読めますか? テーマは〈仏教〉です。

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灌仏会

答え
かんぶつえ
(正解率 86%)

釈迦(しゃか)誕生日を祝し、寺で釈迦像の上から参詣人が甘茶を注ぐ行事。仏生会、花祭りともいう。なお、物を作り損なうことを「おしゃか」というのは、一説に釈迦の誕生日4月8日に掛けて「しがつようて(火が強くて。「ひ」の発音が苦手な江戸っ子の言い方か)」金物作りに失敗したからといわれる。

(2013年04月08日)

選択肢と回答割合

かんぶつえ 86%
がんぶつえ 13%
けんぶつえ 2%


釈迦牟尼

答え
しゃかむに
(正解率 94%)

牟尼は賢者・聖者を意味し、特に釈迦(しゃか)の尊称として用いる。なお、釈迦牟尼または釈迦如来と書いて「にぐろめ」と読む姓があるという。にぐろめ(煮黒め)は銅の合金のこと。仏像鋳造の家だったと思われる。

(2013年04月09日)

選択肢と回答割合

しゃかむあま 2%
しゃかむに 94%
しゃかむひ 4%


梵唄

答え
ぼんばい
(正解率 64%)

法会などで唱えられる声楽の一つ。独特の節回しがあり、調子が変わるところで楽譜に印を付けた。それが「図」であり、そこから転調がうまくいくことを「図に乗る」といった。現在は「いい気になる」といった悪いニュアンスで用いられる。

(2013年04月10日)

選択肢と回答割合

ぼんうた 14%
ぼんじゅ 23%
ぼんばい 64%


再建勧進

答え
さいこんかんじん
(正解率 60%)

仏教関係では建は主にコンと読む。勧進とは寺の建立や修復などのため寄付を募ることで、元は布教活動を表した。「勧進帳」は歌舞伎の人気演目で、東大寺再建のため勧進をする山伏を装った弁慶が主人公。新装歌舞伎座こけら落とし公演の一つである。

(2013年04月11日)

選択肢と回答割合

さいけんかんしん 7%
さいけんかんじん 33%
さいこんかんじん 60%


生老病死

答え
しょうろうびょうし
(正解率 59%)

生まれること、老いること、病むこと、死ぬこと。人が逃れられない四つの苦しみである。元は仏教語の「四苦八苦」の四苦だ。以前「生病老死」という誤表記が毎日新聞に出て訂正になったことがある。校閲にとって苦の見逃しだ。

(2013年04月12日)

選択肢と回答割合

いきおいやみしす 4%
しょうろうびょうし 59%
せいろうびょうし 38%


◇結果とテーマの解説

(2013年04月21日)

この週は「仏教」がテーマでした。

釈迦(しゃか)が誕生した日ははっきりしませんが、旧暦の4月8日とされています。しかし今では新暦の4月8日に「花祭り」として祝うところが多いようです。日本ではいろいろな花が咲き始め、学校も新学期になる時期ですから、この方が好まれるのでしょう。

漢字クイズでは以前もこの時期に合わせて仏教をテーマにしました。仏教関連語は数限りなくあります。しかしその中で今も生きる言葉を選ぶのは、それなりに四苦八苦します。

今回最も正解率が低くなったのは「生老病死」でした。四苦八苦の四苦にあたる言葉ですが、「生老病死」は載せていない辞書もあります。また「空見出し」にして「四苦」を引くよう誘導する辞書もあります。これらは「生苦・老苦・病苦・死苦」が四苦であり「生老病死」という言葉は元々ないという考えに基づくのでしょう。

しかし、たとえ元からある言葉ではないとしても、今の日本では本の題名などによく使われています。毎日新聞でもこの言葉をタイトルに入れた連載記事がありました。その連載ではありませんが、「生病老死」という順序が違う言葉を見出し、記事ともに使って「訂正」になったことがあります。ですから校閲としては、この言葉が出てくるたびに「えーと、どっちだっけ」と辞書を調べることが多いので、載っていないと実際困ります。

同様に「再建勧進」も、この4字のまとまりとしては辞書にはないでしょう。お寺関係では「再建」を「さいこん」と読むということが出題の眼目。仏教がらみということを明示するため「勧進」を加え、さらに解説で歌舞伎の「勧進帳」に触れるという、けっこう欲張った問題でした。

次に難しかったのは「梵唄」。東大寺のホームページで見つけた言葉です。一般的な言葉ではないのですが、思ったほど悪い数字ではありませんでした。唄は常用漢字になりましたが、読みは「うた」だけであり音読みは認められませんでした。ただし北海道に「美唄(びばい)市」もあるし、音読みは全く使われないというわけではありません。

「灌仏会」「釈迦牟尼」は簡単だったようです。ちなみに「そそぐ」はふつう「注ぐ」と書きますが、「灌ぐ」とも書きます。仏様に甘茶を灌ぐから「灌仏会」なのです。

灌仏会の解説で「おしゃかになる」の語源説を紹介しました。4月8日にかけて「し(火)がつようて」金物づくりに失敗したとのこと。堀井令以知「ことばの由来」(岩波新書)では、別の説として「地蔵や阿弥陀を造るつもりが、誤って釈迦を鋳てしまったこと」なども紹介したうえで「ほかに具体的な事実が見つからないので、四月八日をもじったしゃれ説の方が有力」とします。これに対し金田一春彦「ことばの歳時記」(新潮文庫)は「どうも話がうますぎるようだ」と疑問を示しています。出題者も、一般的に面白い語源説は眉に唾をつけた方がいいとされるので、怪しいと思っています。これは一介の素人の漠然とした新説(?)ですが、死ぬことを「お陀仏(だぶつ)」ということの連想で、駄目になることを「お釈迦」といったと考える方が素直ではないでしょうか。

それにしても語源は「お釈迦様でもご存じない」ものが多いですね。だから面白いとも言えますが……。
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