「週末」は具体的に何曜日か。「土日」が最多でしたが半数には届かず、「金曜夜から」を含めれば、金曜は週末に入るという人が過半数でした。日曜を含まず「金土」も2割と、人によって使い方に違いがあるようです。

「週末」は具体的に何曜日のこととして使うか伺いました。

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「金曜も含む」が過半数

「週末」という表現、何曜日を指して使いますか?
金、土曜 20.8%
土、日曜 45.8%
金曜から日曜 16.6%
金曜夜から日曜 16.8%

 

「土日」のこととして使う人が最多でしたが、半数には届かず。「金曜夜から」も含めれば、金曜は週末に入るという人が過半数でした。日曜は入らないという人も2割ほどおり、予想よりも回答は分散した印象を受けます。単に「週末」と言った場合に何曜日のことを想定するかは、人によって違いがありそうです。

週休2日制で定義が変わったか

辞書の定義を改めて引くと「一週間の末。土曜日、また土曜日から日曜日へかけていう。近年は金曜日を含めてもいう」(広辞苑7版)。もっとも、最近では土曜日だけを指して「週末」ということは少なく、アンケートの選択肢にも含めませんでした。広辞苑が金曜日に関して「近年は」と断っているのは、週休2日制が普及してからのことと言いたいためでしょう。

広辞苑でこの「近年は~」のくだりが追加されたのは4版(1991年)から。国家公務員が完全週休2日になったのは92年のことで、民間企業ではそれ以前から導入が進んでおり、この追加にはうなずけます。もっとも、91年から2018年の7版に至るまで「近年」の言葉が生きている点には、「近年」の幅も広いものだと感じますが。

場合によって意味の使い分けも

一方、回答から見られる解説では、日本国語大辞典2版が「金曜から土曜日、また、土曜の午後から日曜日にかけてをいう」としていることを紹介しましたが、この説明は旧版(当該の巻は1974年)から変わっていません。週休2日制が普及する前から、「週末」は金曜を含むとする考え方もあったことになります。

日国は「週」の項目で「日曜日から土曜日までの七日を一期とした暦の上の単位」と説明していますから、厳格に日曜を週初とすると「週末」は金、土曜あたりということになるでしょう。ただし、日国は「週末旅行」という見出し語も取っており「週末にする旅行」と説明していますが、これは「土曜の午後から日曜日にかけて」のはず。週休2日になる前でも土曜は半ドンでしたから、日曜にかけ旅行をするわけです。「週末」という言葉が場合によって使い分けられることを示す例と言えそうです。

NHKの調査では…

NHK放送文化研究所のウェブサイトでも、今年の2月に「『週末』っていつ?」という記事を載せています。

「週末」についてNHK「ことばのハンドブック2版」(2005年)は「指す範囲があいまいなので、注意する」としつつ「①土曜日 ②土曜日と日曜日 ③金曜日の夜から月曜日の朝まで」の三つを挙げています。さらに「②③は週末休暇、レジャーなどの関連で使う場合が多いが、その際、週休2日制の普及の状況を考えて、たとえば『土曜の午後から』とするような配慮も必要である」と説明。ここまで本欄で述べてきたことをまとめたような記述でもあり、説明としてはこんな感じに落ち着くのかなあ、というのが率直な感想です。

放送文化研究所のサイトは「週末」の使い方についての調査結果も載せています。NHKの調査は今回の「毎日ことば」のアンケートとは選択肢が違うのですが、「週末」として「土、日曜」を選んだ人がNHKは47%、今回が45.8%と、意外なほどの相似を示しています。「毎日ことば」のアンケートは世論調査とは言えないものですが、一般的な感覚を問う質問では、それなりに世相を映した傾向が出るのではないかと考えており、この相似には少しばかり心強い思いがいたします。

「指す範囲があいまいなので、注意する」

「週末」については、最多を占めた「土、日曜」を選んだ人でも半数に届かないことを考慮すると、NHKが言うように「指す範囲があいまいなので、注意する」のが大事でしょう。もちろん使用を控えよという意味ではありません。使う場合には受け手に誤って取られることがないよう、分かりやすい使い方を心がけたいということです。あるいは、話し手と受け手で解釈が違っても問題が生じない文脈で使う言葉、ということになるかもしれませんが。

(2019年06月21日)

質問に際して

金曜日に出た原稿で「週末にかけてさらに気温が上がる見通し」のようなくだりを見ることがあります。うーん、「週末にかけて」とあるけれど、金曜なんだから既に週末だよなあ。「この週末は」ぐらいにした方がよかろうか。でもこの記者は「週末=土日」と考えているようだし、そっちの方が普通なのか。

辞書の説明を抜き書きすると「金曜から土曜日、また、土曜の午後から日曜日にかけてをいう」(日本国語大辞典2版)。「土曜日、また土曜日から日曜日へかけていう。近年は金曜日を含めてもいう」(広辞苑7版)。「土曜日から日曜日にかけてをいう。〔金曜日を含めていうこともある〕」(大辞林3版)。「金・土曜から日曜日にかけてのころ」(大辞泉2版)

これらの説明からはっきり言えることは、月~木曜は含まれない、ということぐらいでしょうか。金、土、日曜あたりについて感覚的に使われているというのが実態なのかもしれません。

ちなみに気象庁の「時に関する用語」では、週末は「土、日曜日」とされています。皆さんもやはり「土日」と意識して使う言葉でしょうか。

(2019年06月03日)

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