「世迷い言」の読み方は6割以上が“正解”と言える「よまいごと」を選びましたが、「よまよいごと」も3分の1と浸透しつつあるようです。大辞林は「よまよいごと」という言葉も可能であることを示唆しています。

「世迷い言」の読み方について伺いました。

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6割超が「よまいごと」だが「よまよいごと」も3分の1

「世迷い言」。なんと読みますか?
よまいごと 63%
よまよいごと 33.2%
どちらでもよい 3.8%

 

6割以上が「正解」と言える「よまいごと」を選びましたが、「よまよいごと」も3分の1。「よまいごと」が常識とも言い切れなくなっています。回答から見られる解説で、「『よまよいごと』が勢力拡大中なのか」と書きましたが、この結果を見る限りでは、実際に浸透しつつあるものと思われます。

辞書類はそろって「よまいごと」を取っています。新しい用法を積極的に取り入れる三省堂国語辞典の最新版も「よまいごと」のみ。ただ、回答からの解説でも引いた大辞林だけが、1988年の初版から2006年の3版に至るまで、語釈において「とるに足らない不平や愚痴。訳のわからない繰り言。世まよい言」として、「よまよいごと」という言葉も可能であることを示唆しています。

また、回答からの解説では、送り仮名を付けない「世迷言」と同様の読み方をする言葉として「迷子」を挙げました。しかし辞書を見ると、この二つの語に出てくる「迷」の読みは結果的に同じであっても、そう読むに至った経緯は異なるようです。「迷子」は「まよいご」の変化した語(日本国語大辞典2版)。一方の「世迷言」は「ヤマヒ(病)言の意」ないし「動詞ヨマフから」とのこと(同)。「よまいごと」に対する「世迷言」の文字は、意味に後から付けられたものかもしれません。

実をいうと、日本新聞協会の発行している「新聞用語集」では「よまいごと」の表記について、「(世迷い言)→世まい言」とするよう促しています。多くの新聞社などもそれに倣って用語集に定めを設けているのですが、なぜか「毎日新聞用語集」には入っていません。そのためか、紙面には時折「世迷い言」が現れるのですが、今回のアンケートの結果から見るに、3人に1人ほどの読者は「よまよいごと」と読んでいた可能性があります。皆が読めそうだと思う語でも、常用漢字表の音訓から外れる場合にはルビを振る方がよさそうです。

校閲グループのツイッターには、阿久悠さん作詞の「世迷い言」という歌に触れたコメントも寄せられました。こちらはもちろん「よまいごと」と読みます。

(2018年10月26日)

質問に際して

「世迷い言」とは「とるに足らない不平や愚痴。訳のわからない繰り言」(大辞林3版)。

正解は「よまいごと」なのですが、「世迷言」と送り仮名を付けない方がすんなり読めるかもしれません。「迷」を「まい」とするのは特殊な読み方ですが、同様の読み方をする言葉に「迷子」があります。こちらは常用漢字表の熟字訓に挙げられていることもあって、一般的に送り仮名は付きません。「迷い子」と書くと「まよいご」と読まれることでしょう。辞書にも「まいご」とは別に項目が立てられています。

さて「世迷い言」ですが、実は上に引いた大辞林は語釈の後に、ぼそっと(?)「世まよい言」と付け加えています。「よまよいごと」とも読むじゃないか、と思うかもしれませんが、これは少数意見です。認めている辞書はほとんどありません。

実は最近紙面に「世迷い言」が現れました。「迷」を「ま」と読ませるのは常用漢字表にない読み方なのでルビが必要なのですが、先に読んだ校閲記者はルビを振っていませんでした。読み流してしまったのか、もしかすると「よまよいごと」と読んだのでルビが必要とは思わなかったのかも? 「よまよいごと」が勢力拡大中なのか、と思い皆さんにも伺ってみたくなりました。

(2018年10月26日)

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