字も学びたいと思います。