「月末」とはどの程度の期間を指すかは、「25日ごろから」とする人が4割近くと、単独の選択肢としては最多でした。とはいえその他の選択肢も3割前後の人に選ばれており、客観的に期日を示したい場合には使いにくい言葉かもしれません。

「月末」がどの程度の範囲を指すかについて伺いました。

回答は3分、人による違い示す

31日まである月の場合、「月末」っていつから?
25日ごろから 38.7%
28日ごろから 34.2%
末日(31日)のみ 27.1%

 

「25日ごろから」月末とする人が4割近くと、単独の選択肢としてはトップで少々意外な結果となりました。出題時は、部内の意見が28日前後に集中していたこともあり「28日ごろから」が優勢かな?と予想していたのですが……。とはいえその他の選択肢も約3割ずつ得票しており、まさに認識が「人による」ことが示された形となりました。

25日は「月末」と言えるか

出題のきっかけは、世界的な反差別のうねりの端緒となった米黒人男性殺害事件です。この事件は5月25日に発生しましたが、そのことを「5月末に発生した事件では……」とする記事に数回出合いました。出題者の感覚では25日は「下旬」で「末」とするには違和感があったのですが、問い合わせに行くと微妙な反応が返ってくることもしばしば。下旬でも間違いではないから……と直すこともありましたが、すっきりしない感じが残ったのでした。

国語辞典にははっきりとした期間が載っていないので、周りに聞いてみると「状況にもよるんじゃないか」という声もありました。物事の節目であれば「月末」でも違和感がないのでは?という意見です。たしかに、給料日やローン支払日が25日ごろにあると、期日が来たときに「月末だな」と思う気持ちもわかります。一方でこの考え方だと、人によって異なる節目を基準とすることになるので、「月末」といっても誰にでもピンとくるものにはならないかもしれません。

「月末」期間が長くなると…

黒人男性殺害事件の場合、事件が起きてから1週間もたたない同月中に、デモが世界中に波及するなどの動きがありました。それを考えると、事件が起きたのを「月末」と言ってしまうと、月末に起きた事件からさらに月末にかけて大きな波乱があったということになり、時間の経過をうまく扱えない感じがします。

事件後の一連の出来事が同月中に続いたことを分かりやすく示すなら、25日の事件は「下旬」と書き、月末にかけて抗議の声が広がっていった――のような形で扱うのが適当なように思います。25日を「月末」と言えるかは、やはりケースバイケースなのかもしれません。

受け止め方の違いに要注意

それにしても、「末日のみ」と回答した人が3割近くいたのにも驚きました。25日ごろからと考える人とは1週間ほど認識のずれが発生してしまうので、多用しないというのもひとつの手かもしれません。使用する場合には、人による受け止め方の違いを踏まえる必要があるでしょう。一方で「下旬」という言葉は「21日以降」というのがはっきりしており使い勝手がよいので、「月末」よりはこちらにお世話になることが多そうです。

(2020年07月10日)



質問に際して

「年末」「週末」は以前に伺ったことがありますが、今回は「月末」。でも、これも正解のない質問だなあ、と思いながら出題しています。

先日、5月25日を「5月末」と書いた記事に連続で出合いました。月末とするのはちょっとなあ……と思い、広くカバーできる「下旬」ではどうでしょう?と出稿部に問い合わせをしたのですが、「え、変かな?」とやや微妙な反応。

それもそのはず、どの辞書を引いても「月のおわり」等とするものが多く、はっきりと期間を示すものは見つけられませんでした。

校閲センターの面々に聞いて回ると「記事にもよるとは思うが、28日くらいからかな?」という声が多めでした。とはいえ、ネットなどで検索すると「25日の給料日あたりを月末という」という意見も。この言葉は、それこそ人によって感覚が違うものだと思うのですが、みなさんはいかがですか?

(2020年06月22日)

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