「けれん味がある演技」は褒め言葉と受け取る人が4割、文脈で判断が3割でした。「けれん味」は、芸能では「ある」方、相撲では「ない」方が褒め言葉のようです。

「けれん味のある演技」という使い方をどう受け止めるかについて伺いました。

「けれん味がある演技」は褒め言葉が4割

「けれん味のある演技」といったらどういう評価でしょう?
褒めている 44.4%
批判している 14%
文脈による 28.6%
意味が分からない 13.1%

 

4割以上の人が「けれん味がある演技」を褒め言葉として受け取り、多数派でした。しかし3割近くは文脈で判断するとのこと。芸能記事では「けれん味」が肯定的に使われることが多いけれども、辞書に載っている「はったり、ごまかし」といったマイナスの意味もあるという両様性を反映しているようです。

なかにし礼さんが「サンデー毎日」で、「スーパー歌舞伎」を創始した三代目市川猿之助をたたえる中で、この言葉に言及していました。

「ケレン味がない」という形容は真面目な人、ごまかしのない人という褒め言葉の意味となっている。……一般社会ではたとえそうであっても、芸能の世界では「ケレン味がない」という言葉の意味は違ってくる。それは面白みのない、代わりばえのしない、新味に欠けた、平板な、常識的な芸を評した言葉になり、決して褒め言葉の意味で使われることはない。

(2018年08月17日)



質問に際して

映画の評論記事で、ケネス・ブラナーさんが「けれん味と威厳たっぷりに」名探偵ポワロを演じた、と書かれていました。広辞苑(7版)では「けれん味」を「俗受けをねらったいやらしさ。はったり。ごまかし」とかなりマイナス方向に評価しています。大辞林(3版)でも「はったりやごまかし」という語釈に「-のない芸」という用例を続けており、けれん味のない芸こそが良い演技なのではと思えてしまいます。

「けれん」は演劇、特に歌舞伎でよく使われる用語で、「定格を外れ、見た目本位の奇抜さをねらった演技や演出」(平凡社「歌舞伎事典」)。例えば綱渡りや宙乗りなどで観客を沸かせるものです。つまり正統派の芸ではないのですが、「歌舞伎にとっては<見せる>という、大切な要素を受け持つもの」(同)でもあります。王道でないことを批判する文脈でなければ、「けれん味がある」は良い評価で使われることが多い気がします。

冒頭の記事については、「けれん味」と「威厳」が両立するのだろうかと思い筆者側に確認しましたが、そのままの表現でOKとのこと。オーバーアクション気味ながらも威厳を失わず、観客が楽しめる演技だったのでしょう。

(2018年07月30日)

 

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