「クリスマスイブの24日」という表現は「許容できる」「問題ない」とした人が合わせて8割。「イブ」は宵のころを指す語ですが、時間帯に関係なく「24日」を「クリスマスイブ」と結びつける言い方に違和感を持たない人が多いようです。

「クリスマスイブ」の使い方について伺いました。

「おかしい」は2割にとどまる

「クリスマスイブの24日」という書き方、いかがですか?
「イブ」は夜のこと。この書き方だと夜以外も指すようでおかしい 20.4%
クリスマスイブの(ある)24日、と受け取るので許容できる 54.6%
問題ない 24.9%

 

「クリスマスイブの24日」という表現については、「イブの(ある)24日」と受け取るので許容できるとした人が過半数に達しました。「問題ない」とした人と合わせ、この言い回しで通用すると考える人が8割を占めました。

国語辞典は12月24日の「夜」と説明

国語辞典を見ると、比較的丁寧に説明しているのが明鏡国語辞典3版。「クリスマス-イブ【Christmas Eve】 クリスマスの前夜。十二月二十四日の夜。また、その夜に行う祝祭。聖夜。イブ」とあります。「クリスマスイブ」は「12月24日」という日のことではなく、その夜だと限定しており、その点は多くの辞書も大差ありません。

こうした認識はある程度共有されているものと考え、新聞でも「クリスマスイブ」はなるべく夜のこととして扱うようにしています。「クリスマスイブの朝」は矛盾した表現、「クリスマスイブの夜」は重言として、いずれも「クリスマスを控えた24日の朝/クリスマスイブの24日夜」のような修正を提案すると思います。

英語の辞書は「前日」も記載

「イブ」は見たとおり「イブニング」と同語源で、夕方、宵のころを指す語です。クリスマスイブのような場合の使い方について、世界最大の英語辞典「オックスフォード英語辞典」(2版)は「eve」の項目で

The evening, and hence usually the day before Saint's day or other church festival. Hence generally the evening, or the day, before any date or event.

といいます。「夕刻、通常は聖人の記念日や教会の祝祭の前日のこと。そこから一般に、さまざまな日付やイベントの前夜、前日のこと」といったところでしょうか。

「前夜、前日」という書き方を見ると、英語の辞書ではあまり「夜」ということにこだわっていない印象を受けます。英語のニュースサイトなどでも「the evening of Christmas Eve」のような表現は出てきており、あまり意識せずに使われているように見えます。「イブ」は単に時間帯を指すものではないという感じ方なのかもしれません。

厳密に考える必要性は薄いか

アンケートの結果は、「24日」という日付と「クリスマスイブ」が、時間帯に関係なく結びつくことを受け入れる人が多いということを示しています。一般には、クリスマスイブ=24日のこと、と見なしてもあまり問題はなさそうです。新聞では当面、従来のように時間帯を意識した使い方を続けていくと考えられますが、国語辞典でも三省堂国語辞典は、2021年12月に出た8版で「クリスマスイブ」の説明に「②クリスマスの前日」を追加しています。こうした時間帯を気に掛けない使い方が無視できないものだということは間違いなさそうです。

(2022年01月14日)

質問に際して

25日はクリスマス。その前日、24日の夜を指して「クリスマスイブ」と呼びます。国語辞典の説明は「クリスマス前夜。一二月二四日の夜。また、そのときに行なわれる祭。聖夜。イブ」(日本国語大辞典2版)のようなものです。▲ただし、「一日は夕方から(中略)はじまる」(同)というユダヤ暦の流れをくむ教会暦では日没で日付が変わるとのことで、24日の夜は既に25日なのだといいます。ややこしいですが、24日の夜がクリスマスの夜で、だからこその「クリスマスイブ」なのだそうです。もっとも英語の「eve」は「前夜」と説明されますから、英語経由の表現としては「クリスマス前夜」で問題なさそうでもあります。▲しかし、時々「クリスマスイブの24日」のように、24日全体を指して「クリスマスイブ」と呼ぶような記述を見ることがあります。これは「イブの(ある)24日」として許容できる表現なのでしょうか。あるいはもう、24日全体を指して「クリスマスイブ」と呼んで問題ないと感じる人も多いでしょうか。

(2021年12月23日)

9/30(金)19時~ オンラインイベントを開催

「記者時代、訂正・おわびにつながる間違いを校閲記者に助けられること数知れず」という毎日新聞人事本部の三木陽介・採用担当部長が司会を務め、校閲記者が舞台裏を語るオンラインイベントが9月30日(金)19:00〜20:30に開催されます。

チケットは一般1650円、学割550円。文章の校閲・構成に興味がある方から「毎日ことば」のファン、さらに、ことばそのものに興味がある方まで幅広くお楽しみいただける内容です。

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