会議を「インターネット形式で」開催するという表現。「問題ない」「許容範囲」派と「言い換えたい」派がほぼ半々でしたが、9割以上の人が「違和感あり」とも。あえて「インターネット形式」という用語を選ぶのは考えものかもしれません。

遠隔会議の「インターネット形式」という言い方について伺いました。

9割超が「違和感あり」

会議を「インターネット形式で」開催する――この言い回し、どうですか?
問題ない 8.5%
違和感はあるが許容範囲 38.5%
違和感が強く、言い換えたい 53.1%

 

会議を「インターネット形式で」開催する、という表現に対し「問題ない」「許容範囲」派と「言い換えたい」派がほぼ拮抗(きっこう)する結果となりました。ただし、「違和感」という感覚的なものに限れば、9割超の人が収まりの悪い印象を受けたと言えます。他の言い方もあることを考えると、「インターネット形式」をあえて選ぶ必要はないと考えます。

テレワーク推奨で遠隔会議が増加

新型コロナウイルスが流行し始めて数カ月、テレワークを推奨する企業が増加しています。毎日新聞の校閲センターでも、出社人数を絞って仕事をするようになりました。

そんな中、会議や、あるいは飲み会などでも最近重宝されているのがオンラインでの映像通信です。記者会見などでもよく利用されるようになったため、新聞でも登場回数が目に見えて増えています。しかし、こうした通信についての用語は、特に統一されているわけではありません。そのため原稿を出す記者がそれぞれ思い思いの書き方をするのですが……。

そうした原稿の一つで、今回の質問の元となる記述に遭遇したのです。「インターネット」とは、通信システムのことを指します。そのため、出題者としては「対面形式で」などと同じ使い方をするのには違和感がありました。結局、このときは「インターネットを介して」とすることで落ち着きました。

遠隔通信による会議の呼び方は

なお、これまでも似たような会議形式として、電話を使用したものがありました。首脳らが電話で話し合いをした場合に「電話会談」と表現されることが多々あるのですが、「会談」には「面会して話し合うこと」(広辞苑7版)という意味があります。毎日新聞では、実際には顔を合わせていないことに鑑みて「電話協議」と直しています。それではインターネットを利用した昨今の会議については、どのような言い方なら許容されるでしょうか。いくつか例を挙げてみます。

「オンライン会議」:インターネットにつながっている状態での会議で、違和感はありません。オンライン授業などの表記もよく見られます。「会議」という言葉にも「会」という字があるのでやや気になりますが、同じ「ルーム」に集まって相談する形は「何かを決めるため集まって話し合うこと」(同)という意味には沿っているといえます。

「テレビ会議」:すでに広辞苑にも載っています。「参加者が通信回線を介し互いの映像・音声を送受信しながら行う会議。遠隔会議」(同)という語釈がつけられています。

「ウェブ形式での会議」:ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の略であるウェブとは、インターネット上に点在する情報、あるいはそれらをつなぐシステムのこと。一般的にウェブブラウザーを介してアクセスします。インターネットと同義として使われがちですが、実は別物です。しかしこれもシステム自体を指してしまうので「形式」を入れるのは違和感があります。

「ネット会議」⊃「ウェブ会議」では

「インターネット(ネット)会議」や「ウェブ会議」の使い分けも個人的には気になります。ウェブ会議は上に書いたとおり、ウェブブラウザーを使用していれば該当するように思います。近ごろよく利用されているZoomは、ソフトウエアをインストールしていなくても、ブラウザからも参加することができます。

しかしLINEビデオ通話など、ソフトウエアを介さなければ利用できないサービスもあります。これらのケースも含めるならインターネット会議と表記するほうが適切なのでは……と思ったりもしますが、部内では「気にならない」という声もあります。

本当に「ウェブ」会議なのかなあ、などと悩みつつ、でもどのサービスを使ったかはわからないし……となかば諦めの気持ちもないわけではありません。ネットとウェブについても気になる人のほうが少ないのかもしれませんが、コロナ対応で次々編み出される言葉になんとか付いていきたいと思う日々です。

(2020年05月08日)



質問に際して

インターネットは通信ネットワークのことを指し、「対面形式」「テレビ会議形式」などと同様のかたちで使用するのには違和感があります。この書き方が出てきた原稿は「インターネットを介して」と直しました。

新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの会議がインターネットを利用して開催されるようになりました。紙面でも「ウェブ会議」「テレビ通話」「オンライン授業」「ネット中継での記者会見」など、今まではあまり見られなかった言葉が頻出しています。

これまで「電話会談」の場合は、実際に顔を合わせていないため「電話協議」としてきました。ならば顔を見られれば会議でよいのか?などと、記者が思い思いに書いてくる名称に、日々地味に頭を悩ませています。

(2020年04月20日)

 

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