読めますか? テーマは〈岩手〉です。

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島越駅

答え
しまのこしえき
(正解率 54%)

岩手県田野畑村にある三陸鉄道の駅。東日本大震災による津波で駅舎は流されたが、宮沢賢治の詩「発動機船」を刻んだ碑は残った。賢治は明治三陸大津波の2カ月半後の1896年8月27日に生まれ、昭和三陸津波のあった1933年に没した。今回の震災を機に賢治が改めて見直されている。

(2012年08月27日)

選択肢と回答割合

しまこええき 7%
しまごしえき 39%
しまのこしえき 54%


鹿踊り

答え
ししおどり
(正解率 74%)

岩手などの郷土芸能。鹿の頭をかぶって踊る。宮沢賢治には「鹿踊りのはじまり」という童話がある。鹿は猪(いのしし)とともに「しし」と呼ばれた。また「獅子踊」という表記もあり、柳田国男「遠野物語」には「獅子踊というは鹿の舞なり」とある。

(2012年08月28日)

選択肢と回答割合

かのこおどり 17%
ししおどり 74%
ろくおどり 9%


岩手軽便鉄道

答え
いわてけいべんてつどう
(正解率 31%)

岩手県の花巻と遠野方面を結んでいた軽便鉄道(レールの幅が狭く小型車両を使った鉄道)。現在のJR釜石線に当たる路線を走っていた。宮沢賢治の詩の題名に使われ、「銀河鉄道の夜」のモデルともいわれる。

(2012年08月29日)

選択肢と回答割合

いわてかるべてつどう 24%
いわてけいびんてつどう 45%
いわてけいべんてつどう 31%


早池峰山

答え
はやちねさん
(正解率 73%)

岩手県中央の山。宮沢賢治には「早池峰山巓(さんてん)」などの詩がある。今年没後50年の民俗学者、柳田国男の「遠野物語」では「四方の山々の中に最も秀でた」と紹介される。また早池峰神社に伝わる「早池峰神楽」はユネスコの無形文化遺産に登録されている。

(2012年08月30日)

選択肢と回答割合

さっちねさん 10%
さちみねさん 17%
はやちねさん 73%


不来方

答え
こずかた
(正解率 83%)

盛岡の古称。今年没後100年を迎えた石川啄木の短歌「不来方のお城の草に寝ころびて/空に吸はれし/十五の心」で有名。岩手公園にはその歌碑がある。「不来方のお城」とは盛岡城のこと。

(2012年08月31日)

選択肢と回答割合

かなた 3%
こずかた 83%
ふうらいぼう 15%


◇結果とテーマの解説

(2012年09月09日)

この週は「岩手」がテーマでした。

早池峰 / y_katsuuu

なぜ岩手かというと、宮沢賢治、石川啄木を生みだした文学の聖地であり、今年は啄木没後100年、8月27日は賢治の誕生日にあたることから。さらに今年8月は「遠野物語」の著者、柳田国男の没後50年にもあたります。賢治は生誕116年と切りのいい年ではありませんが、今年も「グスコーブドリの伝記」がアニメ映画化されるなど、賢治は記念の年いかんにかかわらず常に根強い人気を保ち続けています。

出題者は映画「グスコーブドリの伝記」は未見ですが、同じスタッフの「銀河鉄道の夜」は何度も見ています。その銀河鉄道のモデルとされているのが「岩手軽便鉄道」。実は出題者はしばらく「軽便」を「けいびん」と思い込んでいました。同じ間違いをする人がどれくらいいるのか興味津々でした。結果は正解の「けいべん」より多くの人が「けいびん」を選んだので、出題者だけが知らなかったわけではないことが分かったのですが、ほぼ冗談で設定した「かるべ」が24%もの回答を得たのは複雑な思いです。

念のため言い添えると「軽便」は地名ではなく一般語です。いまほとんど使われず死語に近いのですが、「軽便な」という語は文字通り「軽くて便利な」「ハンディーな」の意味で少なくとも昭和初期までは一般的に使われていたようです。

現在「軽便鉄道」という名称の鉄道はありませんが、当時のままのレール幅の狭軌鉄道は三重県四日市市の近鉄「八王子線」「内部(うつべ)線」などに現存します。しかし今年、残念ながら両線は廃線とする方針が発表されました。

――岩手と関係ない方向に筆が滑りました。「島越駅」は震災による不通が続く三陸鉄道北リアス線の駅。「グスコーブドリの伝記」に出る火山の名にちなんで「カルボナード」という愛称がついていました。

「鹿踊り」は岩手に限らず東北に一般的に見られる郷土芸能ですが、愛媛県宇和島地方にも「八つ鹿(しか)踊り」という似た踊りが伝承されています。伊達政宗の子が伝えたとか。

「早池峰山」の項では、宮沢賢治の詩の題「早池峰山巓(さんてん)」を初め「早池峰山嶺(さんれい)」と間違えて書いてしまいました。同僚の指摘で事なきを得ましたが、同じ誤りがネットには少なからず見いだせます。

「不来方」の正解率は今回最も高くなりました。が、出題者としてはもう少しいくと予想していました。啄木の「不来方のお城の草に……」の短歌は、先日もNHKドラマ「梅ちゃん先生」で出てきたようにかなり有名と思っていましたから。

さて、賢治のふるさと花巻で9日まで「花巻まつり」が行われるなど、岩手県は秋の観光シーズンに入っています。「きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます」(童話集「注文の多い料理店」序文)という岩手。復興支援も兼ねて出かけてみてはいかがでしょう。
春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

美しい季節の言葉を味わいたい方、間違えずに使いたい方におすすめです。

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