スノーボード競技で「とぶ」という場合に漢字でどう書くかは、「跳ぶ」を選んだ人が「飛ぶ」とした人の4倍以上になりました。跳ね上がりから着地することまでが評価される演技には、足偏の付いた「跳」がなじむということかもしれません。

スノーボード競技での「とぶ」はどう表記するのがよいか伺いました。

3分の2は「跳ぶ」を選択

演技のために高く「とぶ」スノーボード競技――この「とぶ」、どう書きますか?
跳ぶ 65.9%
飛ぶ 14.9%
種目によって使い分けたい 19.2%

 

スノーボード競技で「とぶ」といった場合に漢字でどう書くかは、「跳ぶ」を選んだ人が「飛ぶ」とした人の4倍以上になりました。「種目によって使い分けたい」という人も2割程度ありましたが、違和感のない表記は「跳ぶ」だと言ってよさそうです。

飛距離ではなくジャンプの内容が大事

今回伺った、スノーボードの「とぶ」の使い分けに関しては、以前同僚記者が「毎日ことば」内のブログで取り上げたことがあります。

そこでは「跳ぶ」の方がふさわしいのではないかとしつつ、

スノーボードのジャンプは、スキーのように空中を飛行して飛距離を競うものではなく、フィギュアのように回転技を繰り出すことに重きを置いているものだからです。つまり「飛び上がる」というよりは「跳ね上がる」ジャンプなので、「跳ぶ」がより適切な気がします。

のように理由を述べています。今回のアンケートで「跳ぶ」が大勢を占めたことをみても、同僚の感覚は正しかったのではないでしょうか。

「勢いよく短時間」は「跳」

円満字二郎さんは「漢字の使い分けときあかし辞典」で「とぶ」の使い分けについて、「一般的には《飛》を用いる」とする一方で、「勢いよく短時間『とぶ』ことを強調したい場合は、《跳》を使うと効果的」としています。「あしへん」が付いていることから、「足の力を使って“勢いをつけて、短時間、空中を移動する”という意味」とも。

スノーボードの場合も、斜面や傾斜を利用しつつも、足の力を使って跳ね上がっていることは言うまでもありません。やはり「跳ぶ」の方が、勢いをつけて演技をするというシーンに合っているのではないかと感じます。

着地も大事なら「跳ぶ」がなじむか

「飛ぶ」と「跳ぶ」の使い分けについては、上にリンクをつけたブログでも取り上げています。ご参照ください。スノーボードの男子ハーフパイプでは平野歩夢さんが金メダルを獲得しましたが、完璧な着地までが評価される演技には、やはり「足」の付く「跳ぶ」の方が合っているのではないかと感じました。

(2022年02月08日)

質問に際して

北京オリンピックが間近に迫っていますが、そういえば前回の平昌五輪で校閲記者が悩んでいた問題は決着したのだろうかと思いました。スノーボードでジャンプをとぶ場合に、「跳ぶ」と書くか「飛ぶ」とするかという問題です。▲同僚記者が書いたブログ記事(https://mainichi-kotoba.jp/blog-20180317)では「跳ぶ」の方が「飛ぶ」よりもふさわしいのでは、と述べていました。スキーのジャンプ競技では「飛ぶ」を使いますが、これはあくまで「飛距離」を競うもの。スノーボードの場合は「飛ぶ」こと自体よりは滞空時間に行う演技に重点が置かれており、その意味ではフィギュアスケートやスキーのモーグルのジャンプに近いと考えられるからです。▲とはいえ、ビッグエアのような滞空時間の長い種目を見るとやはり迷いが生まれます。実際に記事でどう扱うかは今回も手探りになるような気はしていますが、皆さんがどう感じるか、伺ってみたいと思います。

(2022年01月20日)

9/30(金)19時~ オンラインイベントを開催

「記者時代、訂正・おわびにつながる間違いを校閲記者に助けられること数知れず」という毎日新聞人事本部の三木陽介・採用担当部長が司会を務め、校閲記者が舞台裏を語るオンラインイベントが9月30日(金)19:00〜20:30に開催されます。

チケットは一般1650円、学割550円。文章の校閲・構成に興味がある方から「毎日ことば」のファン、さらに、ことばそのものに興味がある方まで幅広くお楽しみいただける内容です。

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