副詞的な修飾語の「連日/連日で」のどちらを使うかは、9割超が「連日」を選びました。国語辞典などを見ても、品詞の面で考えても「連日で〇〇する/される」は決して間違った表現ではないのですが、一般的なのは「連日」だと言えそうです。

「連日で」という言い回しについて伺いました。

「で」をつけない人が大多数

事件が「連日/連日で」報じられる――どちらを使いますか?
連日 90.8%
連日で 3.1%
どちらも使う 6.2%

 

9割超が「連日」を使うという結果となり、大差がつきました。国語辞典などを見ても、品詞の面で考えても「連日で〇〇する/される」は決して間違った表現ではないのですが、「連日」を使う方が一般的だといえそうです。

似た意味の「毎日」に「で」はつかない

毎日新聞の記事データベース(東京本社版)で使用例を検索してみました。すると「連日」の1万3575件に対し、「連日で」は65件と大きな開きがあります。もちろん「連日」の検索結果には「連日の」など、名詞としての使用例も含まれており、中には「国連日本……」といった別の単語から拾ってしまったケースもあります。ただし、副詞的用法に絞っても、直近30例は全て「連日〇〇する/される」の形でした。

岩波国語辞典8版の「連日」の項には「《副詞的にも使う》何日も続けざまの日々。毎日」とあります。「毎日」も副詞的に使われますが、「毎日で〇〇する/される」とは言わないことから、「連日で」にも違和感を持つのかもしれません。

一方で、「連日」と「毎日」ではニュアンスに差があるようにも感じます。例えば「ウオーキングが〇〇の習慣だ」であれば「毎日」、「〇〇の残業で納期に間に合わせた」なら「連日」でしょう。「毎日」には「今までもこれから先も変わらずずっと」という意味が含まれていますが、「連日」には「ある時から今まで続いているが、いつかは終わる」との意味合いがあります。

「○日連続で」と置き換えるなら「連日で」も

他にも似た表現に「〇日連続」があります。「連続」は「切れ目がなく続くこと、続けること」(岩波)という意味の名詞。「連続する」のように動詞化することもありますが、動詞を修飾する場合は「連続で〇〇する/される」の形を取ります。「連日」と同様に「〇日連続」もいつかは終わりがくるはずですが、具体的な日数に焦点を当てたい時に使われます。

「連日」の場合は、「毎日」のように副詞的に使われているか、「〇日連続」のような名詞としての働きが意識されるかによって、「連日で」を許容できるかどうかも判断が揺れるのかもしれません。出題の文章では、事件が「毎日/ここ数日ずっと」報じられるという意味だと解釈できるので、「連日」と副詞的に使いたくなります。

一方、「日経平均株価が連日で値を下げ、大台を割った」であればどうでしょうか。もちろんこの「連日で」も「連日」とすることはできますが、この場合は「毎日」ではなく、具体的な日数が分かる「○日連続で」を簡略にして「連日で」としていると考えられます。この場合の「連日で」は、「連日で報じられる」の例よりは、自然に感じられるのではないでしょうか。

「連日」でよい場合が多いのは確か

アンケートの結果からも、動詞を修飾するなら「連日」を使う方が一般的だと言ってよさそうです。ただ、副詞的に働いているのか、名詞としての用法が意識されるのか。「毎日」の意味なのか、はたまた「〇日連続」なのか――。その守備範囲の広さゆえ、「連日で」としたときにどう感じるかも変わってくるのかもしれません。

(2020年07月03日)



質問に際して

たまに出くわす「連日で〇〇する/される」という表現。日本語としてどこか間違っているわけではないのですが、目にすると「なんかしっくりこないなあ」と感じてしまい、「で」を取って「連日」に直すことがあります。

この違和感の原因は、「連日」という語だけでも副詞的に使うことがあるからでしょう。例えば新型コロナウイルスに関する報道では「連日感染者が確認されており」といった形で登場しますが、この場合の「連日」は副詞の働きをしていて、「確認」を修飾しています。

「連日」の意味は「幾日もつづくこと。毎日。日々」(広辞苑7版)で、品詞は名詞。「連日の感染確認」であれば名詞として使われています。名詞だとしたら「で」を付けることで修飾語として働くのは何も問題ないはずです。ただ「毎日」が「毎日で報じられる」とは言わないように(もちろん「毎日新聞」の意ではありません)、「連日」も副詞として意識されることから「で」が余計だと感じてしまうのでしょうか。

しっくりこないのは果たして自分だけなのか、あるいはみなさんも同じ印象を受けるのか、伺ってみたいと思います。

(2020年06月15日)

 

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