新型コロナワクチン接種の「完了」と言える状態は「2回目の接種を受けた」とする人が4分の3を占めました。とはいえ「接種から2週間が経過した」「どちらとも受け取れる」とした人も計2割超おり、紛らわしくない伝え方が必要と感じます。

ワクチン接種の「完了」が何を指すと考えるか伺いました。

4分の3は「2回目受けた時点で完了」

新型コロナウイルスワクチンの接種が「完了」した、といったらどの状態?
2回目の接種を受けて2週間が経過した 7.5%
2回目の接種を受けた 74.4%
上のどちらとも取ることができ、決められない 18.2%

 

出題者としては驚きの結果になりました。「2回目の接種を受けた」とする人が4分の3を占め、圧倒的でした。同僚に聞いて回ると、やはり多くが「2回目の接種を受けた」かな……との回答。ちょっと神経質に疑いすぎたのでしょうか。とはいえ、「接種から2週間が経過した」「どちらとも受け取れる」とした人も合わせて2割超おり、全ての人が悩まずに受け取れる表現でもなさそうです。

「完全に終わった」と言えるのはいつ?

街の声などを伝える記事であれば白黒つける必要はあまりないのですが、出題時の解説にも書いたように、イベントの規約などで金銭や参加の可否がかかわる場合は、あいまいな線引きでは不安が残ります。

「完了」を辞書で引くと「物事が完全に終わること」(明鏡国語辞典3版)とあります。一般に、新型コロナウイルスワクチンの効き目が出るのは必要回数を接種した「2週間後」からと言われています。イベント等で規約が設けられるのは、「抗体がある」または「陰性と証明できる」状態であれば全体の感染リスクを下げることができるからです。そういった前提がある場合、抗体ができた(であろう)時点が「完了」なのではと考えました。

政府の「完了者」数は「2回目当日」で

米疾病対策センター(CDC)は“fully vaccinated”を「必要数を打ってから2週間たった人」だとしています。しかし「完全にワクチンの効果が出ている人」と捉えられるため、「完了」とはやや違うように思います。

医療関連の取材をする記者に、日本政府は「接種完了」を定義しているのか確認すると、「ワクチンによって効果が出るとされる時期はやや違い、“2週間”との定義はないだろう」とのこと。首相官邸のページで発表されているワクチンの「2回接種完了者」は、接種を受けた当日にカウントされていると教えてくれました。

また、この疑問を持ったときには試行段階だったため明確な資料がありませんでしたが、今は「ワクチン・検査パッケージ制度」について説明するページに「予防接種済証等により、利用者が2回接種を完了していること、2回目接種日から14日以上経過していることを確認」すると明記されています。

紛らわしくない伝え方を

首相官邸や「ワクチン・検査パッケージ制度」のページの表記を見る限り、どうやら「完了」は「2回目の接種を受けた時点」を指しているようです。とはいえ字数が許すのであれば、「ワクチンの接種を受け終えた」「ワクチンの接種を受けて2週間が経過した」などと誤解を生まない表現を模索していければと思います。

(2021年12月03日)



質問に際して

新型コロナウイルスのワクチン接種率が着々と上昇しています。30代の出題者も、先ごろ2回目の接種を受けることができました。さて、受けられたとなると次に気になるのは「接種証明」です。2回目の接種を受けてから2週間がたってしまえばさほど気にならない条件ではありますが、問題はその「2週間」です。▲11月14日にあったイベントのチケット販売について、対象を「1日までにワクチン2回接種を完了している人」などとする条件のついたものがありました。「完了」を辞書で引くと「物事が完全に終わること」(明鏡国語辞典3版)とあります。ワクチン関連で「完了」というと「必要回数の接種を受けてから2週間程度経過した」ことかとまず思いましたが、ならば1日時点で2週間以上経過している人だけが対象なのでしょうか?▲もっともこの場合は、1日に接種を受ければ14日で2週間になることから、「1日までに2回目の接種を受けた」人が対象と考えられます。しかし、2通りに解釈できるというのはもやもやが残ります。▲コロナ禍で諦めていたイベントへの参加が、かなうようになりつつあります。入場まで、万一を考えて不安な気持ちになるのは誰しも避けたいもの。誤解されない、すっきりとした表現が定番になれればよいのですが……。

(2021年11月15日)

 

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