新聞製作の現場で原稿に向き合う校閲記者が、ことばを精査する校閲の視点について解説する好評のオンライン校閲講座。次回は10月24日(土)18時半からです。実際に新聞の校閲も体験していただき、誤りを正したり文章をブラッシュアップしたりするためのポイントをお伝えします。

プロフィル
植松厚太郎(うえまつ・こうたろう) 毎日新聞社校閲センター大阪グループ主任。千葉県出身。東京大学文学部日本語日本文学(国文学)専修課程卒業後、2010年に校閲記者として入社。以降、一貫して校閲畑を歩む。就職活動中に校閲という仕事を知り、地味ながらも丁寧にことばと向き合う世界にひかれ志望。趣味は小さな劇場での演劇鑑賞。たまにこっそり自分でも脚本・演出を手掛けている。職場で出会った妻と1男1女を育てており、家では専らひらがなと格闘中。

 このたび、校閲のオンライン講座を担当させてもらうことになりました。

 今からちょうど10年前、新人の校閲記者として大阪本社に配属された時には、仕事や社会人生活への期待と不安に加え、こうも思っていました。「プロの記者の原稿って、そんなに直すことあるのか? やりたかった仕事だけれど、校閲ってどこまで必要?」

 直すこと、ありました。考えてみれば当たり前で、新聞記者は極めてタイトなスケジュールで執筆していますから、一発で完璧な原稿ができる方が不思議なくらいなのです。また、時間的制約に関わらず、第三者の目で冷静にチェックすることの大切さもよく分かりました。他の人の目でチェックしてもらう、自分でチェックする場合も一度頭を空っぽにして、まっさらな気持ちで読み返す。これは日常の文章を校閲する際にも、最も大切なポイントではないでしょうか。

 校閲には正解がないことも多い、ということも痛感しました。辞書によって書いていることが違いますし、厳格な人から比較的寛容な人まで、校閲にも性格が出ます。執筆者とコミュニケーションを取り、より良い表現を検討するのも校閲記者の仕事。駆け出しの頃は説明が下手なこともあり、なかなか意見を聞いてもらえないこともありました。信頼を積み重ね、固有名詞や数字の誤りなど致命的な誤植を拾って「恩と顔を売っておく」と、だんだん聞いてもらえるようになって……。皆さんにお伝えしても意味のない「仕事のコツ」も、いくつか心得るようになりました。

 今回の講座では、校閲のポイントについてお話しした後、実際に新聞の校閲を体験していただき、間違えやすい日本語や日常の文章作成における校閲のコツについて、校閲記者の視点から何かお伝えできればと思っています。本に書いてあるような“使える”話だけでまとめてもいいのですが、せっかくの機会ですので、新聞校閲の現場の雰囲気を感じてもらえるようなお話もできればと思っています。ご参加をお待ちしています。

【植松厚太郎】

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ことばを磨く 校閲オンライン講座

次回は10月24日(土)の18:30~20:30、受講料は3000円です。日本全国、世界中どこからでも受けられます。

新聞製作の現場で原稿に向き合う校閲記者が、日々の事例の紹介を交えながら、ことばを精査する校閲の視点について解説します。また、実際に新聞の校閲を体験していただき、誤りを正したり文章をブラッシュアップしたりするためのポイントを、経験を踏まえてお伝えします。

毎日新聞の校閲記者によるオンライン講座は前回8月の受講者が300人を超すなど大変好評をいただいています。

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