水道の蛇口をどう数えるかは「個」が半数弱で優勢でしたが、「本」派も「違和感がない」を含めると4割ほどはいるようです。実際に数える場合には、どの部分を「蛇口」と考えるかで、数え方も変わってくるかもしれません。

水道の蛇口の数え方について伺いました。

「個」が優勢だが「本」も無視できず

水道の蛇口、どう数えますか?
「個」を使う 47.1%
「本」を使う 26.6%
上のどちらでも違和感はない 13.7%
形状により使い分ける 12.6%

 

なかなか興味深い結果となりました。「個」が優勢ですが、「本」派も「違和感がない」を含めると4割ほどでしょうか。「使い分け」派も「本」を使う人がいると思うので、もっと多いのかもしれません。「どちらでもない」という選択肢を用意できなかったのが悔やまれますが……。

数え方には「口」も

当該記事を読んでいたときには見つけられなかったのですが、「数え方の辞典」(小学館)によると、蛇口の数え方は「本、口」とのこと。もちろん、一般的に物を数える時に使いやすい「個」が間違いということではありませんが、かなり衝撃的でした。

そもそもが「蛇口」なので「口」はわかります。ではなぜ「本」なのか? 今回の質問のきっかけになった記事では水飲み場の細長いもの(と思われる)でしたが、例えば学校の校庭の手洗い場にある蛇口でも「本」なのでしょうか。辞典には書かれているものの正直納得がいかず、同僚を何人かつかまえて相談してみました。

どこまでを「蛇口」と考えるか

「盗むとなると、パイプの部分なのでは?」「台座にくっついていると、『個』という感じだけれど……」。明らかになったのは、どこまでを「蛇口」ととらえるかという認識の違いでした。出題者はハンドル部分まで含めて蛇口と認識していましたが、構造を調べてみるとハンドル部分と水が出てくるパイプ部分は別物の様子。パイプ部を「蛇口」と捉えれば「本」で違和感はありません。

毎日新聞の用語集には「助数詞の基準」というページがありますが、ここには身の回りにある身近なものから、普段はあまり目にすることのない「大砲」といったものの数え方(「門」で数えます)まで載っています。残念ながら「蛇口」は載っていませんでしたが、眺めているだけでも新しい発見の多いページです。それにしても助数詞は難しい。「数え方の辞典」、買おうかな。

(2021年06月11日)



質問に際して

公園の水飲み場などで蛇口の盗難が相次いでいる、という原稿を校閲していた際に、蛇口を「3本」と数える表現がありました。「本」というと毎日新聞の用語集には「細く長い物品、物体」に使うとありますが、はたして蛇口は「細長い」ものなのかどうか……。

他社の報道を見ると軒並み「本」としており、これは報道向けの説明で「本」が使用されているのではないかと考えました。出題者は外遊びがあまり好きではなかったので定かではありませんが、古い記憶を掘り起こすと、公園の水飲み場の蛇口は手洗い場などと違い、上に向かって棒状の物体が突き出ていたように思いました。画像検索でもそのような画像がヒットします。

これなら「本」でもいいのかなと思いそのまま校了しました。とはいえ、公園の水飲み場には手洗い場もあったような。手洗い場の蛇口は「個」なのでは……と若干もやもやが消えずにいます。

(2021年05月24日)

 

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