読めますか? テーマは〈国字の固有名詞〉です。

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椙山

答え
すぎやま
(正解率 72%)

椙は日本製の漢字(国字)で「杉」と同じ意味。昌の字には「盛ん」という意味あいがあり、木偏をつけてすくすく伸びる意を持たせたのだろう。椙山は「椙山女学園大学」(名古屋市)、作曲家すぎやまこういち氏の本名「椙山浩一」など固有名詞に使われる。

(2012年09月24日)

選択肢と回答割合

しょうざん 13%
すぎやま 72%
まさきやま 16%


八潮市垳

答え
がけ
(正解率 27%)

埼玉県八潮市の地名。垳は日本製の漢字(国字)で、全国唯一の地名という。八潮市の区画整理で「垳」を「青葉」に変更する方向になっていたが、地元住民が見直しを求める請願書を市議会に出し、採択された。市長は2013年3月までに判断するという。

(2012年09月25日)

選択肢と回答割合

あくつ 56%
がけ 27%
けた 16%


磐田市匂坂

答え
さぎさか
(正解率 36%)

静岡県磐田市の地名で、人名にも用いられる。匂は日本製の漢字(国字)。地名は昔「勾坂」「向坂」の表記もあったという。ちなみに「勾」も「匂」も2010年に常用漢字になった。

(2012年09月26日)

選択肢と回答割合

おおさか 37%
さぎさか 36%
におざか 26%


答え
くぬぎ
(正解率 44%)

ドングリを落とすことでも有名な落葉樹。漢字では主に「櫟」と書くが、日本製の漢字(国字)「椚」も人名や地名でよく使われる。学研「漢和大字典」によると、クヌギは昔「くのき」ともいい、門が家の内と外を区別することから「区の木」に当て「木+門」の字が使われたという。

(2012年09月27日)

選択肢と回答割合

かんぬき 33%
きど 23%
くぬぎ 44%


金鯱城

答え
きんこじょう
(正解率 69%)

名古屋城の別名。「金城(きんじょう)」という別名もある。名古屋城のシンボルは金の鯱(しゃちほこ)。鯱は日本製の漢字(国字)なので音読みは漢和辞典にないはずだが、「こ」というそれらしい読みにしている。河村たかし名古屋市長は旧名古屋城の金のしゃちほこに使われていた金を使って新たな金シャチを作る構想を打ち出している。

(2012年09月28日)

選択肢と回答割合

かねしゃちじょう 9%
きんこじょう 69%
こんしゃちじょう 22%


◇結果とテーマの解説

(2012年10月07日)

この週のテーマは「国字の固有名詞」。

by masahiko

国字には定義が複数あり、「国語を表記するのに最も一般的だと認められている文字。日本では漢字とかな」(新明解国語辞典)という意味もありますが、ここでは「日本で作られた漢字。例、『峠』『畑』など」(同)のことです。わかりにくいので、各語の解説では「日本製の漢字(国字)」としております。

このテーマになったきっかけは、埼玉県八潮市の「垳」という地名が区画整理で「青葉」に変えられる方針に住民が反対しているというニュースでした。漢和辞典を開くと「国字」とあります。そこで地名や人名などに使われる国字はどんなものがあるのか、この機会に調べてみようと思ったのです。

正解率はその「垳」が最も低くなりました。正解の2倍以上の回答を得た「あくつ」は漢字で「圷」と書き、これも国字です。低い土地を表すそうで、茨城県にかつて「圷村」が存在しました。

「垳」に加え「匂坂」「椚」が50%以下。「匂坂」は同僚にもその名前の人がいます。なぜ「匂」が「さぎ」になるのか。調べても正解らしいのが見つからないので、考えてみました。かつて「勾坂」「向坂」という表記もあったということがヒント。向は「先」に通じ、勾は勾配の勾ですので、「先の坂」の意味で「向坂(さきさか)」といわれていた地名が、音読みでは同じ「勾坂」の字へと変わり、さらに酷似した字の「匂坂」に変化していったのでは? 根拠がない推理に過ぎませんが、いかがでしょう。

椚は埼玉県春日部市、福井県あわら市などの地名になっています。クヌギはさまざまな漢字が当てられていて、「櫟」「功刀」など割合知られた字のほかにパソコンの変換には「歴木」なんていうのも出てきて、それが福岡県大牟田市の地名という新たな発見をしました。ただしその変換辞書には「樟」はありません。隣の職場には「樟山(くぬぎやま)」という人がいるのですが……。

「金鯱城」では「しゃち」に引っかかる人は少数でした。戦前のプロ野球球団「名古屋金鯱軍」や、競馬の「金鯱賞」がそれほど有名とは思われませんので、「きんこ」の音読み同士が一番ありそうだという推測が働いたのかもしれません。解説で「鯱は日本製の漢字(国字)なので音読みは漢和辞典にないはず」と書きましたが、国字すべてがそうとは限りません。「働」は国字ですが、「ドウ」という音読みは当たり前のように用いられ、常用漢字表にも掲げられています。

「椙山」は名古屋市の学校として知られています。なお地方版で「『椙山女子大』とあるのは『椙山女学園大』の誤りでした」という「おわび・訂正」が載ったことがあります。ううむ、「椙山」の字で間違えなくてもこんなところに落とし穴が。気をつけなければ。

この例とは違いますが、どう読むか分からない字を苦労して入力する際、よく似た別の字を選んでしまう間違いは後を絶ちません。ちなみに今書いているパソコンでは「椙山」「垳」「匂坂」「椚」は素直に変換してくれます。やはり読みを正確に覚えておくに越したことはありませんね。

春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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