読めますか? テーマは〈寒の字が入る地名〉です。
別寒辺牛
答え
べかんべうし(正解率 41%)北海道南東部の厚岸(あっけし)町にある地名。オオハクチョウの飛来地、またタンチョウの繁殖地として知られる別寒辺牛湿原は、厚岸湖と共に93年、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録された。
(2013年01月15日)
選択肢と回答割合
べさべこ | 30% |
べかんべうし | 41% |
べっさむべし | 29% |
寒河江
答え
さがえ(正解率 64%)山形県のほぼ中央にある市名。サクランボで有名で、同市のキャラクター「チェリン」もサクランボの妖精をイメージしている。滋賀県彦根市の「ひこにゃん」に「今年も遊ぼうね」と年賀状を出したという。ちなみにJR寒河江駅を通る左沢(あてらざわ)線も難読だ。
(2013年01月16日)
選択肢と回答割合
かがえ | 18% |
さがえ | 64% |
さむがえ | 18% |
寒井
答え
さぶい(正解率 48%)栃木県大田原市にある地名。那珂川沿いに位置しており、アユやウグイなど川魚で知られる。三島神社の境内には県指定天然記念物のイチョウがある。幹から乳房のようなものが垂れ下がり、授乳祈願の対象となったそうだ。
(2013年01月17日)
選択肢と回答割合
さぶい | 48% |
さみい | 15% |
さんがい | 37% |
和寒
答え
わっさむ(正解率 59%)北海道の内陸部で、冬の寒さが特に厳しい上川地方北部の町名。北海道にはアイヌ語由来の地名が多いが、和寒の場合は「ニレの木のそば」の意味だったという。比布町(ぴっぷちょう)との境に、三浦綾子の小説で有名な塩狩峠がある。
(2013年01月18日)
選択肢と回答割合
わさむ | 14% |
わっかん | 27% |
わっさむ | 59% |
◇結果とテーマの解説
(2013年01月27日)
この週は、二十四節気の「大寒」(1月20日)と近かったこともあり、「寒」の字を含んだ難読地名ということで出題しました。
結果的に東日本・北海道に偏ってしまったのですが、他にも岐阜県や大分県などの地名を出題候補に入れていました。つまり「寒」の字の付く地名は全国的にあるのです。なぜか「暑」の字にはそれほどの広がりがありません。
「別寒別牛」「和寒」は、どちらも北海道の地名です。しかし出題者が北海道出身で、道内の地名についてはそこそこ知識があるため、さじ加減には少々悩みました。両者を比較すると、別寒別牛が3割・4割・3割でほぼ3等分という結果になったのに対し、和寒の正解率は約6割。やはり、自治体の名前になっている方が、目にする頻度も高くなるものなのかもしれません。
ところで、毎日新聞の紙面上では別寒別牛の解説に「タンチョウヅルの繁殖地として知られる」と書いたのですが、読者の鳥類愛好家の方から、正式な和名は「タンチョウ」だというご指摘を頂きました。辞書の見出し語で「タンチョウ」となっていることは承知していましたが、説明部分で「丹頂づる」と付記されており、「タンチョウ」だけより分かりやすいかなと思って、紙面ではあえて「タンチョウヅル」としました。微妙な判断が要求されましたが、結果的には「タンチョウ」と正式に書く方が無難だったといわざるを得ません。ネット用の解説は初めから「タンチョウ」としました。なお「丹鳥」と書くと「ホタルの異名」という意味だそうです。
「寒井」は、高くもなく低くもなく、といったところでしょうか。誤択の回答率の割れ方を見ると、「ひねった読み方のはずだと思いきや、実はそれほどでもなかった」という感じで間違われた方が多かったのかもしれません。ちなみに、かつて外相を務めた故・渡辺美智雄氏は現在の栃木県大田原市の出身で、寒井小学校を卒業されたとのことです。
今回、最も正解率が高かったのは「寒河江」でした。解説で触れた市のイメージキャラクターの「チェリン」は、「ゆるキャラグランプリ2012」で880キャラ中111位と健闘しています(蛇足ながら「ゆるキャラ」は商標登録されています)。今後、さらに上位を目指して、寒河江市ともども一層の知名度アップを期待したいですね。
では、寒さに負けず頑張りましょう。