読めますか? テーマは〈落語〉です。

スポンサーリンク

寿限無

答え
じゅげむ
(正解率 97%)

6月第1月曜日は「寄席の日」。前座でおなじみの一席が、子供に縁起の良い名前を全部つけてしまう「寿限無」。いま「三井住友海上あいおい生命」や「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」など「寿限無」を思わせる長い固有名詞が多い。そういえば当欄執筆の部署名も「毎日新聞東京本社編集編成局情報編成総センター校閲グループ」だ。

(2012年06月04日)

選択肢と回答割合

じゅげむ 97%
じゅげんむ 1%
すげない 1%


金明竹

答え
きんめいちく
(正解率 56%)

「錦明竹」という表記も。マダケの一種で、黄色に緑の縦じまが入る色合いの美しさが珍重される。落語「金明竹」は、金明竹などたくさんの物の名を繰り返す関西弁の言い立てが、店番にさっぱり通じないという話。と書いてもその面白さはさっぱり通じないだろう。ぜひ実際に聞いてほしい。6月5日は「落語の日」。

(2012年06月05日)

選択肢と回答割合

かねあけだけ 6%
きんみょうちく 39%
きんめいちく 56%


狸賽

答え
たぬさい
(正解率 34%)

ばくち好きの男に助けてもらったタヌキが「恩返しに」と、請われるまま賽、つまりサイコロに化ける話。このほか、お札やコイに化ける話もある。落語に登場するタヌキは、人を化かすといってもどこか素直で憎めないキャラクターである。

(2012年06月06日)

選択肢と回答割合

たぬきふさぎ 10%
たぬさい 34%
むじな 56%


幇間腹

答え
たいこばら
(正解率 62%)

客の機嫌を取って宴席を盛り上げる男性の芸人を「たいこもち」、略して「たいこ」、音読みして「ほうかん」と言うが、落語「幇間腹」は、はりを覚えたての若旦那が幇間相手に人体実験するという物騒な話だ。漱石「坊っちゃん」に登場する「野だいこ」は、正式な修業をせずに幇間のまねごとをする者を指す言葉。

(2012年06月07日)

選択肢と回答割合

たいこばら 62%
たいこもち 28%
ふうかんぷく 9%


厩火事

答え
うまやかじ
(正解率 78%)

孔子の屋敷で厩(馬小屋)が焼けてしまった時、孔子は馬より弟子たちの心配をしたという故事がある。落語「厩火事」は、この話を聞いた髪結いのおさきさんが、ろくに働こうともしない亭主の心を試すという話。夫の悪口がいつの間にかのろけにもなる妻の口ぶりが笑える。

(2012年06月08日)

選択肢と回答割合

うまやかじ 78%
きゅうかじ 4%
くるわかじ 18%


◇結果とテーマの解説

(2012年06月17日)

6月5日は語呂合わせで「落語の日」、というわけで落語をテーマに出題しました。もともとが話芸ですから、そもそも「正しい漢字表記」はどうやって決まっているのか?とか、広く知られている題材だと簡単すぎるし、さりとてマイナーな題材を取り上げると実際に聞く機会も限られる……など、出題に際してはいろいろと悩んだものです。

by (C)雄犬

広く知られているという点では、「寿限無」はさすがに正答率が高かったですね。間違えた方はクリックミスが原因なのでは?と思えるほど圧倒的な結果が出ました。

金明竹」は、一般的には「前座ばなし」として扱われている割に、ちゃんと演じると時間がかかるせいか、寄席などで聞く機会は少ないかもしれません(寄席で前座に与えられる時間は短いのです)。この話の同工異曲とも言える、九州弁の言い立てが通じないという筋の「陳宝軒」という落語もあります。

意外にも正答率が低かったのは「狸賽」でした。「たぬきのさい」と「の」を入れていることもありますが、大抵は縮めて「たぬさい」と呼ばれています。話としては短い、いわゆる「軽いネタ」で、ちょっとした仕草をしてみせるのがサゲ(=落ち、つまり結末のこと)となります。しかし現代の人々にはジェスチャーの意味が通じにくくなっていること、また録音ではどんな仕草をしているか見えないことなどの理由があってか、耳にする機会は少ない印象があります。

逆に予想より正答率が高かったのは「幇間腹」です。「はら」からの類推でしょうか? 幇間の振り回されぶりが面白いせいか、演じる落語家は今でも少なくないので、ぜひ寄席で聞いてみてください。

厩火事」も、予想以上に正答率が高かったです。現代社会で「厩」を実際に見たことのある人は少ないだろう、という読みだったのですが。さておき、普通に演じると、単に「髪結いのおさきさんが可哀想」という印象しか残らない落語でもあり、これをどう演じるかは演者のセンスが問われるのでは、と個人的には思います。

……という感じで一通り解説を済ませてみましたが、さっそく「来年の『落語の日』に向けて、ネタのストックを」などと漏れ伝わって参りました。(あるとすれば)続きはまた来年、おあとがよろしいようで。

春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

当サイトの「読めますか?」をもとに、季節にちなむ言葉を厳選し加筆しました。

さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

美しい季節の言葉を味わいたい方、間違えずに使いたい方におすすめです。

twitter

過去記事から