読めますか? テーマは〈ウリ〉です。

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瓜田に履を納れず

答え
かでんにくつをいれず
(正解率 74%)

ウリの畑の中で靴を履き直すとウリ泥棒との疑いをかけられることから、疑いを招く行為は避けようという中国由来のことわざ。同じ意味の「李下(りか)に冠を正さず」とセットで用いられることも多い。

(2012年08月20日)

選択肢と回答割合

うりたにおおいをいれず 14%
かでんにくつをいれず 74%
がでんにふくをいれず 12%


蔓茘枝

答え
つるれいし
(正解率 44%)

ニガウリのことだが今は「ゴーヤー」という方が通りがよいだろう。ゴーヤーは沖縄の方言とされる。江戸時代の俳人、越谷吾山の「物類称呼」(岩波文庫)によると「蔓茘枝 長崎にてにがごうりといふ 是は苦瓜(にがうり)の転語なるべし」。しかしいつどこでゴーヤーになったかは不明。食用に加え、最近は「緑のカーテン」としても大活躍。

(2012年08月21日)

選択肢と回答割合

つたうりえ 3%
つるれいし 44%
らいち 52%


水瓜

答え
すいか
(正解率 38%)

「水瓜」は当て字で「西瓜」が一般的な漢字。アフリカ原産で、西から伝来したので「西瓜」。スイの読みは唐音といって、平安時代から江戸時代にかけて日本に来た比較的新しい読みだ。しかし越谷吾山の「物類称呼」(岩波文庫)によると、大阪では「さいうり」ともいうとあり、江戸時代にはまだ統一されていなかった。

(2012年08月22日)

選択肢と回答割合

すいか 38%
しろうり 11%
めろん 52%


三毛門南瓜

答え
みけかどかぼちゃ
(正解率 72%)

福岡県豊前市三毛門地区に伝わる、日本最古とされるカボチャの一品種。カボチャは16世紀にポルトガル人がカンボジアから持ち込み、カンボジアがなまって「かぼちゃ」になったという。関西では中国の南京から渡来したとの説から「なんきん」という名が広まった。JR三毛門駅前には加工場「三毛門南瓜の里」がありカボチャ焼酎などを扱う。

(2012年08月23日)

選択肢と回答割合

さんもうもんなんか 2%
みけかどかぼちゃ 72%
みけもんなんきん 26%


冬瓜

答え
とうがん
(正解率 95%)

「冬瓜(とうが)」がなまった。淡泊な味で見た目も涼しい夏野菜。なのになぜ「冬」? 保存が利くので冬まで食されたからとも、他のウリ類に比べ晩熟のためともいう。「正倉院文書」にも見え古代からあったらしい。

(2012年08月24日)

選択肢と回答割合

おそうり 0%
とうがん 95%
とうり 5%


◇結果とテーマの解説

(2012年09月02日)

この週は「ウリ」がテーマ。

ウリは万葉集で山上憶良が「瓜食(は)めば子ども思ほゆ」とうたったように、古くから日本人になじみ深い食べ物です。漢字の問題としても事欠かず、ここに挙げた五つだけでなく、「糸瓜」も以前「正岡子規」のテーマで出題しています。

糸瓜についてはこんな語源説があります。江戸時代の俳人、越谷吾山の「物類称呼」(1775年刊)は、元は「いとうり」の上を略し「とうり」といったと述べたうえで「或人の曰(あるひとのいわく)」と続けます。「へちまといふ名は とうり より出たり 其故(そのゆえ)は とうり の と の字はいろはの へ の字と ち の字の間なれば へち の間 といふ意にて へちま となつくる」(岩波文庫)

広辞苑でも触れられている説ですが、いささか出来過ぎの感があり、国語学者には受け入れられていないようです。大槻文彦は明治時代の辞書「言海」で「強牽ナラム」(こじつけだろう)とばっさり。金田一春彦さんも「あてにならない語源説」(「ことばの歳時記」新潮文庫)としています。しかし、ではなぜ「へちま」になったのか、これといった定説はないようです。

さて今回の漢字ですが、もっとも正解率が低かったのが「水瓜」とは予想外でした。「西瓜」だとやさしすぎるので、「言海」では第1表記のこの漢字にしたのですが、今ではほとんど使われなくなったことが、この数字からうかがえます。

「蔓茘枝」も正解が半数以下。ニガウリの別名としては「ゴーヤー」が一般的になり、ツルレイシなんて誰もいわなくなったためでしょう。ちなみに「ゴーヤー」か「ゴーヤ」かが分かれるため、毎日新聞では「ゴーヤー」に統一しました。沖縄では「ゴーヤー」に強いこだわりを持つ人が多いようです。

「三毛門南瓜」は「南瓜」だけだと簡単すぎると思って産地名を付けました。ところで「なんきん」というカボチャの別名について、こんなツイートをいただきました。「南京錠、南京豆等の単語を考えると南京は中国の代名詞みたい。どうして『南京』でしょうね」

本当に、どうしてでしょう。「日本国語大辞典」には「南京」は「近世、このあたりの地一帯、ひいては中国のことをもいった」とありますが、なぜ中国の代名詞となったかは記されていません。想像の域を出ませんが、江戸時代は日本との交易は主に南京を通してだったので、日本では舶来の珍しい品に「南京」をつけるようになったのではないでしょうか。カボチャが南京産だったという証拠も見いだせません。単に「南の方から来た」というイメージだけで「南京」と言われるようになったと思われます。

しかし、「南京豆」「南京錠」も最近あまり聞かなくなりましたし、共通語化が進んだ今はカボチャのことを「南京」と言う人も少なくなっているのではないでしょうか。

時代が変われば名称も変わります。ゴーヤーのように沖縄方言が勢力を拡大する例がある一方、死語となる言葉も数限りありません。そういえば「言海」では「南瓜」はポルトガル語に由来する「ボウブラ」を見出し語にしています。そのうえで「京ニテハ、誤リテ、かぼちゃトイフ。大坂にて、ナンキン」とあります。言葉の栄枯盛衰がうかがえますね。

春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

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