読めますか? テーマは〈暦〉です。

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宣明暦

答え
せんみょうれき
(正解率 54%)

中国や日本で使われた暦。中国では71年間しか施行されなかったが、日本では9世紀の渡来以来800年以上も使用された。江戸時代に至って、映画化された「天地明察」の主人公、渋川春海が作った暦によって改暦された。

(2012年09月10日)

選択肢と回答割合

せんみょうれき 54%
せんみんれき 17%
せんめいれき 29%


七十二候

答え
しちじゅうにこう
(正解率 68%)

1年を72に分けたもの。二十四節気をさらに3分割した。中国由来で、江戸時代の渋川春海らによって日本風にアレンジされている。二十四節気ほど有名ではないが、今年も「日本の七十二候を楽しむ」(白井明大著)という本が出て版を重ねるなど、廃れる気配はない。

(2012年09月11日)

選択肢と回答割合

しちじゅうにこう 68%
ななじゅうにこう 23%
ひちじゅうにこう 9%


鶺鴒

答え
せきれい
(正解率 86%)

背は灰色で腹が白い小鳥。尾を上下に振るのが特徴。七十二候では2012年9月12~16日に「鶺鴒鳴く」という。日本書紀で、イザナギとイザナミは鶺鴒(古語で「にわくなぶり」)を見て男女の交わりの仕方を学んだという。

(2012年09月12日)

選択肢と回答割合

かわせみ 5%
せいれい 9%
せきれい 86%


頒暦

答え
はんれき
(正解率 75%)

暦を配ること。また、その暦を指す。江戸時代の渋川春海らによる改暦は、それまで伊勢神宮など各地で頒布されていた暦を江戸幕府が独占して販売することで多大な利益を上げるという、財政的な狙いもあったという。

(2012年09月13日)

選択肢と回答割合

はんれき 75%
ふんれき 11%
ぶんれき 14%


冲方丁

答え
うぶかたとう
(正解率 68%)

15日から映画が公開される「天地明察」の原作者。ペンネームは暦に由来するという。生まれの1977年が丁巳の年だが、「丁」は火がはぜること、これに対し「冲」は氷が割れる意という。「方」は職業。情熱と冷静を職業に、ということだそうだ。しかし冲の読み「うぶ」は漢和辞典に見当たらない。「幼い」という意味もあるのでその連想だろうか。

(2012年09月14日)

選択肢と回答割合

うぶかたとう 68%
おきかたちょう 17%
なかがたてい 15%


◇結果とテーマの解説

(2012年09月23日)

by houroumono

この週は「暦」がテーマでした。2010年本屋大賞の小説「天地明察」の映画化を意識したものです。この映画は毎日新聞社が出資していますが、だから選んだわけではなく、純粋に原作小説が出題者に刺激を与えてくれたからです。

ところで2012年の本屋大賞は三浦しをんさんの「舟を編む」。これと「天地明察」は舞台も題材も全く異なりますが、出題者の琴線に触れる共通する要素があります。「舟を編む」も映画化されて「天地明察」と同じく宮崎あおいさんがヒロインですが、強調したいのはそこではなく、ともに遠大なプロジェクトを描き、それに携わったベテランが亡くなる点が似ています。しかし、それは志半ばの不幸な死ではなく、自分の夢を確実に引き継いでくれる後輩がいることを見届けての、むしろ幸福な死です。「天地明察」の改暦も、「舟を編む」の辞書編集も、10年以上にも及ぶ大プロジェクトであり、決して主人公一人の力によるものではありません。それを一番わきまえているのが主人公たちであり、先輩や仲間への敬意を最大限に示すことが、さわやかな感動を呼ぶのです。

さて問題の正解率です。今回最も低かったのは「宣明暦」。高校の日本史では出てくる語ですが、学ばなかったり忘れていたりするとあてずっぽうになると思います。ただ、3択としては「せんみょう」が一番ありそうだという推測をした人も多いのではないでしょうか。

次に「七十二候」と「冲方丁」が同率。後者は「天地明察」の作者。難読作家名の代表で、某出版社の入社試験にも出たそうです。これは知らなければ3択でも難しいでしょう。その難読字と「七十二候」が同じ数字というのは意外ですね。

72を「ななじゅうに」を読んでしまうのは、「しち」が発音しにくいことなどが理由と思われますが、「十」「二」が音読みなので「なな」だけ訓というのは本来おかしいのです。ましてや七十二候は中国から来た言葉。「ななじゅうにこう」という読みを認めている辞書は見いだせません。かくいう出題者も「日本の七十二候を楽しむ」という本の広告を目にしたとき「ななじゅうにこう」と頭の中で読んでしまったので、偉そうなことはいえませんが。そういえば以前、二十四節気を「にじゅうよんせっき」と読んで後輩にふっと失笑されたなあ。

「頒暦」。「頒」は常用漢字であり「頒布」の頒だと分かれば正解できるはずですが、その「頒布」も日常語とはいえないので多少難読のきらいがあるようです。

常用漢字ではなく片仮名で書かれることの多い「鶺鴒」が今回最も高い正解率となりました。おそらく、うろ覚えでも「脊」「令」の字形から推測が容易だったのではないでしょうか。それが「頒布」との差に表れたのでしょう。

さて、早くも2013年の暦が書店に並ぶようになりました。「冲方丁氏推薦!」という帯をまとった「暦ものがたり」(岡田芳朗著、角川ソフィア文庫)によると「とにかく日本人は暦の好きな国民である」。その説に恥じない、正確な読みと知識を身につけたいものです。

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