読めますか? テーマは〈文献〉です。

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繙く

答え
ひもとく
(正解率 87%)

巻物のひもを解くことから、書物を開くこと。語源からいうと「ひも解く」の表記も間違いではないが、毎日新聞では「ひもとく」と仮名書きにしている。別の意味では、衣の下ひもを解くことから「男女が共寝すること」。最近では「謎をひもとく」など「解明する」意の用法が生まれているが、これは誤用ではないか。

(2012年11月05日)

選択肢と回答割合

ひもとく 87%
ひらく 3%
まく 10%


浄瑠璃正本

答え
じょうるりしょうほん
(正解率 68%)

浄瑠璃の節付けをした版本。「正本」には「せいほん」の読みもあるが、浄瑠璃に関しては「しょうほん」と読む。江戸時代の浄瑠璃正本など演劇・映画関係の貴重な資料を保存・公開する松竹大谷図書館は資金難のため一般から資金を募った。

(2012年11月06日)

選択肢と回答割合

じょうるりしょうほん 68%
じょうるりせいほん 28%
じょうるりまさもと 4%


古文書

答え
こもんじょ
(正解率 81%)

古い時代の文献のこと。主に歴史的な資料を指し、物語や日記は含まれない。「文(もん)」は奈良時代以前の漢字の読み。11月12日まで奈良市で開催中の正倉院展では奈良時代の古文書などが見られる。

(2012年11月07日)

選択肢と回答割合

こぶんしょ 5%
こもんしょ 14%
こもんじょ 81%


眼光紙背に徹する

答え
がんこうしはいにてっする
(正解率 91%)

紙の裏まで見通すように、隠された意味まで深く読み取ること。なお古文書で裏側まで使われたものを紙背文書(または裏文書)という。昔は紙が貴重だったからリサイクルした。今でいうと裏紙コピーか。

(2012年11月08日)

選択肢と回答割合

がんこうしせにてっする 7%
がんこうしはいにてっする 91%
がんこうしはいにとおする 2%


素読

答え
そどく
(正解率 56%)

文章の意味は考えずに音読すること。昔は「論語」を子供に音読させていた。今その効用が見直され、テレビでも論語を唱える番組が出てきている。なお業界用語の「素(す)読み」は原稿との照合なしで校正刷りを読むこと。

(2012年11月09日)

選択肢と回答割合

すどく 42%
そどく 56%
もとどく 3%


◇結果とテーマの解説

(2012年11月18日)

この週は「文献」がテーマでした。

文献という言葉は既に論語に見えます。何気なく使う言葉の出典が論語ということは珍しくありません。「温故知新」とか「後生畏るべし」とか。古典中の古典ですからね。

昔は寺子屋や小学校などで論語を声を出して覚えさせることが行われていたようです。意味はわからなくていいからとにかく音読する。これが「素読」ですが、漢字の読みの正解率は今回最も低くなりました。

ところで校正・校閲関係者にとっては「すよみ」という言葉の方がおなじみでしょう。昔は手書き原稿とゲラを読み合わせなどで照合して原稿通りに直すのが仕事の大きなウエートを占めていたのですが、ワープロ普及とともに手書き原稿はめっきり少なくなり、筆者自ら入力した原稿を「素読み」する仕事が中心になりました。しかし目だけで文字を追っていくとついつい字面だけ見て内容を把握していないことがあります。そんなときは小さい声で音読すると頭に入るような気がします。「声に出して読む日本語」ではありませんが、視覚だけでは得られない効果が音読にはあるのでしょう。

次に低かったのは「浄瑠璃正本」。「せいほん」と読んでしまいそうですが、正解の「しょう」が数字の上では圧倒しました。

それより高い数字ですが、少し意外だったのは「古文書」の正解率81%。濁点の有無に過ぎないとはいえ「こもんしょ」を選ぶ人が思いの外、多かったのです。最近「古文書」にルビをふった原稿を見て「こんなのにルビはいらないよねえ」と相談して取ったことがあるのですが、その判断に疑問を突きつける結果のように感じてしまいます。

次に「繙く」。これは漢字の読みというより、意味に注目した語。「謎をひもとく」など単に「解く」意味で使われるのは誤用ではないかという問題提起でした。今のところ特に反応はないようですが……。

今回最も正解率が高かったのが「眼光紙背に徹する」。校閲としてはこのような眼光で間違いがおのずから浮かび上がるのが理想ですが、何年やっていてもその境地に達することができません。「校正畏るべし」を肝に銘じているつもりでも見逃しを繰り返し、三省の毎日。そういえば「三省」も論語の言葉なのですね。論語おそるべし。
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

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