読めますか? テーマは〈地道な努力〉です。

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虚仮の一心

答え
こけのいっしん
(正解率 68%)

「虚仮の一念」ともいう。愚か者でも一心に努力すれば成し遂げられるということ。「虚仮」は元々「真実でないこと」を表す仏教語だが、愚かなことや人の意味に変化している。

(2012年04月23日)

選択肢と回答割合

うつけのいっしん 17%
きょかのいっしん 15%
こけのいっしん 68%


倦まず撓まず

答え
うまずたゆまず
(正解率 73%)

嫌になったり怠けたりしないこと。一つのことに努力するさまをいう。「たゆむ」の漢字は一般的に「弛む」だが、慣用句としては「倦まず撓まず」と記す辞書が多い。中には「うむ=倦む」の項で「倦まず撓まず」、「たゆむ=弛む」の項で「倦まず-まず」の例を挙げるねじれた辞書もある。

(2012年04月24日)

選択肢と回答割合

うまずたゆまず 73%
うまずたわまず 23%
からまずゆがまず 3%


稽古

答え
けいこ
(正解率 100%)

元々は「古(いにしえ)を稽(かんがえ)る」こと。ここから「書を読んで学問すること」や「武道・芸能の修業」という意味が生まれた。「稽」は2010年の改定で加わった常用漢字。新大関・鶴竜(かくりゅう)は「これからも稽古に精進」と口上を述べた。

(2012年04月25日)

選択肢と回答割合

けいこ 100%
ほご 0%
もうこ 0%


粒々辛苦

答え
りゅうりゅうしんく
(正解率 92%)

穀物一粒一粒は農民の労苦の結晶ということ。また、こつこつ努力すること。米作りには88の手間がかかるともいわれる(米の字を「八十八」に分解したことから)。その苦労に感謝し、ご飯は残さず食べよう。

(2012年04月26日)

選択肢と回答割合

つぶつぶしんく 5%
まいまいしんく 3%
りゅうりゅうしんく 92%


愚公山を移す

答え
ぐこうやまをうつす
(正解率 69%)

ひたすら頑張ればどんな難事も実現するという格言。出典は中国の「列子」。愚公という90歳の老人が、邪魔な山を平らにしようと少しずつ土を移動させていた。隣人にばかにされても「子孫の代には成し遂げられる」と気にしない。その努力が神に認められ、山が移されたという。

(2012年04月27日)

選択肢と回答割合

ぐくせんをうつす 11%
ぐこうざんをうつす 20%
ぐこうやまをうつす 69%


◇結果とテーマの解説

(2012年05月06日)

この週は、職場の新人や学校の新入生への訓示に使えそうな、ちょっといい言葉を選んだつもりです。 

おおっ、ついに正解率100%が出ましたか。「稽古」は簡単だろうと予想はしていましたが、実は毎日新聞ではいま「稽古」に読み仮名を振って使うのが原則でありまして、読めない人ってどれくらいいるのかの参考にしたくて出題しました。 

もちろん、これは3択であり、しかも参加者はある程度以上、漢字に自信を持っているものと思われるので、100%だからといってすべての人が読めるとは限りません。しかし、NHKの高校3年生対象の調査で「弟子に稽古をつける」の読みを書かせる問題があり正解率が95%だったというデータもあり、「稽古」は書けるかどうかはともかく、読みに関してはかなり易しいと思ってよさそうです。 

解説にも書きましたが「たゆまぬ努力」の「たゆまぬ」は普通「弛まぬ」という漢字のはずなのに、慣用句の「うまずたゆまず」は「撓まず」がなぜか定着しています。なぜなのかはともかく、「うまずたわまず」という選択肢を仕込んだのはその食い違いをふまえたものでした。また、「倦」も「撓」も常用漢字ではないこともあり、平仮名表記が少なくありません。にもかかわらず、誤答は出題者の「期待」ほど多くはありませんでした。この慣用句はまだまだ死語ではないということでしょう。 

ところで蛇足ですが、漫画で「地道な努力」はいつの間にかあまり描かれなくなったと思いませんか。「巨人の星」や「あしたのジョー」に感化された世代の出題者には、すぐに必殺技を編み出すなどしてほとんど挫折を知らないヒーローばかりでいいのかと疑問があります。「虚仮の一心」で「粒々辛苦」した結果、「愚公山を移す」ような奇跡を起こす。そんな物語は今あるのでしょうか。 

いずれにせよ、そういう言葉を死語にしないように伝えていかなければならないと思います。言葉だけではなく、そういう態度も含めてです。地道な努力が要求される我々校閲者としての自戒をこめて。
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春は曙光、夏は短夜 季節のうつろう言葉たち

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さまざまな文学作品が築いてきた味わい深い日本語の一端を紹介しています。

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