まだ新聞は使用を抑制している「真逆」。使う人は55%の一方、定着したと考える人は4分の3を超えました。04年には新語扱いでしたが、今年出た広辞苑7版が注記無しに普通に使われる言葉として掲載するなど、急速に定着が進んだようです。

「真逆」という言葉の定着度合いなどについて伺いました。

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使うのは55%だが定着したと考える人は4分の3超

よく見かける一方で嫌う人も多い、正反対を意味する「真逆(まぎゃく)」。使いますか?
使う。定着した。 44.4%
使うが、定着したとは言えない。 11.3%
使わないが、定着はした。 33.1%
使わない。定着したとは言えない。 11.1%

 

「使うか否か」「定着したか否か」という二つの要素を合わせた質問です。結果は「使う」という人は55%と半数をやや上回る程度でしたが、「定着した」と考える人は4分の3を超えました。

この「毎日ことば」のアンケートは、回答者を無作為抽出して行う正式な世論調査とは性格が異なりますが、それでも社会の傾向を一定程度反映していると考えます。正反対という意味で「真逆」を使うのは、もはや一般化したと言えそうです。

それにしても急速に定着が進んだものです。回答から見ることのできる解説でも触れましたが、「真逆」は2004年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉で、この時点ではまだ新語扱いでした。11年度の文化庁「国語に関する世論調査」では、「正反対のことを『真逆』という」ことが「ある」と答えた人が22.1%、「ない」人が77.4%。使う人はまだ少数派でしたが、20代以下では既に過半数を占めていました。そして今回のアンケートでは「使う」という人こそ55%ですが、「使わない」と答えた人の中でも4分の3が「定着した」と認めています。使わない人も認めるというところに、その定着が本物であることを感じます。

国語辞典の扱いも変化がうかがえます。08年の6版で見出し語に「まぎゃく」を採用した三省堂国語辞典は、14年の7版でも俗語であるという注記をしていますが、今年1月に出版された広辞苑7版では「まぎゃく【真逆】全くの逆。正反対。『―のことを言う』」と、注記無しに、普通に使われる言葉として掲載しています。岩波書店の辞典編集担当の方に伺ったところ、「真逆」は「定着した」と認識しているとのことでした。

しかし一方で、「真逆」に強い違和感を抱く人もいます。先日も、毎日新聞で「真逆」を見かけた読者の方から「非常にがっかりしました」と嘆くメールをいただきました。「どうしてみんな『正反対』と言わず、マギャクなんて言うようになったんだろう?」と嘆きの声は続くのですが、この書きぶりから察するに、この方も「真逆」が急速に広まっていることはご承知のようでした。

毎日新聞用語集では「口語体で一般化している俗語も安易に使うことはしない」としており、現状では「真逆」を無条件で通すということにはなっていません。他社では用語集に「真逆」の項目を設けて、記者に「全く逆」「正反対」などとするよう促している社もあります。ただし、広辞苑のように俗語であるとも言わない辞書が増えるならば、新聞の態度も変わっていくことになるでしょう。

(2018年11月06日)

質問に際して

「真逆」は成立が新しい割によく使われる言葉で、見出し語に採用する国語辞典も増えています。辞書では2000年ごろから使われるようになったと説明されており、04年には「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされました。

意味としては「正反対」と同じですし、「真逆」は「まさか」として使われることもあったため、「正反対」を使うべきだという声も根強くあります。毎日新聞でも、現在のところは基本的に俗語扱いで、記者の書いたものでは「正反対」などに直すようにしているのですが、かなりの頻度で現れるためチェックが行き届かないこともあります。また、コラムや外部筆者の原稿、発言の引用などでは直さずに通すこともあります。

しかしそうすると、「新聞で『真逆』のような言葉を使うなんて……」とのご指摘を受け、抵抗感を持つ人がまだ多い語であるということも実感することになります。11年度の文化庁「国語に関する世論調査」では、「正反対のことを『真逆』という」ことが「ある」と答えた人が22.1%、「ない」人が77.4%でした。この調査から6年半ほどがたちましたが、今回のアンケートはどのような割合になるでしょうか。

(2018年10月18日)

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