読めますか? テーマは〈大きな数〉です。
1京
(2012年07月02日)
選択肢と回答割合
きょう | 6% |
きん | 0% |
けい | 94% |
垓
(2012年07月03日)
選択肢と回答割合
い | 9% |
がい | 84% |
こく | 7% |
澗
(2012年07月04日)
選択肢と回答割合
かん | 52% |
けん | 26% |
じゅん | 22% |
恒河沙
(2012年07月05日)
選択肢と回答割合
ごうがしゃ | 63% |
こうがさ | 28% |
こうこうしゃ | 9% |
那由他
(2012年07月06日)
選択肢と回答割合
なゆた | 93% |
なよした | 4% |
なんだ | 4% |
◇結果とテーマの解説
(2012年07月15日)
この週は「大きな数」がテーマ。
兆の上の数は京、垓、秭(し)、穣、溝、澗、正、載、極(ごく)、恒河沙、阿僧祇(あそうぎ)、那由他、不可思議、無量大数。「無量」と「大数」を分けるものもありますが、これは江戸時代の算術書「塵劫記」の記述が版によっては「無量」と「大数」に間があいたように見えることからで、一般的には無量大数のようです。
いずれにせよ、雑学としては聞いたことがあっても実際に使うことはまずありませんでした。ところが少なくとも京については最近、スーパーコンピューター「京」などでちょくちょく目にするようになりました。米国エネルギー省のスパコンに計算速度が抜かれ「やっぱり2位じゃだめ」と富士通が既に次世代のスパコン開発に着手していることがニュースになりましたが、「京」の次の名前は「垓」でしょうか。
その「垓」。子供に「星はいくつあるの?」と聞かれたら、7の後にゼロを22個書いてあげてください。 オーストラリアの天文学者サイモン・ドライバー氏とその共同研究者が2003年に唱えた説だそうです。理科年表オフィシャルサイトから仕入れました。
「澗」は今回最も正解率が低かった字です。しかし、IPアドレスって星の数以上に必要なんでしょうか。紙面に唐突にこの字が現れたときは、ついに空想上の数の世界に現実のテクノロジーが侵食してきたのかと複雑な感情を抱きました。
「恒河沙」はガンジス川の砂粒の数とされますが、宇宙の星の数は先述のドライバー氏によると地球全体の砂粒の数より多いそうです。もしそうなら恒河沙は垓より下ということになりますが、本当かどうか想像もつきません。
「那由他」は昨年NHKの「恋する日本語」という番組に出てきました。原作は小山薫堂さんの同名掌編集。「わたしのこと、どれくらい好き?」「ナユタさ」――。ううむ、「すごく」とかより気のきいた答えであることは確かですが、ちょっと知識のある彼女だったら「ということは、まだ上があるのね」と、いたずらっぽく返されそう。しかし「どれくらい好き?」に「不可思議さ」や「無量大数さ」だと、さまになりません。やはりナユタという、どこかエキゾチックな響きがちょうどいいですね。「だからさ、この先もっともっと好きになるってことだよ」なんて言い添えてあげると喜ばれるでしょう。
これら大きな数の漢字は実際に使われることはほとんどなくても、10の何乗なんていう無機質な数の世界より壮大なロマンを感じさせると思いませんか。それは数学的に解析できない、漢字ならではのイメージ喚起力のなせるわざかもしれません。